1: ◆uSEt4QqJNo 2017/09/05(火) 23:12:28 ID:OP7/7x5M




壁内外に「地獄の処刑人」の音がこだまする。
人々が活動を始める朝から夕方にかけてそれはひっきりなしに鳴り続けている。


「今日も『処刑人』は頑張ってるな」


兵舎の窓から見える壁を見ながらジャンが言った。外は快晴で青空が広がっている。
それを眩しそうに目を細めながらジャンは複雑な思いでいた。



2: ◆uSEt4QqJNo 2017/09/05(火) 23:16:48 ID:OP7/7x5M


今あの壁の外では巨人が狩られている。あれだけ脅威であった巨人が、ハンジが発案し、エレンが巨人の力で造り上げた物で簡単に消え去っている。
それは被害も少なく、喜ばしいことだが多少の虚しさを覚えた。

この装置で全てを殲滅してしまえばエレン達の言う塩水で出来た巨大な湖である
“うみ”という場所を目指すことになっている。


「このまま行けば来年には掃討出来るかもしれないって言ってたね」


椅子に座ったまま、アルミンもまた窓から見える壁を見ながら答えた。

この調査兵団兵舎の食堂には生き残った新兵達が昼の休憩で集まっている。
ちょっと前までここは様々な年齢層の人々で賑わっていた。今は7人だけだ。

シガンシナ奪還作戦の後、新しく兵士を募っている最中でまだ他には誰もいない。
少し静かすぎる、とジャンは思った。



3: ◆uSEt4QqJNo 2017/09/05(火) 23:19:28 ID:OP7/7x5M



「ああ! それ! 俺のだぞ!!」

「なかなか食べないから残すのかと!」

「ふざけんな! サシャ! 返せよ!!」


が、前言は撤回すべきだな、と思い直した。思い直している間にもコニーとサシャは芋の取り合いをしている。


「お前らうるせぇよ!!」


痺れを切らしてジャンが叫ぶ。
しんみりしていた空気が一変し、先程まで静かだった食堂は少しだけ騒がしくなった。