健夜「まだ終わらないインターハイ」咲「Bブロック、ですね」 2/2

365:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:22:29.78 ID:xlk7mu3w0

【閑話・宮永咲と......】


~咲、中学3年生・春~


「起立、さようならー」

「「「さよならー」」」


サヨナラー ウワ、ブカツダル... カエリニドッカイコ-
センセーアシタノホシュウッテ オミセシヨウオウジャノ


ザワザワ ガヤガヤ


咲(ふぅ......今日も終わった...)


☆関連記事☆

366:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:23:22.34 ID:xlk7mu3w0


生徒A「咲ちゃん、今日こそ一緒に帰らないかい!!」シュバッ


咲「わわっ...」ビク


咲「あ...すみません、今日も部活です......」


生徒A「うわぁぁぁぁん!今日もフラれたぁ!」グスン


生徒A「でも、私は諦めない!諦めたらそこで試合終了だからねっ!」フンス


咲「えっと......」オロ


生徒B「はいはい、宮永さん困ってるから......今日も私で我慢してくださいねー」ズルズル


生徒A「ちょっ、お前はもう飽きたのー!今日は咲ちゃんと帰るー!」ジタバタ


生徒B「飽きたってなんだ飽きたって!!」


367:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:25:10.83 ID:xlk7mu3w0


生徒B「ごめんね宮永さん。でも、私もたまにでいいから一緒に帰ってみたい......かも」チラ


生徒A「私を無視して咲ちゃんを口説くなー!!」ムカー


生徒B「なーんてね、また明日!」フリフリ


咲「は、はい。その、また明日、です」フリフリ


生徒B「うんっ」ニコ


生徒A「うわぁぁぁ!!咲ちゃん好きだぁぁぁぁ!明日こそ、明日こそぉぉ!」ズルズル


生徒B「うっさい!」ベチン


生徒A「きゅぅ......」バタン


咲(行っちゃった......)


368:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:26:27.04 ID:xlk7mu3w0


咲「......」フゥ


咲(最近いっつも帰りに誘ってくれてるのに、断って申し訳ないな......)ハァ


咲「......」


咲「さて、と」スッ


咲「......部室向かお」テクテク


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_____________________________________________


369:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:27:30.33 ID:xlk7mu3w0


~本校舎内・とある廊下~


キャーキャー ワイワイ
スイエイブドウデスカー テニスブイイデスヨー


咲「なんだか学校が賑やかだと思ったら......もうそんな時期か」チラ


咲「部員勧誘......」


二年生徒「そこのあなた!是非吹奏楽部へ!」つ チラシ


咲「......」キョロ


咲「......え、私?」


二年生徒「うんうん!」


咲「......」


咲「......私、3年生だけど」


370:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:28:19.36 ID:xlk7mu3w0


二年生徒「へっ......先輩!?ほんとだ...」


二年生徒「ご、ごめんなさいっっ!」ペコペコ


咲「ううん、気にしないで」ニコリ


二年生徒「/////すみませんっ、失礼しますっ!」テレ


咲「......」


咲「......はぁ」


咲(去年も一年生と間違われたんだよね......リボンの色を見て欲しいよ、全く!)プンスカ


咲「......」テクテク


咲「......ん?」チラッ


「あぅぅ......」


「ひうっ......!」ビクビク


咲(新入生かな......)


371:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:29:08.40 ID:xlk7mu3w0


「ひえぇぇ......」オロオロ


咲「......」


咲「あの、大丈夫?」


「へっ......」


咲「この辺、今の時期は人がいっぱいだから、苦手ならしばらくはあんまり寄らない方が良いよ?」


「え、えっと......その......」オロオロ


咲(......仕方ないか)


咲「......付いてきて?」ギュッ


「ぁ......(手握って...)」ドキッ


咲(あぁ......部室が遠のくよ)ハァ


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372:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:30:09.08 ID:xlk7mu3w0


~本校舎内・昇降口~


咲「ここまで来たら、もう大丈夫だと思うから」


咲「次からは、西側の階段から降りてくると良いよ?」


咲「ちょっと遠回りになっちゃうけどね」


「あ、ありがとうございました!」


咲「うん。それじゃあ私はこれで」スタスタ


「......」


「あ、あのっ!」


咲「うん?」フリカエリ


「あっ......えっと...」モジモジ


咲「??」


373:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:31:02.91 ID:xlk7mu3w0


「お、お名前を、教えてくださいっ!」


咲「名前......私の?」


「だ、ダメなら良いんですごめんなさいですっ!」ペコペコ


咲(小動物みたいな子だなぁ......)


咲「......」


「だ、ダメですよねっすみませ」


咲「宮永咲、だよ」


「えっ?」


咲「それじゃ、さよなら」ニコリ


「あっ...」


374:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:31:58.95 ID:xlk7mu3w0


咲(懐かしいなぁ...1年の時、私もあのバカ先輩にこうやって......)


咲(......いや、あの時は無理やり困ってる事にされて無理やり連れ出されて、無理やり名前を覚えさせられたんだっけ)


咲「......」


咲(あの人、元気かなぁ)


(行っちゃいました......)ボーッ


「宮永咲、先輩......」


「恰好いい人でした......」


「....../////」カァ


_______________
______________________________
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375:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:33:04.94 ID:xlk7mu3w0


~旧校舎・麻雀部部室~


咲「......」ペラ


健夜「......」ペラ


咲「......」ペラペラ


健夜「......」ペラ


咲「......健夜さん、私そろそろ上巻読み終わります」ペラ


健夜「え、私まだ全然進んでないよ?」


咲「......」ペラ


咲「は?......冗談やめて下さい、こうして読書タイムが始まって、もう1時間ですよ」


健夜「咲ちゃんは読書に慣れてるから早いんだよー」


咲「はぁ......」パタン


健夜「あれ、読んじゃわないの?」


咲「私、上巻が終わったあとはすぐに下巻読みたいタイプなので」


咲「健夜さんが読み終わるまで待ってます」


376:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:34:56.67 ID:xlk7mu3w0


健夜「えぇ......何だか悪いよ」


咲「別に、何週間掛かっても良いですよ」スッ


健夜「さすがにそんなには掛からないよ!?」


咲「どうだか」


咲「私は暇なので、ねっとまーじゃんでもやってます」


健夜「あ、パソコンの電源の入れ方分かる?」


咲「失礼ですね......もうこの前みたいに、初期化とかはさせませんよ」フンス


健夜「そ、そっか(不安だ)」


健夜「それにしても珍しいね、咲ちゃんがネトマなんて」


健夜「初めてじゃない?実際にやるのは」


377:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:36:20.46 ID:xlk7mu3w0


咲「そうですね。前々から健夜さんがやってるのを見てて、興味はありましたけど......」タドタド


咲「はい、ここからどうやってやるんです?」つ 画面


健夜「おお...よくそこの画面までいけたね?」


咲「馬鹿にしてます......?ちゃんと、健夜さんがやってる時に見て覚えたんです」


健夜「さすがに適応力は高い......」


咲「ほら、早く次に進めてください」


健夜「えっと、自分のアカウント作る?」


咲「あかうんと?」キョトン


健夜「あ~......」ウーン


健夜「ネトマのパスポート、みたいな!」


378:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:38:07.61 ID:xlk7mu3w0


咲「ねっとまーじゃんやるのにパスポートが必要なんですか?」


咲「凄く国際的なんですね......」オドロキ


健夜「違うよ咲ちゃん!例えだから!パスポート" みたいな "物だから!」


咲「うーん?」


咲「......よく分からないので健夜さんのでやりたいです」


健夜(健夜さんのでやりたい......)


健夜「......」


健夜(可愛い)


咲「あの、聞こえてます?」オーイ


健夜「あ、うん。分かったよ」カチカチ


健夜「パスワードは......"common sense"っと」カタカタ


咲「......常識、ですか?」


健夜「あっ、そ、そこは気にしなくて良いから!」アセアセ


379:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:39:22.97 ID:xlk7mu3w0


健夜「三麻、東風、半荘何でも出来るけど、どれやりたい?」つ 画面


咲「改めて、こんな機械でこんなに色々出来るのは凄いですよね......」スゴイ


健夜(可愛いなぁ......)


