魔王♀「食べちゃうぞー!」勇者の母「食べないでください!」


1 : 以下、名... - 2017/05/14 10:48:41.99 H0UYO+1aO 1/63

その日、小さな村で、ある女性があたたかい命を生みました。
小さな小さな女の子を生みました。
女の子は、輝く紋章をその拳に宿していました。

父親が言います。
我が娘に、紋章が宿った!
父親は大喜びです。

母親が言いました。
どうして私の子どもなの!
母親は哀しみました。

古くから村では、100年に一度、勇者を受け継ぐ子どもが誕生すると言われていました。
父親が娘を抱き上げ、言います。
村の長老に正規の焼き印を捺してもらわないといけないよ。
母親は首を振ります。
女の子の手に焼き印だなんて、とんでもない。
母親は娘が勇者になるのは反対でした。

元スレ
魔王♀「食べちゃうぞー!」勇者の母「食べないでください!」

2 : 以下、名... - 2017/05/14 11:03:34.85 H0UYO+1aO 2/63

母親は父親の腕を掴んで赤ん坊を取り上げます。
そして、泣きながら、睨み付けました。
勇者になれば様々な魔物と戦わなければならないです。
危険な場所にも訪れることでしょう。
どうしても長老の所に行くのなら、私はこの子と死にます。赤ん坊が泣き始めました。まるで、母親の憤りを感じているようでした。
父親はそんな二人を見て、しぶしぶその時は諦めたのでした。

父親の祖父は元々勇者の従者でした。
母親は彼からその旅の冒険譚を何回も聞いていました。
祖父は決して派手な活躍があった訳ではありません。
けれど、弱き者の気持ちを察することのできる優しい人でした。
ただ、彼は勇者に引け目がありました。
本当は彼だって勇者になりたかったのです。
そして、それを聞かされ続けた父親もまた、勇者になりたかったのになれなかった、選ばれなかった人間でした。

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