ベルトルト「君の願いが、叶ったよ……エレン」

2: 1 2013/11/12(火) 14:25:30 ID:R..1dAT2
エレン・イェーガー
彼の母親の死について、僕は知っている

僕が蹴り上げた門の破片が彼の家にぶつかり、倒壊した家は彼の母親の足を潰した
母親が逃げられなくなり――その場に巨人が現れ、その人を捕食


僕が知っている
その人の死に際の情報を纏めると、たったの二行

僕が奪った、何万分の一の命


「可哀想だと、思ったよ」

今、考えてみても
この言葉は、妥当だと思う

だって他に、どう思えばいいと言うのだろうか
3: 1 2013/11/12(火) 14:27:05 ID:R..1dAT2
いや、僕の感想なんていらない

僕にとって、膨大な罪の欠片でも
彼にとっては、実の母親の死だ


己の無力さを実感したエレンは、巨人への恐怖を乗り越えて
巨人に立ち向かう事を選ぶ

だから


「お前たちが苦しんで死ねるよう、努力するよ」


巨人である僕に向けられた、その言葉は
筋が通っていると思った
4: 1 2013/11/12(火) 14:28:32 ID:R..1dAT2
その時の事を、僕は思い出しながら地面に横たわる


戦った
僕は戦って、戦い続けた

僕は「超大型巨人」と名付けられた人類の敵に扮し、攻撃を加え
人類は抵抗し続けて、懸命に生きる為に僕を殺そうとした


結果、僕は多くの人類を葬った後に
もう指先の一本も動かしたく無い程に疲弊した体を、ぴったりと地面に添える事となったのだ


色んな箇所から蒸気が出て、僕の体の破損状態を伝える
その割には、蒸気の上がる量がひどく少ない――僕の体の疲弊状態が分かる

そんな僕の目の前に
エレンが破損したブレードを手に、辛うじて立っていた

顔から、頬から、腕から、足から
血が流れている彼は、憎しみを灯した瞳でこちらを睨んでいる


――あぁそんな憎々しげに見なくても、君の気持ちは分かっているよ

体同様に、砕かれた心で淡々と思った
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