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エレファント速報

森きのこ!

2 : 以下、名... - 2018/04/09 05:00:26.45 bM2M3cZSO 1/48

寂れたアパートの一室。シックなガラステーブルと、積み上がった本と、それから湯気を吐き出すマグカップ。耳に届くのはぱたぱたと窓を叩く雨の演奏と、一定のリズムを刻む文庫本のページを捲る音だけ。

元スレ
【俺ガイル】二人の一日

3 : 以下、名... - 2018/04/09 05:00:54.63 bM2M3cZSO 2/48

厳密に言えば頭上のほうから聴こえる静かな息遣いとか、他の部屋の生活音もだけど、それを気にするのは流石に神経質過ぎる。
日常的に触れる音はさして気にならないものだ。息遣いは別枠かもしれないけど、こちらはこちらで心地がいいから問題ない。

4 : 以下、名... - 2018/04/09 05:47:29.26 bM2M3cZSO 3/48

前頭部から首と背中をまるっと含めて腰の辺りまでの範囲に感じる温もりで、なんだかうつらうつらとしてくる。

この部屋にはテレビがないから、小説かなにか、暇つぶしになるアイテムを持参しないとこうしてじっとしているくらいしかやることがないのが困りもの。先輩の本なら目の前に沢山あるし、これ読もうかなぁ......。

「ふぁあ......」

あまりに時間を持て余し過ぎてあくびが出てしまった。別に嫌なわけじゃなくて、さっき思った通り心地よさがあるから、その影響も大きい。黙ってこうしてるだけで幸せなんだから、わたしも安い女になったもんだ。

6 : 以下、名... - 2018/04/09 08:28:30.61 bM2M3cZSO 4/48

そんなわたしを見てなにか思うところがあったのか、先輩はわたしの頭に乗せていた顎をずらし、左手だけ文庫本から離して、ぽすぽすと頭を撫でる。

「......悪いな。暇か?」
「ふふ、お気遣いありがとうございます。でも、だいじょーぶですよ」

口と耳にあまり距離がなかったせいか、なんだかこそばゆい気持ちになりながら、のんびり言葉を返す。

しかし、どうも愛しの彼氏サマにはご納得いただけなかったご様子。栞を挟んで本を閉じると、そっと手を重ねられた。先輩の胸を背もたれにしているから顔は見えないけど、今どんな表情をしているのかはなんとなく分かる。