【まどか☆マギカSS】 神の国と女神の祈り ─8─


最初から


一つ前


441 : 第31話 - 2014/08/14 22:12:50.51 yVOlwgvv0 1278/3130


第31話「賭け勝負」

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「はぁぁ......」

大きくため息、ふうと吐く円奈。

その手元にはビールの入ったジョッキ。もちろん、ほとんど減っていない。


その対面では、ルッチーアが、くびくびビールを飲んで、顔を赤くさせていた。


「なあよ、いつまで落ち込んでるんだい?」

ルッチーアは円奈にきいてくる。

「一緒にいる私の気持ちにもなってよ。せっかくの酒場なのにこれじゃまるで墓場じゃないか?」


「はああああ...」

すると円奈は、さらに大きなため息を吐いた。

「わたし...」

その顔はしょぼくれていて、落ち込んでいて、暗い。

「なんでここでこんなことしてるんだろう......」

442 : 第31話 - 2014/08/14 22:14:44.92 yVOlwgvv0 1279/3130


「なんだよそれ私と一緒にいるのがそんなにイヤか!」

ルッチーアは少しむっとして口を尖らせた。「目の前で、そんな放心状態されちゃ、こっちまで落ち込んでくるよ。あまり魔法少女をさ、落ち込ませないでよ。気持ちっての、大事なんだから」


「思えば聖地を目指すためなのに...」

円奈は、ルッチーアのことをあまり見ていないし、気にしてもいない。

ただ独り言を呟くように、ため息をついて、つづいて独り言をぶつぶつ語るだけ。

「なんで紋章官になって、あまつさえ、みんなの前で読み間違えて、こんな惨めな想いしてるんだろう...」


「あのさあ、もうそれ、忘れちゃいなって」

ルッチーアは円奈にいう。

「わたしが手本みせてやったろ?なあ、わたしはあんたと久々に会って、ひさびさに話したくて、酒場に誘ったんだ。なのに、なんで自分とばっか話してるんだよ?わたしがそんなに嫌か?」

ルッチーアの目にわずかに切なさが一瞬だけ、映る。


「どうせわたしはろくに人の役になんて立てなくて...」

円奈の独り言はまだつづく。

ジョッキのビールはほとんどへってなくて、注文されたときの量そのままで、そのジョッキの水面をみつめながら、はあとため息つくだけ。

「なにか頑張ろうとしたって......失敗しちゃうだめな子なんだ......」

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