咲「まあでも、普通に半荘戦で良いですよ」


健夜「ん、分かったよ」カタカタ


健夜(フリー卓で良いかな......色んなレートの人来ちゃうけど、マナーは良いし)クリック


咲「対局相手を探していますって出てますね」


健夜「平日のこの時間だし、人は少ないかもね」


咲「放課後の部活時間、すぐ近くにリアルな雀卓があるのにネット麻雀をやる私達」


咲「よくこの部活潰されませんね......さすが、健夜さんの権力」


健夜「何か嫌な言い方だよそれ......」


380:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:40:30.36 ID:xlk7mu3w0


健夜「あ、人集まったね。ここからは、分かる?」


咲「はい、大丈夫です。やり方とかは覚えてますので」


健夜「ん、分かったよ」


健夜「それじゃあ、私は続き読んでるから」つ本


咲「はーい」カチカチ


健夜「......頑張って、咲ちゃん」グッ


健夜(咲ちゃん、ネトマは弱いだろうなぁ......)


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381:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:43:50.39 ID:xlk7mu3w0


~数分後~


咲「あぁぁ......負けたぁ...」カチカチ


咲「何この"のどっち"って人......強すぎるでしょ...」グテー


咲「絶対ズルしてる......こういうの何て言うんだっけ......動物みたいな名前...」


咲「ちーたーだっけ?絶対それだよ、ライオンになれないチーターはズルして悪い事をするもんね...」


咲「......いや、意味が分からないか今のは」


健夜「あ、終わったの?」


咲「はい、取り敢えずは」


健夜「お疲れ様。結果は......」チラ


健夜「惨敗だね」クスクス


382:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:44:52.80 ID:xlk7mu3w0


咲「だって、ネット麻雀だと何も見えないんですもん」


咲「というか見えない以前に、色々と悪運が続きすぎます」


咲「牌が言うこと聞いてくれないって言うか......分かります?」


健夜「あはは、私も始めはボロボロだったなぁ」


健夜「オカルト持ちがデジタルな事をやると、どうにも合わないみたいだね」


咲「それにしたって、5回くらい連続で同じ人に振込みですよ?」


咲「ネット麻雀って怖い......」トラウマ


健夜「んー相手はどんな人............」チラ


健夜「......」


健夜「え!?」


咲「なんですか。画面に映った自分の顔にシワが増えてましたか」


咲「大丈夫です、いつもの健夜さんですよ」


健夜「違うよ!?急にどうしたの!?」ガーン


健夜「......ほら、この咲ちゃんが振込みまくった"のどっち"」


383:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:46:24.77 ID:xlk7mu3w0


咲「あぁ、天使みたいで可愛いキャラクターですね」


健夜「この人、ネトマ界でプログラムなんじゃないかって言われるほどのプレイヤーだよ」


咲「そんなに?......確かに、牌効率とかは気持ち悪いくらいに完璧でしたけど」


咲(チーターじゃなくてライオンさんだったね)


咲「でも、そんな人だったらとっくにリアルで名前が知れてるハズでは?」


健夜「私も、少し興味があって調べてたんだけど、プロの中にはここまでのデジタル打ちは居ないの」


咲「......へぇ?」


咲「なら学生、ですか」


健夜「うーん......どうなんだろう?」


健夜「これほどの打ち手が、大会とかに出てるなら気付かないハズがないんだけど......」


咲「......」


384:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:47:31.62 ID:xlk7mu3w0


咲「なら、答えは一つでしょう」


健夜「うん?」


咲「リアルを全て切り捨てて対局できるネット麻雀だからこそ、"のどっち"は強い」


咲「逆に、リアルの情報......実際の対局の空気感やらを感じる、リアルの麻雀では、本来の実力を出せない」


咲「更に言えば、ネトマではオカルトを見ないが為に、オカルトの存在を知らずに......もしくは認めずにリアルで打ってて、良いカモにされてる」


咲「......とか」


健夜「なるほどね......ありそうかも」


咲「ね?......もし仮に、この "のどっち" が本来の実力をリアルでも出せるのなら......」


咲「......」ウズッ


健夜「......まだまだ楽しみがいっぱいだね、咲ちゃん」ニコリ


咲「はい」クス


385:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:48:48.28 ID:xlk7mu3w0


咲「......でも、もうネトマはやめます」ポイ


健夜「あれ、やる気になるかと思ったのに」


咲「だって、無理ですもん。ネトマ無理です。勝てません、絶対」ブーブー


健夜「ぷっ......咲ちゃん可愛い」


咲「うるさいです!!早く読書に勤しんでください!」プンスカ


健夜「ふふっ、はーい」クスクス


咲「はあ...」チラ


咲(それにしても、この"のどっち"......本当に強いな)


咲「......」


咲「確か、ここをこうやって......」カチカチ


咲「......」カチカチ


386:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:49:47.65 ID:xlk7mu3w0


咲「あった、だいれくとめっせーじ」カチ


咲「えっと......」カタカタ


咲『おつよいですね、としはいくつなんですか』ポチポチ


咲「っと......送信っ」タン


咲「......」ジーッ


ピコーン

咲「あ、返信きた......」カチカチ


のどっち『光栄です。年齢は個人情報なので、すみません』


咲「まあ、そうだよね...」カチカチ


咲『そうですよね。きゅうにごめんなさい』


のどっち『いえ。それはそうと、キーボードの変換の所で、漢字に変換する事ができますよ』


咲「変換......あっ、本当だ」


咲(え、ていうか私さっきので会話終わらそうと思ってたのに...)ポチポチ


387:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:50:55.00 ID:xlk7mu3w0


咲『本当ですね、すみません。ありがとうございま』


咲「あっ、最後の文字打ち損ねた......」ポチポチ


咲『すみません、最後のす、が抜けていました』


のどっち『ふふっ、もしかしてパソコンに慣れていないんですか?』


咲『恥ずかしながら。ネット麻雀も初めてやりまして、とても強い方がいるんだなと驚きました』


咲『是非、現実でもお相手願いたいです』


咲「......ふぅ」


咲「パソコンは目が疲れるよ......」


健夜「咲ちゃん、頑張って読み終えたよー」テクテク


健夜「って、DM?」チラリ


咲「あ、健夜さん。この短時間で読み終わるなんて中々やりますね」


咲「試しに、のどっちにメール送ってみたら返ってきたんですよ」ドヤッ


咲「上手く行けば、どんな人か分かるかも」


388:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:53:16.47 ID:xlk7mu3w0


健夜「えっ、のどっちってメールとか一切返さないって聞いてたけど......」


健夜「どれどれ......」


健夜「......」


咲「どうです?」フンス


健夜「咲ちゃん......これは流石に無いかな...」


咲「は?何でですか?」


健夜「これじゃあまるで、現実で会ってあわよくばを狙ってる、男の人みたいだよ?」


咲「あわよくばって何ですか、意味わかりません」


健夜「だから、その......なんて言うのかなぁ」


健夜「ネットで出会いを求める......みたいな?」


咲「いや、私はこの人がどんな人か、一目見てみたい訳ですから間違ってませんよね?」


健夜「咲ちゃんは自分が送ってる側だから良いかもしれないけど、のどっちさんは違うかもしれないでしょ?」


389:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:54:08.32 ID:xlk7mu3w0


健夜「下心のある、異性だって思われても仕方ないよ?」


咲「......まあ、確かに」


咲「言われてみたら、ちょっとダメだったかもです...」


健夜(歳を聞いて、現実で会おうとするネット上の人物とか、怪しい事この上ないよ!!)


咲「......」シュン


健夜「あっ、ごめんね!?ちょっと言い過ぎたかも!」アセアセ


健夜「けど、流石にリアルで打とうって言われてオッケー出す人は居ないと思うから、これからは気をつけようね?」


健夜「それと、咲ちゃんもほいほい誘いに乗らないようにっ」


咲「はい......じゃあ、謝罪の意を込めて......」ポチポチ


健夜(あ、嫌な予感)


390:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:55:36.92 ID:xlk7mu3w0


咲『今、こういう事はダメだと教えられました。ごめんなさい』


咲『しかし、のどっちさんにはとても興味があるので、いつか必ず見つけ出して対局を申し込もうと思います』


咲『なので、是非とも麻雀を続けていてくださいね』


咲「っと、これでどうです?」


健夜「いや怖いよ!?さっきのより質悪くなったよ!!」


健夜「いつか必ず見つけ出すってなに!?1歩外れたら脅迫だよこれ!」


咲「もう、うるさいです。送ってしまったものは仕方ないじゃないですか」フイッ


健夜「開き直った!?」


咲「返事も返って来なくなっちゃったので、もうやめます」つ 電源切り


健夜「咲ちゃんが電子機器使う時は隣に付いてなきゃいけないね......」


咲「ボコボコにされて少し後味悪いので、麻雀打ちましょうよ」テクテク


健夜「あ、うん。良いよ」


391:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:57:17.88 ID:xlk7mu3w0


咲「それじゃあ、いつも通り10万点持ちでツモなしロンのみ責任払いありの、飛ばしたら勝ちルールで」


健夜「今までの勝敗数どんな感じだっけ?」


咲「うーん...途中から数えるのやめちゃいましたし、覚えてません」


咲「けどまあ、今日は私が勝つので健夜さんが少し勝ち越しって事にしてあげますよ」ニコリ


健夜「へー、後で後悔しても知らないよ」ニコッ


咲「......では、始めますk」


「し、失礼しますっっ!!」


咲「んっ......?」


健夜「え、お客さん?」チラ


「あ、あの!こちらに麻雀部の部室があると聞いて来たんですけど!」


咲(ドアの向こうで叫んでる......)


