提督「甘えん坊」

1: ◆SPIUzKRR.Y:2014/05/11(日) 11:01:30.11 ID:sJwUFwjg0

艦これ物。
地の文有り。
基本1レス完結。
キャラ崩壊はなるべくしないようにします。

よろしければどうぞ。

2: ◆SPIUzKRR.Y:2014/05/11(日) 11:02:45.13 ID:sJwUFwjg0

加賀さんの場合

3: ◆SPIUzKRR.Y:2014/05/11(日) 11:03:45.19 ID:sJwUFwjg0

提督「............よし、この書類はこれでオーケー、と......。えーと次は......」

加賀「..............................」

提督「昨日の......ええと............それぞれの戦果が......こうだったか? いや......確か......」

加賀「..................提督」


テーブルを挟んだ向こう側。
俺と向き合うようにしてソファに腰掛けていた加賀が俺の名を呼んで急に立ち上がり、スタスタと移動して今度は俺の隣へとその腰を下ろした。


加賀「────失礼します」

提督「ん......」


そっけない返事で済ませ、書類に向き合う。
だがしかし、内心ではひどく動揺していた。

肩が触れ合いそうな距離、ではなく事実肩が密着している。それどころか体重をこちらに預けてきている節が見られるのは勘違いなどではないだろう。
そして鼻腔をくすぐる甘い香りが、動揺を加速させていた。
それでもなお目の前の仕事を優先出来たのは、ひとえに期日が今日までという焦りによるものだ。この焦りが無かったなら、果たしてどういうことになっていただろうか?

加賀がこのようなことをするということ自体が珍しいのだ。経験の無い状況には誰だって戸惑いを隠せない。おそらくあたふたと戸惑う醜態を晒していたであろう。幸いなのは加賀がそれ以上のアクションを起こそうとしていないということだった。


提督「............加賀」

加賀「何でしょうか?」

提督「......どうかしたのか?」

加賀「いえ、何も?」

提督「......ならいいんだ」

加賀「ふふっ、おかしな提督ですね......」


そう言ってまた沈黙が生まれる。
カリカリカリカリとペンが紙の上を走る音と、カチコチカチコチと秒針が時を刻む音だけが、部屋に残っていた。

それから俺達はずっとそうしていた。特に進展する事もなく────強いて言うなら加賀がこちらに頭を預けてきたくらいだ────仕事を無事終え、その後加賀が用事で出かけるのを見送った。


ソファから移動し、提督用の椅子へと座る。
そうして一人になって初めて、先ほどの加賀はもしかして甘えてきたのだろうか、と思考を巡らせ────


提督「────それは無いか。ははっ」


一人呟き、静かに笑うのだった。

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