※『とある神父と禁書目録』シリーズ

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元スレ
ステイル「まずはその、ふざけた幻想を――――――」

2 : 天使編⑥ - 2011/09/23 20:53:56.49 dKFA4VgA0 1413/2388



炎が閃いた。

一瞬だけ走った凄まじい高熱に歯を食いしばり、

慌てて一方通行は演算補助デバイスに手を伸ばそうとする。


「――――――――!」


だが腕が、肩が、首が、重力に負けてカクンと落ちる。

それはすなわち、一方通行の生命線が完全に断ち切られた事を意味していた。

更に言いかえてしまえば。


「これで、形の上では君を戦闘不能に追い込んだ事になる。つまり」


筋肉を動作させる為の電気信号が回線不良を起こし、眼球すら満足に動かせない。

そんな一方通行の視界に、コンクリートをカツンと突く音。

投げ捨てられた前時代的なデザインの杖を支えに、ステイル=マグヌスが凝然と立っていた。

手品というものが得てしてそうであるように、種がわかってみれば何という事は無い。

先刻蜃気楼で消えたと思われたその位置から、ステイルは一歩たりとも動いていないだけであった。


「一応は、僕の勝ちだね。一方通行」

4 : 天使編⑥ - 2011/09/23 20:55:29.50 dKFA4VgA0 1414/2388



「いやいやいや格好つけてんじゃねえよ!
お前だな、フィアンマに俺を投げ飛ばせって言ったの!!」


ステイルが高らかに、少々収まりの悪い勝利宣言をすると、抗議の声が割り込んだ。

貧相な第一位のボディを安々と払いのけてズンズンと迫る、上条当麻その人である。


「ああうんごめん申し訳ありませんでした許して下さい」

「臆せず謝れるなんて大人になりましたねー、先生はうれし、じゃねーーーっ!!!
誠意が籠ってねーんだよ誠意が! 焼き土下座でもやれやってくれやりやがれ三段活用!!」

「大丈夫かい一方通行?」

「俺の心配が先だろ! 高さ15メートルから投げ出されたんぞ!?」

「すまないね、君のライフラインを遮断してしまって。
こうでもしないとまるで勝ち目がなさそうだったからね…………これを」


猛烈に地団太を踏む上条をきっぱり無視して、

ステイルはポケットから“ある物"を取り出した。

膝を抱えて拗ねようとしていた上条が立ち上がって覗き込むと、

直径10センチ強の円環に超小型の精密機械が取り付けられている。


「俺今日こんな扱いばっかかよ………………ん? これって一方通行の首輪じゃんか」

「普通はチョーカー、と呼称するんだよバカ。
僕の勝利パターンはこれ以外考えようがなかったから、
予め『冥土返し』に頼んで予備をもらっておいたんだバカ」


さる七月十一日の診察時、インデックスを部屋から追い出した直後。

散々お小言をもらった挙句高額の請求書まで叩きつけられて泣きを見たが、

無駄にならなかったことだけが救いだな、とステイルは胸を撫で下ろした。