ステイル「最大主教ゥゥーーーッ!!!」【2】


※『とある神父と禁書目録』シリーズ

【関連】


304 : イギリス清教編1 - 2011/06/02 20:46:36.04 DSagRTE50 182/2388



ステイル=マグヌスは専守防衛に長けた魔術師である。

一定のエリアにルーンを刻んで己の『陣地』とし、

その内側を戦場に選べば聖人や超能力者といった怪物たちともどうにか、伍する事ができる。

しかし長所を裏返せば短所になるのは至極当然のことで

彼は追跡戦を最たるものとし、討って出る戦闘ではその戦術的価値を大きく下げてしまう。


ただ一人を守れる力。

それは彼が渇望しているものであり、終着点に着いたのだと諦めてしまっても良かった。


だが、ステイル=マグヌスはそこでは終われなかった。

『ただ一人を守れる力』では、彼女の笑顔までは守れないのだ。

ならばどうする。どうすればいい。


方法は二つあった。


一つ、『陣地』を動かしてしまう。

フィアンマの『ベツレヘムの星』は極端にすぎる例だが

常に陣地として機能する動く要塞があれば、ステイルの求める力は手に入るかもしれない。


そして、もう一つは――――

305 : イギリス清教編1 - 2011/06/02 20:48:49.97 DSagRTE50 183/2388




ステイルとエツァリを見送った土御門は、タイミングを見て背後の暗がりに声を掛ける。


「もう出てきていいぞ」


「ったく、なーにカッコつけてんですかグラサン」


現れたのは戦闘修道女の部隊を統括する、アニェーゼ=サンクティスである。


「ま、ちょっと嬉しくなってな。......配置は終わってるか?」

「完了したから来てんですよ。それとさっきのアレですけど、
私たちは『必要悪の教会』にもイギリス清教にも鞍替えした覚えはありゃしねーんですが」

「十年経ってまだそんな事を言うのか......。だがどっちみち、助けてくれるんだろ?」

「ぬぐっ......ここでツンデレキャラになっちまうのは、何だか負けた気分になりそうです」


『別にアンタ達のためじゃねーんですからね!』というテンプレートをなんとか飲み込みはしたものの

十年慣れ親しんだこの街を守る、というアニェーゼの覚悟に揺らぎはない。


「素直で結構。さあ、おっぱじめるか」

「ま、私たちの出番が来ちまうほどの相手は、今のところ皆無ですが」


路地裏を抜け、陽が中天にかかっているにも関わらず

猫の子一匹――このタチの悪い二匹は例外だが――いないロンドンの街路に出る。

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