【まどか☆マギカSS】 神の国と女神の祈り ─16─


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一つ前


194 : 第70話「世継ぎの少女・アンリ」 - 2015/05/23 22:30:21.79 d26eE4eT0 2680/3130

第70話「世継ぎの少女・アンリ」


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そのころ鹿目円奈は、最後のエドレスの王都を脱出すべく、ド・ラン橋を渡っていた。

この橋は、エドレスの絶壁とたわれる谷に架けられた細い石橋。踏み外せば崖に転落の、綱渡りだ。


エドワード城から向こう岸の国へ渡る橋。


風に髪をゆらしながら、円奈は馬で駆け、パカパカと橋のアーチを踏みしめて進んでいたが、背後には、厩舎から馬を呼び出し、馬に跨った敵騎士の追ってたちが、手にクロスボウを構えて、円奈たちを狙っていた。


バチン!

バシュン!


追っての敵兵たちが馬上からクロスボウを放つ。

円奈たちの背後へボルト矢が迫る。


円奈も反撃に出た。

クフィーユはまっすぐ全速力で橋の道を走る。そのまま風に吹かれる円奈が背をくるりと翻り、後ろ向きへ、弓を放つ。

やぶさめで狙われた騎士に矢が命中し、一人が落馬する。


「ああああう!」

鎖帷子に矢が当たり、重症にはならなかったが、円奈の矢が直撃した衝撃で騎士は馬から脱落する。

195 : 第70話「世継ぎの少女・アンリ」 - 2015/05/23 22:31:39.96 d26eE4eT0 2681/3130


一人は仕留めたが、追っ手は15人ほどだ。


レイファ、リドワーン、ブレーダル、芽衣たちは走りで橋を渡る。

ヨーランは爆薬を含めた袋をついに橋のど真ん中においた。「これで準備万端だ!」ヨーランは喜びの声をあげる。


「いったい何が?」

走りながら、マイミという歌娘の魔法少女が、ぜえぜえ息をはいて顔を赤くしながら尋ねた。息があがっていた。


「何がって?」

ヨーランは、走りながら、笑った。先頭を走る円奈の馬を追いかける。

「この戦いが始まって以来最高のショーだよ」


「はあ?」

マイミは走りながら顔をかしげた。


ヨーランの設置した爆薬は橋のど真ん中。アーチ橋の一番中心である。木炭、硫黄、硝石を混ぜた火薬が山のように袋に積もれて、そこに追っての騎士たちが通りかかろうとしている。黒い馬たちが鎧に包まれて突撃してくる。


「なにする気なのさ?」

マイミは問いかけた。


ヨーランは走りながらいった。得意げに笑って、若緑色の瞳を輝かせた。

「ぶっとぶようなことさ!」

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