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冒険者「は? 鑑定額1億Gですか?」

1:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/01/05(木) 09:09:16 ID:69SabcRQ


冒険者「冗談ですよね?」

商人「いえ間違いありませんね。それも『最低でも』という意味での1億Gです」

冒険者「いや、谷底で拾ったただの黄色い石ですよ?」

商人「それなんですがね、その谷底辺りは百年ほど前まで古代竜の棲家だったんですよ」

商人「百年前の事なので正確な記録はありませんがね、どうも討伐されたようで」

商人「その名残なのか、あの辺りは魔物が近付かないと聞きますが……と、脱線しましたな」

商人「で、この黄色い石、竜の胆石なんですよ」

冒険者「胆石? それがなぜ1億Gに?」

商人「これは稀に見る高濃度の魔力結晶なのですよ。数百年以上竜の魔力を体内で浴び続けて変化した物ですな」

商人「資源価値だけで1億G、好事家に売り付ければ数倍の値が付くでしょうな」

冒険者「……」 ポカーン



2:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/01/05(木) 09:09:50 ID:69SabcRQ


商人「で、どうしますかな?」

冒険者「どうすると言われましても、その」

商人「はは、まあ迷うのが当然の話ですよ。しかし、それを個人で持ち続けるのはお勧めできませんよ」

商人「それだけ高濃度な魔力結晶を持っていれば、隠したところで魔法使い連中に気付かれますからな」

商人「世の中善人ばかりではない、という事ですな! はは!」

冒険者「笑えないです……」

商人「おっと、これは失敬」

商人「ふむ、そうですな。冒険者殿、この竜の胆石を売る権利を1億Gで売却していただけませんか?」

冒険者「売る権利を、ですか?」

商人「ええ。冒険者殿からすれば、突然湧いた幸運を誰かに騙し取られやしないかと不安でしょう」

商人「私としては、他の商店に持ち込まれて商機を失うのが一番の不安でしてね」



3:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/01/05(木) 09:13:14 ID:69SabcRQ


商人「ですからまず私が冒険者殿に1億Gを支払って竜の胆石を預かり、最も良い条件の相手に売る」

商人「そして売り払った額から、そうですな、20パーセントの仲介料をいただきましょう」

商人「少々高く感じるかもしれませんが、これは私の培った人脈にはそれだけの価値があると御理解いただきたい」

商人「仮に冒険者殿がお一人で売り先を探しても1億に毛が生えた程度。そして他の商店に私に優る人脈など期待できはしません」

商人「最後に、残りの額から1億Gを差し引いた額を冒険者殿が私から受け取る事になりますな」

商人「つまり1億Gは竜の胆石を預かるための担保ですな」

商人「そして高く売れば売るほど仲介料も増すのですから、私も手を抜きはしますまい?」

商人「冒険者殿は即金を受け取り、私は商機を確実なものとできる。お互いが得をするわけですな」

商人「いかがですかな?」

冒険者「……わかりました、この話お受けします!」



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