若林智香「手紙」


1: ◆516.8uHAfU 2017/10/12(木) 20:19:20.78 ID:lwTIQNnJ0

デレマスSSです。



2: ◆516.8uHAfU 2017/10/12(木) 20:21:18.48 ID:lwTIQNnJ0

若林智香



3: ◆516.8uHAfU 2017/10/12(木) 20:23:23.32 ID:lwTIQNnJo

拝啓。

プロデューサーさん、ご結婚おめでとうございます。はじめて報せを受けたとき、驚きました。新婦さんは、とても素敵で可愛らしい方だとうかがっています。アタシも自分のことのように心からうれしく思います。ただ、あなたの結婚式に参加できないことだけが残念です。


4: ◆516.8uHAfU 2017/10/12(木) 20:25:20.94 ID:lwTIQNnJo

最後にあなたに感謝の手紙を送ったのは、メッセージカードみたいなもので言えばつい最近のことだったのかもしれませんし、ちゃんとした封筒に入ってるような長い手紙で言うなら、送るだけで迷惑になってしまうのかなと考えたり、ちょっと想像するだけでみるみる気恥ずかしくなってきてなかなか手紙を出せないものだから、代わりにあなたのすぐそばで「フレー、フレー......」と小声で言ってみたり、それこそあなたが仕事に出かけるたびに得意の応援で励ましてみたりで、ほんとうの目的は知らず知らずのうちにごまかしちゃってたのかもしれません。

あなたがこれを知ったら、「たとえ手紙を書いてくれなくてもとてもうれしい。智香の感謝の気持ちは十分に伝わっているよ」なんて言ってくれるんでしょうけど、ずっと前から手紙らしい手紙をあなたに出すということがどうしてもやってみたいことのひとつだったので、アタシにとっては必ずしもそれで満足できるとは言えなかったんです。

消えないように自分の言葉をどこかへ残しておくことが大切なんだと知る瞬間がありました。

ささいなきっかけだったんです。この前の雑誌のインタビューで、アタシについての記事を書いていただくために、出先の喫茶スペースでライターさんと話し合っているときでした。
アイドルになった理由とか、過去のデビュー時に抱えていた不安だったり、アイドル活動にだいぶ慣れて人気があるいま、新しく挑戦したいことや自分の最終目標など、雑談も交えながらいろいろ話していたんです。

だいたいの質問にも落ち着きながら答えることができて、インタビューも終わりにさしかかりそうなころ、ライターさんが「感謝の気持ちは、相手の方にどうやって伝えようとしていますか?」とたずねてきました。
そのときアタシは待ってましたとばかりに、「チアリーディングが得意なので、その経験を活かして相手の方にちゃんと伝わるようにせいいっぱい身体を使って表現しようとしています!」と身を乗り出しながら答えてたのをよく覚えています。

ライターさんは腑に落ちた様子で、「たしかに、若林さんは自分の気持ちを身体で表現するのが上手だと思います。この前のライブでも、そう感じましたから」と笑顔で言ってくれたので、アタシは乗り出した身体をきまり悪く引っ込めながら、なんとなく照れくさいような、ほっとしたような気持ちになりました。
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