2: ◆tdNJrUZxQg:2018/02/09(金) 23:46:06.29 :DwZz2Xwp0

海の中を漂う。

暗い。

2月の海は言うまでも無く水温が低く、水中での保温性の高いウェットスーツを着ていても、その冷たさを主張してくる。

音も無く、光も無く、温もりもない。

……でも、今の私からしたら、これがお似合いだと思う。





* * *


3: ◆tdNJrUZxQg:2018/02/09(金) 23:46:49.31 :DwZz2Xwp0

高校生になって初めての冬──とは言っても2月ともなると冬は後半戦。

余り冷え込まない沼津は内浦でも、さすがに寒いと思う。

そんな寒さでも元気に吹き飛ばしてくれる、鞠莉は──もう居ない。

ぼんやりと自室のベッドに横たわりながら、お気に入りのイルカのぬいぐるみを抱きしめて、ぼーっと天井を見つめている。

──ブーブー


果南「ん……」


近くに置いてあったスマホが震える。


果南「ダイヤからだ……」


幼馴染から届いたメールには簡潔に『果南さん、お誕生日おめでとう御座います。』とだけ、


果南「……ダイヤらしいなぁ」


私も簡素に『ありがと』とだけ返して、スマホを放って、再び天井を仰ぐ。


果南「私……何やってんだろ……」


仰いで呟く。

…………。

──鞠莉、今頃どうしてるかな……。


果南「……あーだめだ、走ってこよう。」


私はパパっと身支度を済ませ、家を飛び出した。





* * *