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高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」

2 : 以下、名... - 2017/12/19 19:57:47.50 WIN2YWrHo 2/86


*プロローグ

高嶋友奈(昔、友達にひどいことを言ってしまった)

友奈(謝らなければ、と思った。だけど……私には勇気がなかった)

友奈(謝れないまま時間だけが過ぎていき、結局私は転校することになって、その友達とはそれっきりになってしまった)

友奈(とても、後悔している)

友奈(もう二度と、あの子に謝ることはできなくなってしまったから)

友奈(それ以来、私は他人を傷つけないように、同じ間違いを犯さないように、細心の注意を払いながら生活している)

友奈(辛くても苦しくても、どんな時でも……笑顔を浮かべて)

友奈(明るい人だ、気配りができる人だ、ムードメーカーだ、なんて言われるけど、本当の私はただただ他人に怯えているだけの弱い人間でしかない)

友奈(本当は、とても嫌になることもあるけど、それでもやっぱり他人を傷つけるほうが嫌だったから、私は皆の思い描く高嶋友奈を演じ続けるしかなかった)

友奈(そんな日々にも慣れてきたある日のこと)

友奈(迷い猫を追いかけて、路地裏? と言われるような場所に迷い込んだら、そこには私と同い年くらいの女の子が動くことなく座っていた)

友奈(一瞬だけ嫌な想像をしてしまったけど、やっぱりそんなことはなくて、女の子はただ単に地べたに座っているだけのようだった)

友奈(ひどい顔をしている……)

友奈(それが正直な女の子の第一印象。でも、そんな顔は鏡でいつも見ていたから、直感的に私と同じなのだと思った)

友奈(──放っておけば潰れてしまう)

友奈(それが分かっていたから……あの時の自分を見ているように思えたから、私は声をかけていた。少しだけ勇気が必要だった)

友奈「大丈夫?」

少女「……」

友奈(女の子は何も言わず私を見て、何故だか怯えているように見えて、最後に目を細めた。だから、私は怖くなんてないんだよ、といつもの笑顔を被せてみる)

友奈(……ちょっとだけその子の気持ちが分かってしまっていたから、笑顔は少しだけ失敗していたのかもしれない)

友奈(それは、もう謝ることのできない友達へのしょくざいだったのだと思う。私の口は自動的にこう告げていた)

友奈「もし行くところがないんだったら、良ければなんだけど……うちに来る?」

少女「……」

少女「……良い、の……?」

友奈(私は笑顔で頷き──今度は上手くいったと思う……ううん、違う、本心からの笑顔だったから成功も失敗もないんだ)

友奈(私が許されることは決してないけど、この時、ほんの少しだけだけど、誰かから許してもらったような気がした。だから、自然に笑えていたんだと思う)

友奈(私は女の子の凍えるように冷たい手を握った。女の子もそれに僅かに応えてくれて、お互いの手はほんの少しだけあたたかくなった)

友奈(これが、郡千景ちゃん──ぐんちゃんとの出会い)