木下ひなた「二人の部屋」


2: ◆5Zs67o7uls 2017/09/24(日) 19:52:07.93 ID:zmCxhz/M0

ひなた「そろそろあたしのネジを回してくれるかい?」

向かいあう二体の人形、お互いに背中のネジを回しあう

ぎーこぎーこ

ひなた「ふふふっ、くすぐったいよぉ♪そんないたずらされたら黙っちゃいられないんだべさ」

ぎーこぎぎ

ひなた「そうかい。ありがとうねぇ......」

ひなた「今度はあたしの番だよ、背中を向けてくれるかい」


3: ◆5Zs67o7uls 2017/09/24(日) 19:52:36.30 ID:zmCxhz/M0

閉じられた部屋の中、誰も入ってくることのない部屋の中
その部屋の中にいるの二人の人形
お互いに背中にネジ穴を持つ機械仕掛けのお人形

その部屋には二人のための椅子だけがあり、その椅子に向かい合って座る
永遠という暇を持てあますがために会話を続けていると思えたがそうではなく、楽しみとして絶えない会話を交わし続けていた

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4: ◆5Zs67o7uls 2017/09/24(日) 19:53:06.32 ID:zmCxhz/M0

ぎっっぎぎぎ

ひなた「ふふっ、さっきのお返しだよぉ。くすぐったいかい?うん、なんだかたのしいなぁ」

ひなた「ちゃんとしてくれって?もちろんだべ。あんたが動なくなったらあたしも悲しいし困るからねぇ」

ひなた「もう一度背中に失礼するよぉ」

ぎーこぎぎーこぎぎぎ

ひなた「できた。今度はばっちしだ」

ひなた「じゃあお話の続きをしようねぇ。あらあらぁ......さっきはなにを話していたんだったかなぁ」


5: ◆5Zs67o7uls 2017/09/24(日) 19:53:34.60 ID:zmCxhz/M0

朝日の差し込む中、背中のネジを巻く
そして2回の朝焼けと3回の夕焼けを見て、そしてまたそのルーチンを繰り返した

部屋というひとつの系の中
遥か遠い昔、人間が定期的にネジを巻いている
ネジが緩みきってしまうまえに、そのたびそのたびにネジが巻きなおされる


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