善子「──不幸な誕生日。」

2: ◆tdNJrUZxQg:2017/07/13(木) 03:06:36.72 :OVRkGwzJo

花丸「善子ちゃん、今日は練習休みだって」


放課後、スクールバッグに勉強道具を詰め込んでいる私に向かって、そう切り出したずら丸の言葉に顔をしかめる。


善子「今日はって言うか......今日も?最近、休み多くない?」

花丸「ん、えーと......ルビィちゃんのお稽古が多いみたいで」

善子「......へぇ」


梅雨も明けた7月上旬。

ずら丸の反応を見て、今年もこの季節がやってきたなと思う。

花も恥らう女学生と言う生き物はなかなかどうして、イベントごとが大好きな生き物だ。

友達同士でも当たり前のようにサプライズを演出して、お互いを鼓舞するのだ。

──いや、別にそれについては文句はないんだけど。


善子「ルビィが居ないってことは今日はずら丸フリーってことよね。買い物付き合ってよ」

花丸「ずら!?そ、それは無理ずら!!」

善子「......私と一緒じゃ嫌?」

花丸「そ、そうじゃなくて!......え、えっと......マルも用事があって」

善子「用事って?」

花丸「え、えーっと......ルビィちゃんのお手伝いずら!」

善子「ふーん、そう」


"今年"の主動は千歌かルビィかしら?

ずら丸は嘘吐けないんだから、こういう伝達役は曜かリリーに任せればいいのに。

まあ、いいけど......。


善子「んじゃ、行くわね」

花丸「ごめんね、善子ちゃん......買い物はまた今度一緒に......?......昇降口はそっちじゃないよ?」


私は廊下に出てから、体育館へ向かう道へと歩を進めていた。


善子「ああ、ちょっと部室に忘れ物したから取りに行こうかなって」

花丸「ずら!?それはダメずら!!」

善子「......なんで?」

花丸「え、えっと、それは......わ、忘れ物ならマルが代わりに取ってくるよ!!」

善子「ずら丸は早くルビィのところ行ってあげた方がいいんじゃないの?」

花丸「それは......えっと......」


なんか、私がずら丸をいじめてるみたいになってきたじゃない!

だから、この時期のこのイベント......嫌なのよ。


善子「さっと行って、さっと帰るから」

花丸「ま、待って!善子ちゃん!!」


慌てて、私を追ってくるずら丸を尻目に、この配役をした、誰かさんにはきつくお灸を据えなくちゃいけないわね。と私は心の中でひとりごちた。


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