健夜(ドアの向こうで叫んでるからどんな子か分からない......)


392:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:58:41.46 ID:xlk7mu3w0


咲「健夜さん」


健夜「え、私!?ここは同じ生徒の咲ちゃんの方が良いと思うんだけど......」


健夜「私が出ていったら、誰だってならないかな?」


咲「......それもそうですかね...」スッ


健夜(え、もしかして新入部員?去年は誰も来ない所か、麻雀部の存在すら知れ渡って無かったのに......)


「あ、あのぉ......すみませんっ!」


咲「はい、どちら様ですか」スタスタ


咲「ドアの向こうで叫んでても対応し辛いですよ......」スッ


ガチャッ


咲「何の用ですか?」チラ


393:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 21:59:54.22 ID:xlk7mu3w0


マホ「ゆ、夢乃マホですっ!!えとえと、一年生で......えっと、麻雀部に入部希望なんですけど!」ビクビク


マホ「こ、ここに麻雀部の部室があるって聞いて、その......」


咲「......あれ?あなたは」


マホ「......へっ...」チラリ


咲「さっきの子?」


マホ「み......み、みみみみみ!!」


マホ「宮永先輩!!!??」


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413:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:24:34.56 ID:xlk7mu3w0


咲「はい、紅茶で良かったかな?」つ紅茶


マホ「あ、ありがとうございますっ!」


咲「健夜さんは水で良いですよね」


健夜「なんで!?」ガーン


咲「冗談ですよ、はい」つコーヒー


健夜「最近冗談に聞こえなくなってきたよ......」


健夜「ありがとう、咲ちゃん」


マホ「.........」ズズ


咲「えっと......健夜さん、どうしたら?」ヒソヒソ


健夜「分からないよ...入部希望の子なんて今年も来ないと思ってたし......」コソコソ


咲「私もですよ......」ヒソヒソ


414:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:25:02.39 ID:xlk7mu3w0


マホ「あ、あのぉ......?マホ、どうしたら......」


咲「あ、ごめんね?えっと......入部希望、で良いのかな」


マホ「は、はいっ!」


咲「あー......」チラ


健夜「見ての通り、この麻雀部は部員がここの咲ちゃんだけ。後はコーチの私しか居ないけど......」


健夜「それでも大丈夫かな?」


咲「たまに雀荘に打ちに行ったりするけど、基本は2人打ち......夢乃さんを入れたら三麻になっちゃうけど」


マホ「そうなんですか......」


咲「うん。だから、入部はいつでも歓迎するから、他にやりたい部活とかあるならそっちも見てきてから、決めたらどうかな?」


マホ「......」カンガエ


健夜(この子......)ジーッ


415:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:26:54.25 ID:xlk7mu3w0


マホ「いえ、むしろ宮永先輩と2人きりなら都合バッチリです!!」


咲「え?」


健夜「うん?(私は?)」


マホ「マホ、先ほど宮永先輩に助けて貰って、とってもカッコイイなって思ってて」


マホ「もう一度会いたいなって思ってたです!」


咲(な、なんか急に積極的になったな)


健夜「助けたって?」


咲「あぁ、さっきこの子が勧誘の波に飲まれてたので、少し」


健夜(何その展開!?)


マホ「なので、マホ、部員数が少なくても大丈夫です!」


咲「......」チラリ


健夜「咲ちゃんが決めていいよ?」


咲「......」カンガエ


咲「マホちゃんは、どうして麻雀部に入りたいの?」


416:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:28:14.61 ID:xlk7mu3w0


マホ「えっとぉ......」


マホ「マホ、結構昔から麻雀をしてるんですけど、小学校の頃にとても強い人と対局したんです」


マホ「どんな方か忘れちゃったんですけど、いつかその人ともう一度対局したいって、ずっと思ってて......」


マホ「そして、その時は負けちゃったので、次こそ勝ちたいって思ってるので、もっと麻雀をやりたいんですっ!」


マホ「だから、その......はい、そんな感じ......なんですけど...」チラ


咲「......」


マホ「ダメ......でしょうか...?」


咲「......うん、分かった」


健夜(憧れ......かぁ)クス


咲「ようこそ、麻雀部へ」ニコッ


マホ「!!」パアッ


マホ「はいっ!よろしくお願いするですっ!」ペコッ


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417:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:29:22.23 ID:xlk7mu3w0


咲「改めて自己紹介するね、私は宮永咲。3年生です」


健夜「小鍛治健夜、一応この部のコーチって事になってます」


マホ「こ、小鍛治健夜さんって...もしかして......」


咲「うん。掃除洗濯料理ダメダメの、アラサー独身麻雀狂の、あの小鍛冶健夜さんだよ」


咲「元世界2位だけど、その辺りは気にしなくて大丈夫大丈夫。なんたって、生活力が皆無だからね」


マホ「へっ?」


健夜「咲ちゃん!?いきなり私の評価落とすのやめよ!?」ガーン


咲「ぷっ......否定してこない辺り、悲しいですね」クスクス


健夜「ま、まあ...家事ダメダメなのは本当だから......って、咲ちゃん!変なこと言わせないで!?」


咲「まあ、普段はこんな感じだけど、結構頼りにはなる人だから安心してね」


マホ「は、はい......」ウタガイノメ


418:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:30:28.65 ID:xlk7mu3w0


健夜「その微妙なフォローじゃあ失われた信用は返ってこないよ咲ちゃん......」ニヘラ-


マホ(先輩に頼りになるって言われた途端、顔が綻びました......)


咲(少し褒めたらこれなんだから......)


咲 マホ((この人、ちょろい(です)))


マホ「あっ、マホの自己紹介がまだでした......」


マホ「一年生の夢乃マホですっ。えっと......家事は一応出来なくもないですっ」


咲「ぷっ......」


健夜「マホちゃん!?そこは言わなくても良い所だから!!」


マホ「へっ?あ、ご、ごめんなさいですっ!」ペコペコ


咲「ふふっ......良いんだよマホちゃん...」クスクス


健夜「咲ちゃん笑いすぎだよ......」


マホ(宮永先輩はやっぱり可愛いです......)ドキドキ


419:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:31:13.25 ID:xlk7mu3w0


咲「えっと、自己紹介も終わったし1局打ってみよっか?」


咲「経験者って事だし、ルールとかは大丈夫?」


マホ「あ、はいっ!大丈夫です!」


咲「健夜さん、さっき言ったルールは変更で、普通のルールに変更で」


健夜「うん、了解だよ」


咲「えっと、3万点持ちでウマオカなし、赤は2枚ね。一応、箱下でも続行にしておこっか」


マホ「分かりましたっ!」


咲「健夜さんは少し手加減してくださいね」


健夜「分かってるよ」コクリ


咲「じゃ、始めようか」


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420:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:32:41.67 ID:xlk7mu3w0


咲 42000
健夜 25000
マホ 23000


マホ「マホ負けちゃいました......」ショボン


咲(なに、この子......?)


健夜(やっぱり、何か感じると思った)


咲(偶然......?にしては、違和感が...)


マホ「何度もチョンボしそうになってしまってごめんなさいです......」シュン


咲「......」カンガエ


健夜「咲ちゃん」


咲「!!」ハッ


422:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:33:20.17 ID:xlk7mu3w0


咲「......チョンボの事は気にしなくて大丈夫だよ」


咲「それより、もう一局だけやってみよっか」


マホ「は、はいっ!次はチョンボしないように気をつけます!」


咲「......健夜さん」チラ


健夜「うん、分かったよ」コクリ


咲「じゃあ、よろしくお願いします」


_______________
_______________


咲「カン、もう1個、カン」スッ


健夜「ロンだよ。槍槓ドラ8」


咲「はい」チャラ


マホ「......」ジーッ


423:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:34:47.64 ID:xlk7mu3w0


健夜「ポン」スッ


咲「それカン、ツモ責任払いで24000点です」


健夜「...はい」


マホ「......」ジーッ


マホ「......」ゴゴゴゴゴゴ


咲(これは......)


