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【モバマス】輝子「三つ編みのこと」

引用元:

1: ◆S6NKsUHavA 2016/12/15(木) 21:50:57.39 ID:TASUOcfu0

冷え込みが強くなってきましたね。


こんな時はキノコ鍋でもして温まりましょう。

輝子の三つ編みリボンについての妄想話です。
こんな出会いがあったら面白いかな、と思ったりしながら書きました。
誰と出会ったかは……想像にお任せします。

SSWiki :





2: ◆S6NKsUHavA 2016/12/15(木) 21:51:50.89 ID:TASUOcfu0

「輝子ちゃん、三つ編み、いつもしてるね」
「うん?」

 レッスンが終わって一息ついた頃。
 次の予定までの時間を潰す間、休憩室で何となく自身の三つ編みをもてあそんでいた輝子を見て、小梅が言った。輝子の腰まで伸びた美しい銀髪は基本的にほとんど手入れされておらず、あちらこちらに跳ね放題跳ねているが、左耳の前に垂らされた一房だけは丁寧に編み込まれ、ピンクのリボンで飾られている。
 輝子は小梅の指摘に恥ずかしそうに頬を染めると、くるくると三つ編みに指を絡めた。

「これはね……昔ある人から教わって、それからずっとしてるんだ……。あ、ぷ、プロデューサーじゃ、ないよ」

 慌てたように付け足す輝子に思わず笑いながら、小梅はわくわくした様子で言う。

「三つ編みの秘密、聞きたい、な。お話、してくれる……?」
「ふひ……良いよ。別に、秘密ってほどの話でも無いんだけど、ね……」

 輝子の快い返事に「わぁ」と嬉しそうな表情の小梅。「ちょっと長くなるから……」と輝子は休憩室備え付けの自販機で缶のドリンクを二つ買うと、小梅に片方を渡しながら話し始めた。

「昔……っていっても、中学に入ってすぐくらいだから、二年半くらい前の事なんだけど……」


*****



3: ◆S6NKsUHavA 2016/12/15(木) 21:54:27.74 ID:TASUOcfu0

「往来で座り込まれると邪魔なんだけど?」
「……?」

 春頃……だったかな。あんまり人の来ないいつもの公園でトモダチ達を観察していたら、声をかけられたんだ。かけられた、と言うか、私が日傘を差したまま公園外周の道端に座ってたから、邪魔だって怒られたんだけど。
 高校生のお姉さんだったな。だいぶアレンジしてたけど、あの制服は確か、私立のお嬢様学校だったと思う。ゆるいウェーブのかかったキレイな金髪で、そう、あの人も、髪を編み込んでリボンをつけてた。今の私なんかより、ずっと上手くまとまってたけど。

「あ、ご、ごめん……すぐに移動するから……」
「気をつけろよ」

 私が急いで移動したら、その人はそれだけ言ってさっさと行ってしまった。風みたいな人だなって思ったのを覚えてる。凄い美人さんだったけど、なんて言うか、せかせかしてて、歩く速度も速いから、余計に。
 その次の日も、私は公園に行って、前日のトモダチ達を観察してた。今度は日傘が邪魔にならないように、道と反対側に傾けて。
 けど、どうもあの人にとっては道端に座ってるのが気に入らなかったみたいで。

「あのさ。傘を避けても邪魔なモノは邪魔だから」
「だ、ダメなのか……ご、ごめんよ……」
「ちっとは学習しろよ? じゃあな」

 結局、怒られちゃった。あの人はその日も急いでたみたいで、それだけ言うとまた風みたいに去って行った。歩く速度が、本当に速いんだ。あっという間に角を曲がって見えなくなっちゃう。私はぽかんとそれを見送ると、少しだけトモダチの観察をして場所を移動した。その日は多分もう来ないだろうけど、何となく怖くて。
 それで、また次の日。今度はあの人が通る道から横手に入った所の、ちょっと細めの小道に座ることにしたんだけど。

「……二度言っても分からないヤツは本物のバカだな」
「ご……ごめんなさい……」

 運悪く、その日はそっちの小道からあの人が出てきたんだ。流石にそれは読めなかったから、私はもう恐縮するしか無かった。
 いつもなら、あの人はそのまま凄いスピードで去って行くはずだけど、今日は何故かそのままそこに立って、じっと私の方を見てた。あんまり何度も邪魔するから、もしかしたらこれから更に怒られるのかも、と身構えてたら、あの人はため息をついて言ったんだ。

「で? 三度もアタシの邪魔をするくらい、何をそんなに熱心に見てんだ。教えなよ」

 そんなの訊かれるなんて初めてだったから、ちょっと驚いた。道の隅っこでゴソゴソしてる私の事なんて、誰も気にしたこと無かったから、ね。

「き、キノコの成長を、ね、見てたんだ」

 頑張ったけど、言葉がうまく出てこなくって、ちょっと裏返っちゃった。でも、そんなこと気にした様子も無く、あの人は軽く小首を傾げてまた訊いてきた。

「キノコ……?」
「ほら、これ……」

 私が植え込みの所でニョキニョキ生えてるトモダチを指さすと、あの人はやっぱりまた小首を傾げた。

「何処にでも生えそうなキノコだな」
「そ、そうなんだ。シバフタケって言って、名前の通り、芝生のあるところに良く生えるんだ。この前たくさん雨が降ったから、きっと生えてくると思ってずっと観察してたんだけど……」

 キノコのことを訊かれて、つい嬉しくなって長く話しちゃってから、私はちょっと気まずい顔をした。だいたい、こうしてキノコトークをするとひかれるんだ。これまでも、それで何度か失敗してるのに。
 でも、あの人はひくどころか、更に訊いてきたんだ。

「生えんのは日本だけか?」
「う、ううん、何処でも生えるよ。アメリカとか、ヨーロッパとか、暖かいところだと、いつでも見れるみたい。形がスコットランドの帽子に似てるから、英語だとスコッチ・ボンネットって呼ばれてるって」

 そう説明すると、あの人はちょっぴり表情を和らげた。

「へぇ、良く知ってるじゃん」
「き、キノコはトモダチ、だからね……フヒ」

 またちょっとキモい事を言ってしまったと思ったけど、あの人は妙に納得したように頷いた。

「トモダチになるまで向き合うってか。そりゃ知識もパねーわ」

 そう言って、あの人はシバフタケを指さした。

「で、食えんの? これ」
「ヒッ!? トモダチを食べるなんて、なんてことを……! た……食べれるよ。軸は不味いけど。味噌汁に入れても良い……」
「ナメコみたいなもんか」
「だ、大分違うけど……」

 何故か、あの人としばらくキノコトークをすることになった。誰かとそんなに長くキノコトークするの初めてだったから、私もマイタケみたいにちょっと舞い上がっちゃって。それでも、あの人は頷いたり質問したりを繰り返して、結局二十分くらい話し込んでたと思う。

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