ダイヤ「海辺で舞う」


1: 名無しで叶える物語(風靡く断層) 2017/10/10(火) 22:27:13.02 ID:PEmWEcyj.net

性格G`s基準 短め



3: 名無しで叶える物語(風靡く断層) 2017/10/10(火) 22:29:23.43 ID:PEmWEcyj.net

わたくし、実は踊りには自信があるのよ。


あ―――いえ。


スクールアイドルももちろんそうだけど。

本当に自信があるのは舞踊のほう。


優雅なわたくしにピッタリでしょう?フフ―――♡


黒澤家に相応しいのは勝利のみ。

黒澤の娘に、敗北なんて許されないの。


お琴も唄も舞踊も、昔から誰にも負けない自信があった。

絶対にね。


5: 名無しで叶える物語(風靡く断層) 2017/10/10(火) 22:33:27.70 ID:PEmWEcyj.net

けれど。


そんなわたくしが、一度だけ――――


たった一度だけ。


負けを痛感したことがあるの。


6: 名無しで叶える物語(風靡く断層) 2017/10/10(火) 22:38:51.17 ID:PEmWEcyj.net

わたくしが高校2年生の時―――去年の秋のことよ。

全国から名家の娘を集めた、踊りの発表会があったの。

東京のそこそこ大きな会場でね。


黒澤家よりも名も通っている、大きい家の娘もそこそこ居たけれど―――

負けを感じることは無かったわ。


付け焼刃のような低いレベルの踊りを披露するような子もいれば、

緊張して失敗するような子もいた。

もちろん、レベルの高い子もいるけれど、やっぱりどこか詰めが甘くて。

会場の拍手だって、明らかにわたくしに向けられるものが一番大きくて。


全国って言っても、所詮はこんなものなのかしら―――――なんて。


そう思っていた。


7: 名無しで叶える物語(風靡く断層) 2017/10/10(火) 22:42:13.54 ID:PEmWEcyj.net

発表会の締めを飾るのは、まだ高校1年生の東京の子。


彼女は蒼い着物に袖を通し、僅かな音も、少しの風も立てずに歩いてくる。


舞台の中央に彼女が立った瞬間、


ぴりっ―――――と、会場の空気が張り詰めた気がしたわ。


8: 名無しで叶える物語(風靡く断層) 2017/10/10(火) 22:45:09.88 ID:PEmWEcyj.net

彼女の舞は、指の先――――


いいえ。


それどころか――――髪の毛の一本にさえも、寸分の狂いも無い。


とても繊細で儚いのに、でもどこか厳かで。


艶やかだけれど、とても力強くて。


完璧だった―――とでも、言えばいいのかしら。


私は、彼女に魅了された。


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