健夜(ツモ悪いなぁ......)


マホ「リーチ」ゴッッッ


咲(海底前でリーチ?)


健夜(決まり、かな)


424:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:36:11.74 ID:xlk7mu3w0


マホ「ツモです、リーチ一発海底ツモ三色一盃口ドラドラ」


マホ「8000オールです」ボッッ


咲「!!」ガタッ


咲(この子......)


咲(何も感じなかった訳じゃない......けど、これほどの...?)


健夜「咲ちゃん?」


咲「あ、すみません。急に立っちゃって」スワリ


咲「ねえ、マホちゃん?」


マホ「は、はいっ!マホ、何かダメだったでしょうか......?」オロオロ


咲「ううん、そんな事ないよ」


425:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:37:04.56 ID:xlk7mu3w0


咲「マホちゃんって......少し言い方は悪いんだけど、人の真似をする事が得意?」


マホ「.........」


マホ「えっ......」


咲「もう少し詳しく言うと、テレビとかで見た麻雀選手の能力とかを、コピーしたり......できるよね?」


マホ「ぁ......」


咲「......どう、かな?」


マホ「えっと......あの......」


マホ「......」ガタッ


咲「え、マホちゃん?」


426:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:37:51.74 ID:xlk7mu3w0


マホ「ご、ごめんなさい......今日は、帰ります...」タッタッタ


咲「えっ......」


ガチャ


マホ「失礼、します......」


バタンッ


咲「マホちゃん......?」


健夜「......急に帰っちゃったね」


咲「私、何か嫌な事言いましたかね......?」


健夜「うーん......聞いてた限りでは、そんな事は無かったと思うけど......」


427:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:39:00.94 ID:xlk7mu3w0


咲「でも、能力の話をした途端に顔色変えて出ていっちゃいました」


健夜「関係があるとしたら、それかもね...」


健夜「それにしても、正直ビックリしたよ。マホちゃん」


咲「私もですよ......何か、色々な物が混ざりあっている様な違和感は感じていましたが......」


咲「一つ一つが薄いせいで、核に気づけませんでした」


健夜「あのチョンボは、制約の一つだねきっと」


咲「はい。けど、呪いとは違って意識をすれば止められるみたいですし、そこまでのデメリットにはなりませんね」


健夜「能力のコピー......そんな事できる子が、中学生にいるなんて...」


428:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/19(月) 23:41:37.19 ID:xlk7mu3w0


咲「......とりあえず、私も今日は帰ります」


健夜「あ、送っていくよ」


咲「じゃあ、一緒に行きましょうか」


咲「......少し、考えたい事もありますし、付き合ってください」スッ


健夜「うん、そうだね。」


健夜「電気消すよ?」


咲「はい」


咲(......夢乃マホ...か)


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433:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 00:55:10.39 ID:rkQHDwhf0


~3日後・始業前、部室~


咲「......マホちゃん、あの日以来来ませんね」


健夜「うん...」


咲「......」


健夜「......大丈夫、その内」


咲「そんな言葉はいりません。分かってるでしょう」


健夜「......そうだね、ごめん」


咲「いえ......こちらこそ、すみません...」


434:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 00:56:46.07 ID:rkQHDwhf0


咲「......マホちゃんの能力について触れた事が、この部室に来なくなった......もしくは、来づらくなった理由だとして」


咲「一体、どんな関わりがあるんでしょうか」


健夜「うーん......」


健夜「考えられるのは、能力を見破られたく無かった......とか」


咲「それは私も考えましたけど...もしそうなら、あの時能力を使ったりしますかね?」


咲「しかも、あれだけ強力な場の支配と海底......天江衣のコピーまでしたんですよ?」


健夜「そうなんだよね......」


咲「......」カンガエ


キーンコーンカーンコーン


咲「!!」ピクッ


健夜「続きは、放課後に考えよっか」


435:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 00:58:18.48 ID:rkQHDwhf0


咲「......そうですね」スッ


咲「とりあえず、学校行ってきます」


健夜「ん、行ってらっしゃい。頑張ってね」


咲「はい」テクテク


健夜「......」


健夜「...咲ちゃん!」


咲「??」クルッ


健夜「......能力の悩みは、多分咲ちゃんが気付いてあげるのがいいと思うの」


咲「......」


健夜「だから...」


咲「大丈夫です、健夜さん」


健夜「!!」


咲「分かってますよ」ニコッ


健夜「......うんっ」ニコリ


咲「では、また後でです」フリフリ


健夜「また放課後、ね」フリフリ


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436:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 00:59:23.49 ID:rkQHDwhf0


~授業後・教室~


咲「......」


生徒A「咲ちゃぁぁぁぁぁ............ん?」


生徒A「どったの咲ちゃん、いつも可愛い顔が悩ましい表情で更に可愛くなってるよ?」


生徒B「アンタのその一言が、更に困惑の表情まで作らせるんだからやめなさい」ゲシ


生徒A「痛い!?蹴らなくたって良いじゃん!」


生徒B「それで宮永さん、どうかしたの?」


生徒A「無視すんな!この貧乳暴力女!」


生徒B「ふんっ!」ゲシッ


生徒A「きゅぅ......」


咲「二人とも......」


437:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:00:13.54 ID:rkQHDwhf0


生徒B「あはは...ごめんね、こいついっつもこんな感じで」アハハ


咲「いえ...」


生徒A「んでんで、咲ちゃんは何を悩んでるのかな?」復活


生徒B「復活はやっ......」


咲「......別に、悩んでは......いません...」


生徒A「そんな可愛い声と可愛い顔で言われたって、説得力ないよー」


生徒B「可愛いと可愛いしか無かったんだけど?」


生徒A「咲ちゃんイズ可愛い!おーけー?」


生徒B「アンタが馬鹿って事は分かったわ」


生徒A「何も分かってない!」プンスカ


438:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:01:30.40 ID:rkQHDwhf0


咲「......ふふっ...」クスクス


生徒A「!!!」


生徒B「可愛い......」


生徒A「お前も可愛いって思ってんじゃん」


生徒B「うそっ、今声に出てた?」


生徒A「いぇす」


生徒B「~~~~っっっ/////」


咲「ふふふっ...おかしいですね二人とも...」クスクス


生徒B「二人とも!?」


439:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:02:12.80 ID:rkQHDwhf0


生徒A「うんうん!私たちに悩みを打ち明けちゃえば、きっと面白可笑しく解決に導いちゃうよ!」


咲「面白可笑しかったらダメだと思うけど......」


咲「......うん、じゃあ、少し聞いてくれますか?」


生徒A「少しと言わず、何時間でもいいよっ!」


生徒B「うるさい」ベシッ


咲「実は......」


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440:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:03:10.88 ID:rkQHDwhf0


生徒A「ふむ......つまり、新入部員が1日で部活に来なくなっちゃったと」


生徒B「かいつまみすぎでしょ......」


咲「でもまあ、そんな感じです」


咲「すみません、こんな話聞いてもらっちゃって」


生徒B「ううん、むしろ嬉しいよ」ニコリ


生徒A「うーん、咲ちゃんは、まずはその子が来なくなっちゃった理由を解明しなきゃいけないの?」


咲「えっ?」


生徒A「つまりーえっとー......翻訳頼む!」


生徒B「押し付けないでよ......」


441:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:04:06.09 ID:rkQHDwhf0


生徒B「まあ、要するに、その子に会って話を聞くのはダメなの?......って、言ってるんだと思うよ」


生徒A「その通り!!」


咲「会うって......部室に来てくれないんですよ?」


生徒A「違うよ咲ちゃん!なにも、部室でしか会えないなんて事はないでしょ?」


咲「えっ......」


生徒B「その子が来ないならさ、宮永さんから行っちゃえば良いんだよ」


咲「!!!」


442:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:04:45.40 ID:rkQHDwhf0


生徒A「あぁ......今日も咲ちゃんとの下校はお預けか...」ガックシ


生徒B「頑張って、宮永さん」グッ


咲「......ありがとう、二人とも」スッ


咲「ちょっと、行ってくるね!」タッタッタ


生徒A「行ってしまった......」


生徒B「結末は、また明日聞くとしようよ」クス


生徒A「......だね」ニコリ


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443:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:05:29.60 ID:rkQHDwhf0


