【SS】「北上麗花は二度刺す」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/27(月) 15:07:35.76 ID:nxgUvARJO

花の慶次という漫画をご存知だろうか?
かつて週刊少年ジャンプにて連載され、人気を得た漫画である。
その中に、こんな一文がある。

『人は慶次が悩みなどとは無縁な男だと信じている』

慶次とは歌舞伎ものであり、相手や場所を選ばず、あるがまま、ほしいがままに振る舞う人物である。

さらに続く。

『一見、悩みそうもない生き物こそ深く悩むものだと慶次は思う。そうとも、熊や猪こそ悩むのである』

同じように、悩みなど無縁だと信じられている彼女、つまり、北上麗花も悩んでいた。
懊悩と言ってもいい。
彼女は歌詞を書こうとしていた。
天啓である。
しかし......
シャーペンの芯が無いのである!


2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/27(月) 15:25:11.72 ID:nxgUvARJO

ボールペンでは消せない。
鉛筆では、なんかあんまり雰囲気が出ない。
だからシャーペンでなくてはならない。
しかし、芯が無いのである。

一応、部屋の中を探そうとした。
一本くらいどこかにあるだろうと。
座布団に座ったまま、部屋の中をグルリと見渡す。
そして諦めた。
北上麗花の部屋がどんな状態であるかなど、ここでいちいち説明はしない。
乙女のプライバシーである。

彼女は悩んだ。
真剣に。深刻に。
しかし、コンビニに買いに行こう、などとは思わない。
思わないのだから仕方ない。
越冬燕が「暖かい大地まで泳ごう」などと思わないのと同じである。

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/27(月) 15:49:07.96 ID:nxgUvARJO
続きを読む