2 : VIPに... - 2010/05/15 13:05:20.90 HvQspYQo 1/152

――夜の学園都市を、一人の少年が歩いていた。
その少年の手には大量の缶コーヒーが入ったコンビニのビニール袋が握られている。

「......チッ」

月の光がその少年を怪しく映し出す。
どこまでも白く透き通った髪、どこまでも白く透き通った肌、
その少年は少女と間違えそうになるほど華奢な体をしていた。

若干俯き加減に歩いているため顔が見えず、
その華奢な体つきのため一目見ただけでは性別がわからない。


少年はどこまでも白く澄んでいて、そのまま向こう側が見えるのでは無いかと錯覚するほどに透き通っていて、
まるで自己主張しないように、その白い体は夜の闇に溶け込んでいた。

「......なァオイ?」

少年がふいに歩く足を止め、空を見上げる。
少年の後ろで、ひとつだけ足音がした。

「今夜はやけに月が眩しいよなァ?」

元スレ
一方通行「ガキはガキらしく、素直に笑ってりゃいいンだよ」

5 : VIPに... - 2010/05/15 13:10:02.40 HvQspYQo 2/152

月の光が、どこまでも白い少年をよりいっそう強く照らし出す。

まるで少年の周りだけを照らしているような、そんな錯覚を覚えそうなほどに。

その少年だけが夜の闇のなか、白く浮かび上がっていた。


空に光る月が、その少年の瞳を照らす。

月の光を受けた瞳が、怪しく光る。


「お前も......そう思うだろォ?」

少年の後ろから聞こえた足跡の主が、くすくすと小さく笑う。


どこまでも透き通った笑い声。


敵意もない、好意もない、相手を嘲るでもない、自己を主張するでもない。
何もない、ただ笑っているだけ。
それゆえに、その笑いにはそこが見えず、どこまでも透き通っていた。

耳をそらそうとしても、なぜだか耳に入ってきてしまうほどに。

少年はその声を聞いて、眉間にしわを寄せる。


「人様を尾行しておいて、挙句笑い出すたァいい趣味してんじゃねェか?」