海未「あなたは強引でいいんです」


1:名無しで叶える物語(たけのこ饅頭):2017/01/06(金) 19:55:46.89 :TM9Dk4qt0

「えへへ、宜しくお願いしますっ」

太陽のような笑顔で、そして大粒の涙を流しながら。
拙くぎこちない、初めて伝える私の気持ちを受け止めてくれた。
それと同時に温かくて柔らかいその手が私の手を握りしめて、彼女の、涙で光る頬へと連れていく。
その瞬間に温もりが伝わり、私の中から喜びや達成感などが混ざりまくった感情が溢れ出す。
そんな言葉に変えられない思いを片手に、自由なもう片方の手で、彼女を丸ごと抱きしめて。
答えるように抱き返した彼女の嗚咽する声が、街と街とをつなぐこの大きな橋の上に鳴り響く。
月は私たちを照らし、誰もいないこの橋の上で、二人きりの私たちに遠慮した強い風が、そよ風になって。
優しさに包まれながら、想いの欠片が一つになったことを実感します。

気づかないうちに、私も泣いていました。
それまで抱えていた、緊張、恥じらい、恐怖、願い、悩んだことが全て馬鹿らしく思えてしまうくらい、彼女の見せたあの笑顔や涙が、安心になったこと。
彼女が、こうして喜んでくれたこと。
他の思い出の価値を下げるわけではなく、純粋に人生で一番幸せを感じている気がします。
これからも続いていくと思うと、それはもう余計に泣き止まなくなってしまって。

この素敵な夜は、サンタからの贈り物だとは思いたくありません。
私自身が掴んだ夢のような宝物。
悩み苦しみ我慢し続けていた辛い過去は、もう今となってはかけがえのない財産です。
きっと振り向いてもらえないと思い、死にたくなってしまったこともあります。
しかし、彼女が"諦めなければきっと夢は叶う"と教えてくれた。
彼女自身は何も深く考えずに放った言葉なのかもしれない。
でも、でも、私には励ましの言葉となった。
好きなものがあるから夢を見ていられる。
大好きだから離したくないものがある。
その時、乗り越えられない大きな壁だと思っていたその夢は、ゴールなどではなく、通過点でしかないということを知りました。
その先にまた、いくつもの夢という通過点がある。
なぜ目指し続けていられるのか、だって好きなものはどう足掻いても諦めきれないんですから。
ゴールなんてない、だから私は、好きなものを絶対に離すなというエールとして受け止めました。


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