アナスタシア「Сириус」


1: ◆Tw7kfjMAJk 2017/04/19(水) 18:11:37.64 ID:nhXCd10e0

アイドルマスターシンデレラガールズ、アナスタシアとそのプロデューサーのSSです。

2: ◆Tw7kfjMAJk 2017/04/19(水) 18:12:10.40 ID:nhXCd10e0



第一話「観測」

3: ◆Tw7kfjMAJk 2017/04/19(水) 18:12:36.85 ID:nhXCd10e0


夢を見た。

白銀の世界。白銀の光。サイリウムの光の中。
星空のように輝くその世界の中心で、歌を歌う少女の夢。

僕は彼女をプロデュースしたいと思った。

その夢を現実のものとするために。


4: ◆Tw7kfjMAJk 2017/04/19(水) 18:14:13.54 ID:nhXCd10e0


*

「寒いな」

白い息とともに吐き出された言葉が雪に消える。僕は肩に積もった雪を払い落とし、歩みを進める。

三月中旬、北海道。
東京ではもう春に入ろうと言うのに、この土地では未だに雪すら積もっている。
地面は凍り、雪の道と言うよりは氷の道になっている。慣れない道に僕は何度も転びそうになってしまうが、周りの人はそうでもないようだ。
お年寄りがすいすいと歩いているのを見ると、なんだか自分が情けなくなってくる。
......落ち込むな、僕。せっかくの北海道、楽しむべきだろう。

こうして僕が北海道にいる理由。それは旅行......ではなく、仕事である。
僕はCGプロという事務所に所属しているプロデューサーであり、アイドルをスカウトするためにこの地まで来た。

だが、北海道でアイドルの原石を見つけるなど、僕には無理な話だ。
こんなにも広大な土地でどうしてそんな人材が見つけられると言うのか。
もしも見付けられたならば、それはもう運命や奇跡なんて言っても過言ではないだろう。

いや、そもそも僕にスカウトの仕事をしろと言う方がおかしいのだ。僕がアイドルの原石を見付けられるような目を持っているとは思えない。

僕は一応『プロデューサー』と名乗っているが、今までにそんな仕事をやってきた覚えはない。
既に売れているアイドルのマネージャー業のようなものをやっていただけだし、その仕事も満足にこなせていたわけではない。
当時担当させてもらったアイドルには「Pさん、よくこの仕事をやれてるね......」と呆れられたくらいである。
僕自身、どうしてこの仕事をやっているのかはわからないのだが......『道を歩いていると声をかけられて採用された』などと言っても、信じてくれる人は少ないだろう。

5: ◆Tw7kfjMAJk 2017/04/19(水) 18:15:43.55 ID:nhXCd10e0
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