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SSなび

エレファント速報

1: ◆uSEt4QqJNo:2017/12/25(月) 23:15:56 :vrZuEj5M

ガタガタと廊下の窓が震えた。
外はどうやら風が強いらしい。窓の隙間から入る冷気が静かな兵舎内を冷やしていた。

そんな冷たい風が吹く外から振り下ろされる槌の音がする。
あれを「地獄の処刑人」と名付けたのはハンジだったか。そう思い、リヴァイは窓から見える壁に目を向けた。

巨人を掃討する為に作られた通称「地獄の処刑人」。エレンの硬質化能力で生み出されたそれらは幾つも壁に設置された。
その威力はすさまじく、来年の春か夏頃には壁の外にいる巨人共を消し去ってしまえるかもしれない。
調査兵士が幾人か掛かりで一体の巨人に向かい、犠牲を出して殺していた。それが今では……。

余計な感傷を振り払うかのようにリヴァイは軽く頭を振ると書類仕事をこなすために長い廊下を歩いていった。


2: ◆uSEt4QqJNo:2017/12/25(月) 23:17:18 :vrZuEj5M

後ろにある窓が風で揺すられる中、机に向かうハンジは頭を掻き毟りながら書類仕事をこなしている。ここ暫く調査兵団は忙しい。
それはそうだろう。ほとんどの調査兵は亡くなり、残っているのは幹部が2名と新兵が7名だ。それだけの人数、しかもほとんどが新兵という状況で職務をこなさなければならない。

業務は滞るばかりで遅々として進まない。そんな状況が始めの頃は続いた。駐屯兵団や憲兵団から応援を寄越されもしたが全てを賄うのはさすがに無理がある。幹部2人への負担は大きかった。
このところようやく新兵達が仕事を覚え、役に立つようになり少しは落ち着いた。

余裕が少し出来たからだろうか。何やら部下の様子がおかしいとハンジは思った。
そわそわとし、ちらちらとリヴァイや自分を見やる。しかし話しかけてはこない。業務の事だろうかと考えるがそれらはちゃんと聞きに来るので恐らく違うのだろう。
業務以外の事を聞きたいのかそわそわそわそわ。口を開きかけてはやっぱりまずいかというように口を閉ざす。

忙しかったので放置していたがさすがにそろそろ訊ねた方が良いのだろうか? とハンジは軽く首を捻った。
自分達が忙しいと知っている為何か聞きあぐねているのだろう。このままではずっとそのそわそわを見せつけられることになってしまう。