【ミリマス】歌織「分かってます。音無さんにはナイショですね?」


1: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/20(水) 18:24:49.04 ID:aEft37UE0

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一瞬、世界が無音になりました。

でも次の瞬間には地鳴りのような声援と、
触れずにいても火傷しそうな人の熱気で会場全体が包まれる。

ここは一つの大きな舞台。

命を燃やすきらめきで、見る者を魅せる迫力の――。



2: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/20(水) 18:26:09.38 ID:aEft37UE0


「なにボーっとしてるですか歌織さん! ほら来た、来た、来たぁっ! ドンドン上がって来ましたよ!」

「ひ、人の声がこんなに強く......。ど、どこです? 私には何がなんだか」

「あの外を凄い勢いで上がって来る!」

「外を......ああ、あの!」

「五、四、そのままそのまま......行け、行け、行けぇ!」

「が、頑張れーっ! 負けないでー!」

「俺に夢を見せてくれぇぇ!!」

どよめき、静寂、歓声、落胆。
聞くところによれば数万人の人々が、一抹の夢に沸くところ。

そうしてそんな"ファン"とも呼べる大観衆の注目を、一身に受け止めているのはお馬さん。

......只々勝利するために、舞台を駆ける競走馬たち。

ゴール手前の一直線。ほんの十数秒ほどの時間の中に、
これだけ多くの感情が渦巻き立ち込め消える場所。

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3: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/20(水) 18:27:29.72 ID:aEft37UE0


「入った! ゴール、決まりましたねっ!」

「くあー、ああぁぁ......!」

「ど、どうしたんですプロデューサーさん?」

「判定ッスよ、写真判定! 結構ギリギリでしたから......」

それでも、興奮し過ぎるのは少々考え物ですね。

......さて、自己紹介が遅れました。私の名前は桜守歌織。

現在は765プロダクションと言う名前の、芸能事務所で"アイドル"をしている二十三歳。
特技は歌とゴルフでして、趣味で乗馬もやっていたり。

すぐ隣で祈るように手を組むのは、私をこの道にひっぱり込んだ
765プロダクションのプロデューサーさん......なんですけど。

「......頼むぅ~、手持ちを全部賭けたんだぁ~!」

「えぇっ!? アナタはなにを考えて......」

驚く私、見返す彼。お仕事帰りの空いた時間、
「良かったら、これから馬を見に行きません?」という彼の提案に、てっきり乗馬クラブにでも顔を出すものと思ったのに。

連れて行かれた先は競馬場。
それは確かに、ここでも馬は見られますけども......。


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