【艦これ】<霧の中で>他短編


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【艦これ】他短編

2 : ◆zPnN5fOydI - 2016/12/31 23:48:44.64 lBeIXGuz0 2/33



現在、鎮守府近海の哨戒任務に携わっている朝潮。海に出て、万一の襲撃に備えて見張る任務である。

今回の自分の持ち場は、小さな孤島周辺。敵がひそんでいないとも限らない、絶妙な位置に浮かんでいる孤島だ。朝潮は孤島に到着し、上陸はせずに、島の周りをとりあえず1周する。

嫌な予感がした。次第に不明瞭になっていく視界。空気は重く、体が濡れていくのを感じる。海に出るものなら、もう慣れたものだ。海霧である。

無線で提督に連絡をし、孤島にて霧が晴れるまで任務を継続するという司令を受けた。朝潮はとりあえず、島に上陸する。霧がいつ晴れるのかは分からない。艤装の燃料を多少でも節約したかったためだ。

島の中を、海辺に沿って歩く。普段は艤装でスイスイと一周する島も、こうして自分の足で歩くとなれば、結構時間のかかるものだ。まして、岩場を歩くというのは、海に出てばかりの朝潮にとって、初めてに近い経験である。朝潮は、その非日常的な岩場を歩くのが次第に楽しくなってきた。身の回りに注意を傾けながら任務は続行しているが、それと同時に、この不安定な岩場を楽しく歩き、島を一周する。

チラリと目に入る、奇妙な影。朝潮は、さっきまでのお遊び半分の状態を切り替え、武器を構える。影を凝視しながら同時に周りにも気を配り、朝潮はその影に近づいていく。疑念が次第に、確信へと変わっていった。深海棲艦が、そこにはいた。

周りに仲間がいる様子は今のところ見えない。しかし、いないと断言できるわけでは決してない。もしも目の前の深海棲艦が武器を構え、鎮守府に攻めこむ準備をしているのであれば、朝潮は瞬時に海に出て、鎮守府に連絡を入れていただろう。しかし、目の前の深海棲艦からは、そんな敵意を感じない。それはただ、岩に腰掛けて、海の方を眺めているだけなのだ。

海に出ようか、陸に留まろうか。また、鎮守府に連絡を入れようか、様子を伺おうか朝潮は迷う。そうしていると深海棲艦は急に、クルリと朝潮の方を向いた。朝潮はぎょっとし、反射的に武器をむける。しかし、深海棲艦は朝潮をしばらく見た後、再び海の方を向く。

再度身の回りを確認するが、味方の存在は感じられない。朝潮は緊張しながら、その深海棲艦に近づいていく。霧に隠れた姿が段々と鮮明になっていき、適当な距離を取り、朝潮はそこに座って戦闘に構えた。再度身の回りを確認したが、味方の存在は感じられなかった。

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