※『とある神父と禁書目録』シリーズ

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543 : 第二部 『学園都市編』 プロローグ - 2011/06/13 20:39:09.46 /gvEXE4J0 352/2388



学園都市。


それは日本の首都東京の西部に位置する巨大な教育研究機関の総称であり、


同時に世界の一方を占める勢力、『科学』の総本山である。


三次大戦の主役となった十年前と較べ技術進歩の速度が緩やかになっているとはいえ、


今なお世界最高の科学技術を擁して、勢力を拡大し続ける事実上の独立国家。


数多の学生が超能力を有し、『魔術』に対抗しうる力を秘めるこの世のパワーバランスの一極点。


――――そして、彼女の人生が始まった場所。


それが、学園都市だった。

544 : 第二部 プロローグ - 2011/06/13 20:41:29.41 /gvEXE4J0 353/2388


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ロンドン・ヒースロー空港の特別通路を、一組の男女が暗い面持ちで歩いていた。


十字教をなめたようなスタイルの神父――ステイル=マグヌスは、いつも通りの憂鬱な面である。

彼にとっては悲しいことだが、別段周りから見て珍しい表情、というわけでもない。


そのステイル以上に凄絶な表情でスーツケースを引いているのが、

国内外に多数のファン(お前らまず入信しろよ)を当人も知らぬ間に獲得している、

イギリス清教最大主教――インデックス=ライブロラム=プロヒビットラムであった。


「ねえ、ステイル…………やっぱり帰らない?」


「…………そういうわけにはいかないね。大体、あなたが是非にと言ったんだ」


「そ、それはそうなんだけど!」


ステイルとて、気乗りしないのは山々である。

あれよあれよという間に清教派内で決定していた今回の『仕事』は、

その始まり――は別として、終わりまでほぼ全てあの曲者が仕組んだことだ。

ましてや行き先があの街ともなれば、いよいよ彼のテンションはストップ安である。