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森きのこ!

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/17(日) 20:46:23.39 ID:WY8rOYY/0

ああ、よく来たね。
・・・なあに、大した話でもないさ。酒はサービスするよ、料理は今作っているから楽にしていてくれ。


2: ◆OtiAGlay2E 2018/06/17(日) 20:55:11.17 ID:WY8rOYY/0

どうだい?この店は。大衆食堂としてはいかにもといった感じだろう?最近はチェーン店も増えてきたが味ではよそには負けない自信はあるよ。安く、おいしく。それがうちウチのモットーだ。チェーン店なんかに負ける気はそうそうないさ。
小さいときから料理は好きだった。料理を始めたきっかけは今では忘れてしまったが、いつのまにか鍋をふるようになっていた。
そんな私だから大人になって、自分だけの城を構えて料理を振るうようになるのは初めから決まっていたことなのかもしれない。


3: ◆OtiAGlay2E 2018/06/17(日) 20:59:06.57 ID:WY8rOYY/0

ああ、悪いね。
この店は禁煙なんだ。
いや、別に私が煙草が嫌いなわけじゃないさ。あの子のためと思って思い切って禁煙にしたんだ。
お客さんもみんな承知の上だ。
なんて言ったってあの子はこの店のアイドルだからな。
おっと、今はみんなのだったな。
それは君のほうが詳しいだろう。


4: ◆OtiAGlay2E 2018/06/17(日) 21:00:01.92 ID:WY8rOYY/0

すまない、話しが横にそれてしまったね。


成長して、それなりに名の売れた場所で修業を積んだ私は一国一城の主となった。それがこの店だ。
自分で言うのもあれだが、これでも有名なホテルやレストランの注文からオファーは来てたんだ。

だけど私は自分の城を構えることを選んだ。
私は自分の料理でお客さんを笑顔にすることが好きなだけだったし、なによにそれを間近で見たかったからね。


5: ◆OtiAGlay2E 2018/06/17(日) 21:01:20.44 ID:WY8rOYY/0


店の経営が軌道に乗り始めてしばらくした頃に、私は人生の伴侶を得た。もう20年以上前のことだね。

軌道に乗ったといっても料理一本で生きてきた私の経営の才能は全然で、常に火の車だったが彼女にはかなり助けられた。いつでも献身的に私のことを支えてくれていた。
彼女に出会わなければこんな店とっくに潰れていただろうね。私が君と会うことはなかっただろう。もちろん君とあの子もね。


そう考えると運命とはなかなか面白いものだとは思わないかい?


私が家内と出会わなければあの子は生まれなかったし君と出会うこともなかった。


私が料理の道に進まなければ家内と出会うことはなかった。


私が子どものときに鍋を振るっていなければこの道に進むことはなかった。


君もいっしょだ。君の歯車が何か一つ掛け違えていたらきみは今この場所にいなかっただろうね。ここにいるのは別の人か、あるいは誰もいないか……。
いろいろな歯車が絡まりあって今がある。何か一つでもくるっていたら。今この瞬間は存在していないだろう。それが運命ということだろうね。