A Rabbit's Life (オリジナル百合)【後編】


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220 : ◆/BueNLs5lw - 2015/10/21 23:11:05.25 jK1q/c730 153/388

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しゃがみ込んで何かを一心不乱に見ている少女の背中を軽く蹴る。

「こら、なに休憩してんだ」

「ラビット、隅っこに何かいる」

ケイトスはこちらを振り向きもせずに言った。

「店長にばれたら怒られるんだから......って、お、お姉さん、ちょっとそれサソリ」

「サソリ?」

少女は首を捻る。
右手の人差し指と親指でつまんでいる。

「知らないのかっ。危ないから、ぽいしなさい! ぽい!」

「ぽい」

サソリが彼女の手から離れて、
私の太ももに当たってから、
床にぽとりと落ちた。

「ひいいっ」

ケイトスの体にしがみつく。

「くる、しい」

「なんで、こっちに投げるんだよっ。この脳タリン」

「ノウタリン?」

「脳みそ足りないってこと」

「バカ?」

「そう、バカ」

221 : ◆/BueNLs5lw - 2015/10/21 23:29:32.10 jK1q/c730 154/388

「ちょっと、そこの二人お客さん案内しないかい」

「あ、はいすぐに」

私は頭を下げる。
ふくよかな南部然とした女店主が指示しつつ、
ブリートと呼ばれる軽食のドリンクセットをカウンターに3つ手早く置いていく。
お肉、野菜、ライス、豆、サルサの入ったヘルシーフードで、
この老舗店では数十種類のソースが選べる。

「ケイトス、あれ私運んでくるから、エプロンでつまんでお外にぽいしてきて」

「うん」

大丈夫だろうか。
横目で確認しながら、カウンターに小走りで駆け寄り、
料理をテーブルへ出してから待っている客を案内する。

「こちらのお席へ、どうぞ」

なぜ、こんなところでウエイトレスをする羽目になったかというと、
軍資金を降ろしたくても降ろせなくなってしまったからである。
この辺りには銀行がなく、現地調達あるのみであった。

「お兄さん、ウイスキーお願い」

お兄さんじゃないんだけど。
17歳のピチピチの女の子なんだけど。
あと、この店ウイスキーないんだけど。

「大変申し訳ありませんが、そちらの方はメニューに載っておりません」

棒読みで、謝る。

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