~本校舎・一年教室~


咲「はぁ......はぁ...」スッ


ガララ


咲「......」キョロキョロ


咲「ねえ、少し良いかな?」


一年生徒「え?はい、何でしょうか?」


咲「このクラスの、夢乃マホさんってもう帰っちゃった?」


一年生徒「マホちゃんですか?えっと、はい」


一年生徒「最近はいつも早く帰ってますね」


咲「ありがとう!」ダッ


一年生徒「ぁ......行っちゃった...」


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444:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:06:10.33 ID:rkQHDwhf0


~校舎外・ある場所~


咲「...っっ......」ハァハァ


咲「こんなに走ったの......いつぶりだろ...」ハァハァ


咲「チャイムが鳴ってからまだそんなに時間は経ってない......」キョロキョロ


咲「そんなに遠くには行ってないはず......」ダッ


咲「はぁ...はぁ......」タッタッタ


咲「......!!」ピタッ


マホ「......」


咲(あのベンチ......見つけた......)タッ


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445:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:12:06.61 ID:rkQHDwhf0


マホ「......はぁ...」


マホ「一体、何がしたいんだろう......」


咲「マホ、ちゃん......」ハァハァ


マホ「!?」バッ


咲「やっと......見つけたよ...」フゥ


マホ「宮永......先輩......?」


マホ「ど、どうしてこんな所に!」


咲「それは、こっちのセリフだよ......」


咲「初日からずっとサボりは、さすがに私も先輩として放っておけない、かな」


マホ「それは......」


446:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:12:51.43 ID:rkQHDwhf0


咲「とりあえず、隣座っても良いかな......?」


咲「久々に走ったら疲れちゃって」アハハ


マホ「は、はい......すみません、どうぞです」スッ


咲「うん、ありがとう」スワリ


咲「......ふぅ...」


マホ「......」


咲「......」


咲「ごめんね、マホちゃん」


マホ「へっ......?」


447:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:13:39.81 ID:rkQHDwhf0


咲「あの日以来、ずっと考えてたの」


咲「マホちゃんが帰っちゃった理由とか、部活に来てくれない理由、とか」


マホ「そ、そんな!その......悪いのは、マホですし......」


咲「......本当は、自分で気付いてからマホちゃんの悩みを...あるならだけど、解決してあげたかった」


咲「......けど、思いつかなかったんだ」


マホ「先輩......」


咲「私、誰かの先輩になるなんて初めてで、こういう時、なんて言えば良いのか分からないから......」スッ


マホ「せ、先輩......?」


咲「......」ギュッ


マホ「ぁ......」


咲「......話してくれるまで、離さないよ」ギュゥ


マホ「......先輩...っ...」


448:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:14:45.07 ID:rkQHDwhf0


咲「辛くても、話して?人に聞かれるのが嫌でも、話して?」ナデナデ


咲「きっとその悩みは......一人で抱えこんだら、ダメなの」ギュ


マホ「そんな事......っ...」ジワッ


咲「これはね、私のワガママ......」


咲「先輩として、最初で最後のワガママにするから......」


咲「マホちゃんの事、教えてくれないかな......?」ギュッ


マホ「...うぅ......」グス


マホ「先輩は......ズルい......です...っ」


咲「うん......ごめんね...」


マホ「でも......マホの尊敬する......先輩です...」ギュッ


咲「......うん、ありがとう」ナデナデ


マホ「......」グス


449:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:15:43.82 ID:rkQHDwhf0


マホ「......聞いて、くれるんですか...?」


咲「勿論。むしろ、頭を下げてお願いしたいくらいかな」ニコリ


マホ「......」スッ


マホ「......マホは、先輩が指摘した通り...人のマネをするのが、得意...」


マホ「コピーをするのが、能力です......」


咲「......うん」


マホ「......でも、それ以外は...ダメダメ、なんです」


咲「......」ピクッ


マホ「人のマネをしていない時のマホは、凡人以下の力しかありません......」


マホ「人のマネしか、出来ないんです......」


咲「......」


450:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:16:43.75 ID:rkQHDwhf0


マホ「......昔、言われた事があるんです」


マホ「人マネしかしていないお前は、自分で麻雀をやっている意味があるのか?......って」


咲「......うん...」


マホ「その時、思っちゃったんです......」


マホ「確かに、マネしかできないマホが自分で麻雀を打ってる意味なんて無いんじゃないかって......」


マホ「一緒にやってる人も、楽しく無いんじゃないか......マホを、嫌いになるんじゃないかって...」


マホ「......その時以来、マホは人のコピーをするのはやめました」


マホ「でも......この前、先輩と健夜さんと打った時...」


マホ「何故かは分からないんです......無意識的に、模倣出来る中で一番強いコピーをしてしまっていて......」


マホ「マホ、本当に無意識だったんです......先輩と健夜さんを見ていたら、マホも打ちたいって思って、それで......」


マホ「先輩に指摘されて、初めてマホがコピーを使ってしまった事を知らされました......」


451:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:19:03.44 ID:rkQHDwhf0


マホ「怖かったんです、先輩の目が......マホは、コピーしか出来ない......凡人だと、言っている様に見えて......」


マホ「逆に、コピーが出来るマホを求めていて、凡人のマホを見たら、見放されるんじゃないかって......」


マホ「先輩に、嫌われちゃったんじゃないかって......!!」グスッ


咲「マホちゃん......」


マホ「幼稚な......理由なんです...」


マホ「部室に行けなかったのも......マホの、自分勝手な...理由です...」


咲「......」


マホ「......あはは...ごめんなさいです、やっぱり呆れちゃいましたよね」


咲「......マホちゃんってさ」


マホ「はい......」


咲「ちょっと、お馬鹿さんだよね」


マホ「......へっ...」


452:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:19:55.85 ID:rkQHDwhf0


咲「私てっきり、能力を使って人の能力を奪ってしまい、その人の人生を崩壊させちゃったー!」


咲「......とか、そういう理由かと思ってた」


マホ「そ、そんな大事な訳では!」


咲「うん、だからそんな小さな事、気にしなくて良いんだよ」


咲「コピーしか出来ない?コピーしないと只の凡人以下?」


咲「うんうん、結構だと思うよ?」


咲「私に言わせてみれば、コピーが出来るだけで物凄く凄いことだと思うし」


咲「素の状態が凡人以下なら、まだまだ強くなれるって事だよ?」


マホ「そんな簡単には......いかないんです...」


咲「今は、私が居るよ」


マホ「えっ......?」


453:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:21:33.29 ID:rkQHDwhf0


咲「ううん、私だけじゃない。健夜さんもいる」


咲「......マホちゃん、言ってたよね?昔対局した人ともう一度対局して、勝ちたいから麻雀部に入りたいんだって」


マホ「はい......」


咲「うんうん、なら、やろうよ」


咲「私と、健夜さんと、マホちゃんで一緒に...強く、なろ?」


マホ「で、でも......コピーをしないマホと打ったってお2人の足元に及びません......それなら、マホなんて居ない方が......」


咲「私は、マホちゃんが欲しいよ」


マホ「っっっ......」


咲「コピーが出来るマホちゃんでも、素の下手くそなマホちゃんでもない」


咲「強くなろうって、頑張るマホちゃんが欲しい」


454:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:22:28.95 ID:rkQHDwhf0


咲「さっき、私がマホちゃんをコピーしか出来ない凡人だと思ってるんじゃないかって、言ったね」


咲「私の気持ちを、勘違いしないで欲しいな」


咲「私は、マホちゃんのその能力、とっても魅力的だと思うし、例えコピーが無くなったら下手くそになっちゃうとしても」


咲「私は、強くなりたいって思うマホちゃんの麻雀を打つ姿勢、大好きだよ?」


マホ「でもっ......っっ!!」


咲「もし!!」


マホ「っっ」ピクッ


咲「マホちゃんが自分の能力が嫌いだーなんて、言ったら、私の能力だって嫌われちゃうね?」


マホ「ど、どうして......」


455:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:25:04.01 ID:rkQHDwhf0


咲「だって、私の嶺上開花、もうコピーできたんでしょ?」


咲「それはつまり、コピーの能力=私の嶺上開花って解釈もできる訳で」


咲「あぁ......私、マホちゃんに嫌われたくないな」


マホ「き、嫌いませんよ!!嫌うはずありません!!」


咲「うん。私と健夜さんも、マホちゃんに対して、同じ気持ち」


マホ「ぁ......」


咲「良い?私は、マホちゃんのコピーの能力はとっても凄いと思うし、対局しててとっても楽しかった」


