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エレファント速報

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288 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/12 23:24:51.68 ZFg1nZcEo 215/1068


#19『佐倉杏子 師に会いにいく』


今夜の風見野は少し肌寒かった。

公園にて、千歳ゆまは街灯に照らされながら地面を見つめる。

拾った棒きれで地面に大好きな人の姿を描く。

関節を感じさせない傑作である。


ゆま「ふんふふーん」

ゆま「……お腹空いた」

ゆま「キョーコ、まだかなぁ」

ゆま「…………」

ゆま「……魔法少女」

289 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/12 23:26:22.27 ZFg1nZcEo 216/1068


二日前、キュゥべえという猫とも犬ともつかない生き物と出会ったのも、

今みたいに恩人の帰りを待っている時だった。

キュゥべえは言った。

「ゆま。君には魔法少女の素質がある。杏子と同じだ」

「何か、願いはあるかい?魔法少女になる代わりに、叶えてあげられる」

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

詳しい話を聞いていると、丁度杏子が帰ってきた。

杏子はすぐにキュゥべえを追い返すと、

「あいつの言うことは聞くな」……と言った。

しかしゆまは、魔法少女になれるという事実が嬉しかった。

自分も杏子と同じ存在になれる、杏子みたいに強くて格好いい魔法少女になれる。そう思った。

その上、自分の願いまで叶うのだ。

良いことずくめとはこういうことを言うのだと思った。

290 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/12 23:28:13.58 ZFg1nZcEo 217/1068


恩返しができる。役に立てる。

母親から「役立たず」と罵られてきたゆまにとって、そのことはどんなに嬉しいことか。

翌日「ゆまも魔法少女になってキョーコの役に立ちたい!」と言ってみた。

すると、杏子に「ふざけたこと言ってんじゃねぇ」と怒られた。

ゆまは、何故怒られたのかよくわからなかった。

「危険に巻き込みたくない」という意志を直接言わない。

内容によっては素直な気持ちを言えないという、杏子の性格の短所がそこにはあった。

ゆまは、力にならなければと思う反面、杏子が言うのであればしかたがないという気持ちを抱いた。

命が関わる葛藤をするには、精神が幼すぎるのだ。


ゆま「……カッコイイなぁ」

ゆま「ゆまも、魔法少女になりたい」