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あやめ速報-SSまとめ-

1:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/03/05(月) 23:24:44 ID:EeZM1EpI


男は夜道をあてもなく歩いていた。

風がぬるくなったと感じた。

車が往来する大通りだった。特段何もない。

コンビニ、小さなビル、マンション、一軒家が連なる東京の大通り。

東京といっても、他人に言えばそこはどこだと聞き返されるような所だ。

一人暮らしをしているアパートからただぶらりと歩いていた。

理由は無かった。



2:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/03/05(月) 23:31:02 ID:EeZM1EpI


夜の大通りはライトでオレンジ色に染められていた。男の吸っていたタバコの煙がオレンジ色の中に消えていった。

真夜中に歩く人影は男1人。

車のエンジン音がすれ違っては遠くに消えていく。

なんとなく心が落ち着いた。

男は歩きながら、自分の生きてきた人生を振り返った。



3:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/03/05(月) 23:38:01 ID:EeZM1EpI


生まれて此の方、恵まれているのか恵まれていないのかわからない。

ある面では恵まれていない。だがある面では恵まれている。

家族には恵まれなかったが、友人や他人には恵まれた。

金には恵まれなかったが、心の豊かさには恵まれている。

そんな事を考えるが、最近は毎日が楽しくないと感じている。

それは自分が不幸だからか。しかし、一人暮らしでも何とか食っていけている。

それだけでも幸せなのだろうと頭では分かっている。

職場には恵まれている。

何が心を満たさないのか。それが分からない。



4:以下、名無しが深夜にお送りします 2018/03/05(月) 23:44:20 ID:EeZM1EpI


まだ学生だった頃は、過信と希望とが自分を支配していた。

未来は自分次第でいくらでも変えられる。そういう過信で明るくいられた。

だが環境は暗かった。母はなく、父も老境に入り、金の余裕は無かった。

いつからか現実の環境が自身にのしかかってきた。

それからだろうか、毎日が楽しくなくなったのは。