A Rabbit's Life (オリジナル百合)


1 : ◆/BueNLs5lw - 2015/09/22 13:50:49.41 7xDrI19W0 1/388

ハードボイルド風百合
銃は詳しくない
書きためなしなのでのろのろ
たぶん短い


『人類最後の日まで、臆病者は生き続ける』


ヘリの音で目が覚めた。
仄暗い空に向かって飛んでいる。
体が動かない。
先ほどまで、送迎用の車の中で体を揺らしていた気がしたが。
職業安定所はいつの間に空に浮かんだのだろう。

「ラビット、仕事だ」

私は呼ばれて、視線を転じた。
黒の戦闘服に身を包み込んだ男が七人。

「普通の職につけると思うなよ。俺たちの末路は、殺し続けるか、死ぬかだ。最も、臆病者にはもはや関係のないことだが。安心しろ、お前は、今回の仕事で確実にあの世行きだ」

男の言葉に周囲から電流のようなぴりりとした緊張感が走る。
やっと、休めると思っていたのに。
いつも、こそこそと動き回り、
人の顔色を窺い、
止まることなど許されなかった。
逃げ出したというのに、また引き戻されてしまった。
職業安定所は安全だと言った隣の部屋の男の下卑た顔を思い出す。
藁にすがるべきではなかった。

「ドナーが一匹逃げた。施設の森に上手く誘導したが、どうやら故郷が恋しいみたいでな」

「......」

「お前は囮さ。肉の匂いで寄ってくる。お前にたっぷりと年代物をぶっかけておいてやる。ありがたく思え」

指が少しだけ動かせた。
逃げるための思考はまだまどろんでいた。

「おっと、写真を見せてなかったな」

胸ポケットから彼は写真を抜き出した。
目を細めた。
金糸を思わせる肩よりも少し短い髪。
幼さの残る丸い顔。
青色の目。
写真の上に手書きで年齢が書いてある。
16歳。
年下だった。
男は小さく舌打つ。写真を私の顔の上に乗せる。
立ち上がって、降下の準備をし始めた。
何か、呟いている。

「ドナーに選ばれなければ、いい女に育ったろうに」

顔を振ることができた。
写真がはらりと落ちる。
裏にもまだ何か書いてあった。

ケイトス。
彼女の名前だろうか。

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