咲「強くなるように頑張ろうって、そう思って打ってるマホちゃんを見てて、協力したいって思った」


咲「私はマホちゃんと、何回でも麻雀を打ちたいな」


456:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:29:00.85 ID:rkQHDwhf0


マホ「先輩......」グスッ


マホ「先輩は......コピーしか出来ないマホを...好きになってくれますか......?」


咲「うん。コピーまでできるマホちゃんを好きになるよ」


マホ「先輩は...弱虫なマホとも......麻雀をしてくれますか...?」


咲「うん。一緒に強くなって、大魔王健夜を倒そっか」ニコリ


マホ「先輩は......マホを...好きになってくれるんですか......?」


咲「......うん、勿論」ニコッ


咲「私が好きなマホちゃんを、マホちゃんは好きになれないかな......?」


マホ「...なれますっ......先輩が好きなものは...好きになりたいですっ......!」


咲「......夢乃マホちゃん、私を...」


咲「マホちゃんの、先輩にしてくれるかな?」


マホ「......」ゴシゴシ


マホ「......はいっ」


マホ「よろしく、お願いしますっ」ニコッ


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457:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:37:59.35 ID:rkQHDwhf0

~旧校舎・部室~


健夜「......」ソワソワ


健夜「咲ちゃん......大丈夫かな...」


ガチャッ


健夜「!!!」


健夜「咲ちゃん!おかえり、今日もマホちゃんは............」


健夜「..................えっ?」


咲「あ、あはは......健夜さん、どうもです」


マホ「せ、先輩!少し雨降ってきちゃいましたけど、濡れてませんか!?」ギュ-ッ


マホ「あぁ、少し濡れてます......風邪引いたらいけませんし、すぐに拭きます!」


458:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:38:58.28 ID:rkQHDwhf0


咲「ま、マホちゃん......ちょっと過保護すぎ......」


マホ「そんな事ありません!マホの先輩が風邪引いたら、大惨事ですよ!」


咲「あ、あはは......」チラ


咲(健夜さん、助けて)


健夜(いやいやいや!?どう言うこと!?)


健夜(私、3日間くらい気絶してたかな!?それくらい状況変わってるよ!!)


咲(馬鹿なこと言わないでください......)


咲「と、とりあえずマホちゃん!一応コーチの健夜さんにも、謝っとこ?」


マホ「あ、そうでした......」


459:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/20(火) 01:40:46.19 ID:rkQHDwhf0


健夜(まだ頭の整理できてないよ!?)


咲(パンクしちゃえ)


健夜(咲ちゃん!?)


マホ「3日間、部活に来なくてすみませんでした」ペコリ


健夜「あっ、うん......えっと、私は全然大丈夫だよ......?」


マホ「これから、宮永先輩の後輩、健夜さんの生徒として、お世話になります」


マホ「夢乃マホですっ!よろしくお願いします!」


~宮永咲と、夢乃マホ・カン~


485:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 17:49:52.58 ID:vdiebjsd0


【長野勢・宿舎前】


ゆみ「着いたな」フゥ


モモ「意外と近くにいたんすね~」


ゆみ「あぁ、二人もこちらに向かって歩いてたんだろう」


モモ「逆方向に進んでなくて良かったっす」


咲「...うーん......」キョロキョロ


咲「やっぱり、私は知らない所ですね」


モモ「まあ大丈夫っすよ!さすがに、宿の名前を言えば分かってくれるはずっすから」


咲「そうだね」


486:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 17:51:06.00 ID:vdiebjsd0


咲「......それにしても、本当に良かったんですか?」


ゆみ「うん?」


咲「他の学校の方々に確認せず、私を連れてきちゃって」


ゆみ「あぁ、それなら問題ないさ」


モモ「っす!誰も気にしたりしないっすよー」


咲「そうですか」


咲(よく分からないけど、良いって言うならいいのかな......?)


ゆみ「よし、じゃあ行こうか」テクテク


モモ「ふあぁ...よく歩いたっすから、少し眠くなったっす...」


咲「まだお昼前だよ......」テクテク


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487:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 17:52:04.38 ID:vdiebjsd0


【邂逅】


~宿舎・大広間~


ゆみ「皆、今戻った」


モモ「ご迷惑をおかけしたっすー」


衣「ん?鶴賀の、戻ったか」


衣(...............!)ピクッ


智美「ワハハ、おかえりゆみちん、モモ。見つかって良かったなー」ワハハ


佳織「おかえりなさい!無事見つかって良かったです」


モモ「先輩達にまで探してもらって申し訳ないっす」ペコリ


智美「ワハハ、気にするなモモー」


488:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 17:53:44.62 ID:vdiebjsd0


池田「やーっと帰ってきたし!清澄2人に続いてお前らまで居なくなって、卓が減って困ってたし!」


美穂子「こら、華奈?そんな事言わないの」


美穂子「おかえりなさい、二人とも」


池田「......キャプテンがそう言うなら許してやるし!」


優希「池田、お前......」ハァ


池田「タコス娘!先輩には敬語使えし!敬称つけろし!」ニャ-


和「部長達はまだ遅くなりそうですね」


透華「全く!清澄はまだ帰ってきませんの!?」


和「帰りは夕方頃になるそうです」


透華「遅いですわ!」


490:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 17:56:54.36 ID:vdiebjsd0


一「......ね、ねえ純君、ともきー?」チラリ


純「...あぁ、分かってる...」


衣「......」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


純「...衣も気付いてるみたいだしな」タラリ


智紀「...異常......」


ゆみ「モモは無事見つけて帰ってきたから、安心して欲しい」


モモ「生還っすよー!」


智美「ワハハ、それにしてもおかしいなー。なんだか、モモがはっきり見える気がするぞー」


優希「うん?...言われてみればそうだじょ」


491:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 17:58:44.20 ID:vdiebjsd0


モモ「えへへっ、そうっすか?見えるっすか?」


モモ(やっぱり、嬉しいもんっすね)


ゆみ「あぁ、その事も踏まえてなんだが」


ゆみ「皆に紹介したい人がいるんだ」


和「紹介ですか?」


美穂子「誰かしら......?」


池田「どうせ、その辺で藤田プロにでも会ったに違いないし!」


まこ「なんちゅう言い草じゃ......」


モモ「とりあえず、卓から離れて集まって欲しいっす!」


透華「一体何ですの?」


492:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:00:59.06 ID:vdiebjsd0


一「......なにか嫌な予感がするよ...」


純「そうか?俺は逆に、楽しみになってきたけどな」


智紀「...衣と、清澄の大将で、少し慣れた感はある......」


純「ははっ、違いないな」


一(そうだけど......これは、満月のあの日初めて衣に会った時の比じゃない...)


衣「......さて、2人目の莫逆の友となるか」


衣「......それとも...」


493:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:02:39.95 ID:vdiebjsd0


ゆみ「事情は追って話すが、取り敢えず入ってきて貰おう」


モモ「入ってきて良いっすよー!」


ガララララララ


「はぁ......なんだか、転校してきた初日の挨拶みたいですよ、これ...」テクテク


和「えっ?あなたは......」


優希「んん?............あーっ!!」


衣「......ふふっ、やはりな」ニヤリ


咲「皆さん初めまして......じゃ、無い方もいますね」ミワタシ


咲「宮永咲と言います。短い間ですが、よろしくお願いします」ペッコリン


~長野宿舎編・開始~


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494:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:05:53.77 ID:vdiebjsd0


ゆみ「......という訳で、お礼も兼ねてこの宿舎まで足を運んで貰ったんだ」


和「おかしな縁もあったものですね......」


優希「咲ちゃんも呪われし迷子癖一族の末裔だったか!」


咲(私も......?)


モモ「いやぁ、迷子になった甲斐があったっすね!」


咲「いや、そんな甲斐は無いよ絶対......」


ゆみ「それで、どうだろうか?私としては、咲の迎えが来るまで、ここに居て貰いたいんだが」


衣「無論、衣が誰にも否とは言わせん」


咲「衣ちゃん......まるで暴君だよ...」


衣「ちゃんではないと言っておる!!」プンスカ


495:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:07:59.96 ID:vdiebjsd0


咲「あれ、声に出てましたか?」


衣「出てた!」プンプン


咲「それは、先輩に失礼な事を。すみません」ペコリ


衣(先輩!!)ニパ-ッ


衣「......ま、まあ、許すぞ!」


咲「ありがとうございます、衣先輩」


衣「衣先輩!!」パァッ


咲(健夜さんは若く見られると喜ぶ。衣ちゃ......衣さんはその逆だね)フム


咲(それにしても本当に凄いな......)


