海未「武道場の一匹狼」

2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/03/16(木) 20:54:28.28 :QuZZQxsH0

むかしむかしの物語。

ある森の近くの村にリックという名の少年がお母さんとふたりでくらしていました。

リックはらんぼうな少年で、小さな生き物をいじめるのが大好きでした。

ある日、リックは村のはずれでオオカミの子どもが弱っているのを見つけました。

そして、いつものように木の枝でオオカミの子どもをつついていじめました。

しかし、このオオカミはただのオオカミではなく、まほうの力を持ったオオカミだったのです。

オオカミの子どもはさいごの力をふりしぼってリックに呪いのまほうをかけました。

たちまちリックの姿はオオカミに変えられてしまいました。

「反省するまで元の姿にはもどしてあげないよ!」

オオカミから注意を受けたリックでしたが、反省するどころか手に入れたするどいキバとツメをつかってあちこちであばれ回りました。

きょうぼうなオオカミのうわさはたちまち広まり、村では兵隊さんがみはりについて、リックは食べ物を手に入れることがむずかしくなりました。

あるまっくらな夜の日、おなかを空かせてフラフラになったリックの前に一人の村人が通りかかりました。

リックはがまんできずにその村人におそいかかりました。

しばらくたって村人はピクリとも動かなくなりました。

リックが大きな口で村人にかぶりつこうとしたその時、雲が晴れて大きな満月が村人の顔をてらしました。

それはリックが世界でたった一人あいしていたお母さんでした。

リックはとてもふかく後悔して月に向かって大きな声でなきました。

反省したリックは元の人間の姿にもどることができました。

しかし、満月の夜になるとそのときのことを思い出して、オオカミの姿になってとおい空に向かってなきました。

村の人はそれを見て「オオカミ少年ウルフリック」と呼ぶようになりました。

今でも満月の夜になると森の中からオオカミ少年のなきごえがきこえてくるかもしれません。


【魔法使い童話 オオカミ少年ウルフリックより】


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