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エレファント速報






499 : 以下、名... - 2017/12/31 12:15:35.56 Hga49WgN0 456/829

『不老不死』

身の丈に合わぬものを、手に入れようとしてはいけない。

言われるほどには理不尽でない、因果応報の成り立つこの世界では。

与えた分だけ返ってくることがあるように。

奪った分だけ、奪われる。

【第6章 強欲の街『欲望に伸びる腕輪』】

神は二つの事を禁じられた。

自殺をすること。

不死を望むこと。

500 : 以下、名... - 2017/12/31 12:20:22.77 Hga49WgN0 457/829

遊び人「……ここは、どこ?」

蘇生されたばかりの遊び人は痛そうに頭を抑えながら尋ねた。

勇者「教会だよ。『庭の宝の村』という場所の」

遊び人「……ごめん、色々有りすぎて、頭がごちゃごちゃしちゃってさ」

遊び人「憤怒と傲慢の勇者と一緒にいて。それからお姫様が裏切って。そして、あいつが現れて……」

勇者「無理するな。宿屋に行ってゆっくり休もう」

遊び人「何言ってるの。ゆっくりしてる場合じゃないでしょ。今すぐにでも」

勇者「もう終わったんだ。落ち着ける場所で、頭を整理しよう」

遊び人「勇者はそうやって、いつもいつも問題を先延ばしにして……」

遊び人は怒りを込めた口調で言いながら、頭痛を堪えながら勇者を見上げた。

遊び人「……勇者!!」

勇者の顔色は、不健康に青白くなっていた。

身体は傷だらけで、頬も痩せこけ、目に隈ができていた。

勇者「俺達は敗北したんだ。逃げ切れたのは俺達だけだ」

勇者「やつらの魔物から逃げるのもぎりぎりだったよ。いつもならかすり傷程度で棺桶送りだったけど、自分の中に眠る精霊に保護しなくていいと願ったんだ。付近の教会に敵が配置されていたかもしれなかったから」

勇者「おかげさまで、この有様だけど、逃げ切ることができた。ろくに呪文の力を貸してくれないくせに、こういう願いばっかり聞き届けてくれるんだから」

勇者「とにかく、遊び人も無事蘇生できて……よか……」

勇者は言い切らぬ内に、地面に倒れ込んだ。

遊び人「勇者!!」

遊び人は勇者のそばに寄った。

勇者の呼吸は浅く、早かった。

勇者「……ここまでの輸送料、500Gな」

遊び人「馬鹿なこと言ってないの。肩を貸して。宿屋まで連れて行くから」

遊び人は勇者の身体を支えた。

勇者「…………」

勇者「……ごめん」

遊び人「何を謝ってるのよ」

勇者「……弱くて、ごめん」

遊び人は言い返そうとするも、胸に何かが詰まり、口をつぐんでしまった。

口を開くと、涙が溢れてしまうと思った。