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エレファント速報

えすえすMode

1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/26(月) 08:37:41.86 :3xKP/jN8o

『ボクはカワイイですからっ』

付けっぱなしだったテレビから流れてくるのは、聞き覚えのある甘ったるい声。

悪戯っぽい小悪魔じみた笑み、かわいらしい顔立ち、小柄な体躯。

確かに、自らをして可愛いと評するのも頷ける少女。

そんな同僚のことを、どうにも気に食わなくなったのはいつからだっただろう。


2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/26(月) 08:41:46.38 :3xKP/jN8o

「……ふぅ」

我ながらくだらないとため息をついた。

が、置かれた状況の変化の無さに、益体もない思考はさらに滑っていく。

……双葉杏は、輿水幸子が嫌いだ。

いや、端的に言いすぎた。

嫌いといっても、憎んでいるとか罵り合うとかそういうことではなく。

何となく苦手、何となくそりが合わない、ただ、何となく……、嫌い。

それが、あの鬱陶しいほど自信過剰な芸風に起因するのかすらもわからない。

とにかく、双葉杏は輿水幸子が嫌いだ。


3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/26(月) 08:44:27.42 :3xKP/jN8o

(なのに……、なんでこうなるかな)

ともあれ、さっきもいった状況のことを話そう。

今、事務所には二人の人間がいる。

件の輿水幸子と、自分、双葉杏。

小さいながらも十数人の所属アイドルがいる事務所で、自分達以外のアイドルは出払っており。

そのアイドルたちを一手に引き受けているプロデューサーや事務員も留守にしており。

つまり、たった二人、狭い事務所の休憩室で、重苦しい空気の中、押し黙って膝を突き合わせている。

「……」

「……」