咲(まだ昼前だって言うのに、昔のお姉ちゃんよりは強そうだよ)


496:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:11:04.51 ID:vdiebjsd0


優希「私も良いじょ!いや、むしろ呪われしタコス1族の末裔として、タコス好きにさせてやるチャンスだじぇ!」


優希「この前は一発 K.O.されたけど、今回はそうもいかな」


咲「私、タコスは本当に無理なんですごめんなさい」ペッコリン


優希「がーん!!2度も同じ相手に敗北を喫したじぇ......」ズ-ン


咲(この人は確か、片岡優希さん......だったね)


咲「......」ジ-ッ


優希「そんなに見つめられると照れるじょ/////」


咲(......中々かな)


497:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:13:35.31 ID:vdiebjsd0


和「私も、異存はありません。玄さんを通じてですが、一度知り合った仲ですし」


咲(原村和......まさか、この人があの "のどっち" だったとはね)


咲(確かに、改めて見ると......)ジ-ッ


和「?」


咲(っていうか、あのキャラクターにそっくりじゃん......)


和「よろしくお願いします、宮永さん」


咲「はい、よろしくお願いします」


咲(やっぱり、あの時の予想が的中かな。まだ、現実では"のどっち"としての実力を感じない)


咲(......いや、私が感じられないだけかも知れないか...この人に関しては)


498:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:14:59.82 ID:vdiebjsd0


智美「ワハハ、私も歓迎するぞー」ワハハ


智美「部長の私からも、モモを保護してくれていて感謝しなきゃなー」


智美「蒲原智美だ、よろしくなー」


モモ「私が咲ちゃんを保護したとも言えるっすけどね!」


咲「よろしくお願しま......」


咲(え、部長?)


智美「どうかしたかー?」


咲「あ、いえ。何でもありません」


499:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:16:35.97 ID:vdiebjsd0


佳織「わ、私は皆さんが良いなら、大丈夫です!」


咲「!!」バッ


佳織「ひぅっ」ビクッ


咲「は......?え、何.........?」


佳織「え、えっと...?私が何か......?」


咲「......アナタは?」


佳織「せ、妹尾佳織ですっ!」


咲「妹尾さん......」


咲(...この人には何かがある、絶対に)


500:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:22:09.25 ID:vdiebjsd0


咲(初めて高鴨さんを見た時に感じた、何かがあるのに何も感じない、あの感覚をこの人にも感じる......)


咲(......でも、この人は高鴨さんの比じゃない)


咲(それこそ、何も無いのならただの落書き......でも、何かがあるのなら間違いなく、宝の地図)


咲(......?)


佳織「あ、あの......宮永さん...?」


咲「......妹尾さんは、麻雀を始めて何年くらいですか?」


佳織「えっ?えっと......今年、ルールを覚えたばかりです......けど」


咲(この人、健夜さんタイプか...牌を初めて握った年に、この異常な力......)


咲「そうなんですね。」


佳織「は、はいっ」


咲(......でも、この様子では開花はしないかもしれない、かな?後で少し見てみよう)


501:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:26:51.35 ID:vdiebjsd0


池田「華菜ちゃんは別にどっちでも良いし!」


池田「でも、ここに居るなら、個人戦に出るキャプテンの邪魔にはならないで欲しいし」


美穂子「華菜、そんなイジワル言ったらダメよ?」


華奈「イジワルじゃないし!ひょっとしたら、敵情視察に来た他校のスパイの可能性もあるし」


咲(中々ギャグセンス高いな、この人)


優希「うるさいぞ池田!観戦に来てるって言葉聞いてなかったのか!」


華奈「念には念を入れておく必要があるだろ?あと、敬語使え!」


咲「あの......」


502:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:28:26.34 ID:vdiebjsd0


美穂子「ごめんなさい、宮永さん。華菜も悪気がある訳ではないの」


咲「いえいえ、こっちが突然お邪魔したんですし」


美穂子「私は風越女子、福路美穂子です。よろしくお願いします」ニコリ


咲「はい、よろしくお願いします」ペコリ


咲(この人も強い。ついでに、あの池田って人も......)


咲「......?」ジ-ッ


美穂子「どうかしましたか?」


咲「あ、いえ。何でもありません」


咲(片目、ずっと閉じてるな......)


503:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:29:45.85 ID:vdiebjsd0


一「あはは...ボク達も挨拶した方が良いかな?」


純「つーか、衣とは知り合いだったみたいだな」


智紀「魔物は引かれ合うもの......」


咲「龍門渕の方ですか?」


一「うん。ボクは国広一、よろしくね」


咲(さっきから目に入る度に気のせいだって思う事にしてたけど、服が凄すぎるよこの人......)


咲(夏だし、良いのかな......?いや、良くないでしょ)


純「俺は井上純だ。出来れば後で対局してえな」


咲(背高いな......この人も何か持ってる)


智紀「沢村智紀、よろしく......」カタカタ


咲(さっきからずっとパソコン見てるな...雰囲気はデジタル、かな?)


咲「はい、皆さんよろしくお願いします」


504:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:32:17.06 ID:vdiebjsd0


透華「ちょっと!どうして私が最後ですの!?」


咲「............」ピクッ


咲(またおかしな......いや、これは...)


透華「龍門渕高校の、龍門渕透華ですわ!」


透華「衣の知り合いは私たちの知り合いでもありますし、問題ナッシングです」


咲「龍門渕、透華さん......ですか」ジ-


咲「......」


咲「とっても面白い物を飼ってらっしゃるんですね」ニコリ


透華「はい?」


咲「......」


咲「......」ゴゴゴゴゴ


透華「!?」ビクッ


505:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:34:28.37 ID:vdiebjsd0


衣「やめておけ、咲」


衣「無理に引き摺り出そうとした所で、麻雀を打つ気構えが無ければ出ては来ぬ」


咲「......そうですか」スッ


透華「な、何ですの!?」


咲「いえ。よろしくお願いします」


咲(目覚めさせたいな、この人は)


ゆみ「一先ず挨拶は済んだ事だし、咲も混ぜて特打を再開しようか」


モモ「ごめんなさいっす先輩、私は少しお昼寝してくるっす」ネムネム


咲「え、本当に寝るの?」


モモ「何故か眠気がMAXなんすよ......咲ちゃんが中に入れたアレが、きっと副作用を起こしてるっす!」


咲「そんな、催眠効果まで注入した覚えはないよ」


506:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:36:37.98 ID:vdiebjsd0


モモ「って訳で、一時間くらい寝てくるっす」


モモ「あ、咲ちゃんが私が居なきゃ寂しいって言うなら......」


咲「一時間と言わず私が帰るまでどうぞ」


モモ「いけずっすね~このこの!」ウリウリ


ゆみ「よし、分かった。ならモモは少し休んで来るといい」


モモ「はいっす。......ふあぁ...んじゃ、ちょっと失礼するっす~」ネムネム


咲「行っちゃいましたね」


衣「咲!早く打とう!」


ゆみ「私も手合わせ願いたいな」


優希「私も打つじぇ!のどちゃんもやろう!」


和「そうですね......玄さん達の話も聞きたいですし」


507:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:38:02.17 ID:vdiebjsd0


美穂子「あらあら...宮永さん大人気だわ」クスクス


咲「私は取り敢えず、福路さんと加治木さん、原村さんと打ちたいです」


ゆみ「嬉しい指名だな」


和「私もですか...よろしくお願いします」


衣「えっ、衣は......?」ショボン


一「まあまあ衣。まだ時間はあるんだからさ」


衣「むぅ......分かった。1番手は我慢するぞ」ム-


純「おっ、よく我慢したな」ワシャワシャ


衣「衣を子供扱いするなぁー!」プンスカ


咲(去年のインターハイとか話に聞く天江衣とは、随分イメージ違うな...)


509:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/23(金) 18:40:14.95 ID:vdiebjsd0


ゆみ「じゃあ、始めようか」


華奈「宮永はキャプテンと戦う前に華菜ちゃんを倒すべきだし!」


美穂子「華奈、早く卓に着きましょう?」


華奈「にゃぁぁ......」ションボリ


咲(さて、ざっと見た感じでは......一つの県には集まり得無い程の人材が一点に集まってるけど)


咲(私が引っ越して無ければこの人達と、か)


咲「......よろしくお願いします」


【対局、開始】


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516:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:49:01.97 ID:NTVJ7PC80


和「ツモ、2000,4000」ボ-


咲(なるほど......分かったよ、そのペンギンの意味が)


咲(誰が入れ知恵したのかは知らないけど、鋭いな)


咲「......」


咲(でも、テレビで放送されてるのに恥ずかしくは無いのかな......?)


咲(まあ、キャラ付けも出来て能力も上げれて 、一石二鳥なのかな。知らないけど)


咲(......"のどっち"状態になるには、自宅でネット麻雀をしている時に近い状態で卓に着いて、集中する事が必要)


咲(だから、普段の原村和からはそれほど力を感じられなかったのか)


517:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:50:16.35 ID:NTVJ7PC80


咲「......」チラリ


咲(福路さんはまだ動いてないし、加治木さんも様子見って感じ)


咲(......じゃあ、そろそろ)


和「リーチ」スッ


咲「それカンです、ツモ」


ゆみ(ツモ......?)


咲「嶺上開花ドラ4、責任払いアリなら原村さんの8000点です」


ゆみ(嶺上開花......これは、まるで...)


美穂子(新ドラが全部乗ってる...)


518:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:51:30.08 ID:NTVJ7PC80


和「はい」ジャラ


咲(動揺なし......慣れているのか、それとも発熱中は感情が面に出ないのか...)


咲(......両方有り得そうではあるね)


美穂子(大明槓して嶺上開花...様子見してる場合じゃないわね...)


ゆみ「......」カンガエ


咲(そういえば、阿知賀が大会前に全国の県2位高校と対戦したって言ってたけど)


咲(長野にも行って......いや、行ってたらもう少し鍛えられてたハズかな)


咲(特に、高鴨さんなんかは天江衣との対局で何かを掴んでいてもおかしくは無かったはずだし)


咲(......ていうか、阿知賀が長野県の予選に出てたとしたら、どの辺まで行けるんだろ?)


咲(......こんな無意味な想像するのはやめよう。頑張って勝ち抜いたあの子達に失礼だし)


519:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:53:03.98 ID:NTVJ7PC80


咲「ポン」スッ つ5m


咲(何にせよ、知らない人と打つ数少ない機会......それも、かなりの実力者との対局なんだ)


咲(集中しよう) つ5m


咲「カn......」ピクッ


咲「......」ピタ


咲「......」チラ


ゆみ「......」


咲「......」モドシ


咲(やっぱり、集中しないと足元を掬ってくるだけの実力はある)


咲「ノーテン」


和「ノーテンです」


ゆみ「聴牌」 役なし、待ち5m


美穂子「聴牌です」 役なし、待ち5m


咲「うわっ、危な......」


520:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:54:37.11 ID:NTVJ7PC80


咲(確か、私のポンを見てから手を変えてたから、何かしらの役を捨ててまで槍槓狙いに来たのか、この2人......)


咲「普通、そんなの狙います?」


ゆみ「ははは、上手く行けば儲け物くらいの認識だよ」フフッ


美穂子「偶には悪待ちしてみるのも良いものね」クスクス


和「??」ホゥ


咲(健夜さんみたいな事してくるな、この人たち)


咲(しかし、この2人みたいな選手と天江衣、龍門渕透華を相手に勝ち上がった清澄の選手......)


咲(竹井って人と、大将がますます気になるな......特に、健夜さんも話してた大将)


咲(......映像、もう少し見ておけば良かった)


521:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:56:11.42 ID:NTVJ7PC80


咲「親番です」


ゆみ(咲の親番か)


美穂子「......」スッ


咲「......!」


咲(目の色が違う......なるほど、だから目を瞑って......)


咲「......」


咲「......ふぅん、福路さんは手を抜いてらしたんですね」


美穂子「えっ......?」


咲「だって、両目を開けた途端に雰囲気が一変しましたよ」


美穂子「ち、違うわ?手を抜いてた訳じゃ」


咲「なら、初めから開けていたらどうです?」


咲「折角、とても綺麗な目なんですから」


522:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:57:05.77 ID:NTVJ7PC80


美穂子「へっ」


咲「??」


ゆみ「......ふふっ、モモが懐くわけだな」


咲「懐くって......東横さんは犬か何かですか」


ゆみ「少し似ていないか?犬」


咲「......確かに」


和「皆さん、対局中ですよ......?」


咲「あ、そうでした」


咲「......続けましょうか」チラリ


美穂子「......」


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523:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:57:57.31 ID:NTVJ7PC80


咲 34000
美穂子 21500
和 20500
ゆみ 19000


咲「お疲れ様でした」ペコリ


ゆみ「参ったよ、完敗だ」


ゆみ(この闘牌で、宮永。まさかとは思っていたが、咲は宮永照の関係者か......?)


和「ありがとうございました。悔しいです」


和(嶺上開花を何度か和了っていましたが、その他は、まるでお手本の様な打ち筋でしたね......)


美穂子「あ、あの......宮永さん?」


咲「はい?」


美穂子「その......」


咲「......?」キョトン


524:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 01:59:06.33 ID:NTVJ7PC80


美穂子「も、もうお昼ですし何か作ってきますねっ」スッ


咲「へっ?」


和「あ、では手伝いますよ」


美穂子「いえ、直ぐに済むし大丈夫。原村さんは個人戦に出るんだし、打っていて?」


ゆみ「いや、美穂子も出るだろう......」


美穂子「じゃあ少し、厨房を借りてくるわ」テクテク


咲「行っちゃった......」


和「他の皆さんはまだ対局中ですし、私たちも行ったほうが良いですよね?」


ゆみ「あぁ、そうしようか」


ゆみ「......全く、風越勢から聞いてはいたが、本当に自分の事は後回しだな」


和「だから信頼も置かれているんでしょうね」


ゆみ「違いない」


咲「......」


咲「原村さんと加治木さんは、ここで皆が終わるのを待っていた方が良いでしょう」


和「え?」


咲「......私が、様子を見てきますよ」


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525:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:00:29.87 ID:NTVJ7PC80


【宿舎編1・宮永咲と......】


~宿舎・厨房~


美穂子「......ふぅ...」


美穂子「......さて、やりましょう」スッ


咲「これは、サンドイッチですか?」ヒョコッ


美穂子「きゃっ!」ビクッ


咲「うわわっ」ビクッ


美穂子「み、宮永さん......」


咲「すみません、驚かせてしまいましたね」


咲「片目、瞑ってるから死角なんですよ、こっち側」クスクス


526:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:01:49.83 ID:NTVJ7PC80


美穂子「どうしてここへ......?」


咲「どうしてって、特に理由はありませんけど」


咲「サンドイッチ、久しぶりに作るなあ......」


咲「~~♪」カチャカチャ


咲「あ、マヨネーズ取ってください」


美穂子「マヨネーズ......どこにあったかしら...」


咲「さぁ、冷蔵庫とかじゃないです?」


咲「ついでにチーズもお願いします」


美穂子「マヨネーズとチーズ......」ゴソゴソ


美穂子「......」


美穂子「えっ、何をしているの?」


527:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:02:48.65 ID:NTVJ7PC80


咲「何って、サンドイッチ作ってるんですよ、サンドイッチ」


美穂子「それは分かるわ?けど......」


咲「私、サンドイッチって好きなんですよね」


美穂子「え、えぇ」コクリ


咲「......さて、ここで問題です」


咲「私がサンドイッチを好きな理由は次のうちどれ?」


咲「1、美味しいから。2、片手間に食べられるから」


咲「さて、どちらでしょう?」


美穂子「随分と急なのね......」


咲「ちくたくちくたく......」ユビフリフリ


美穂子「えっと......」ウ-ン


美穂子「1、かしら?」


528:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:03:49.43 ID:NTVJ7PC80


咲「ぶーっ、正解はですね、色々な組み合わせがあるから、でした」


美穂子「それは選択肢に入っていなかったわ...?」


咲「そうでしたっけ」


咲「あ、マヨネーズありました?」


美穂子「あ、えぇ。これね」つマヨネーズ


咲「ありがとうございます」


咲「~~♪」カチャ


美穂子「宮永さん......?」


咲「はい、一つ出来ました。たまごサンドです」つ サンドイッチ


美穂子「上手......」カンシン


529:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:04:50.95 ID:NTVJ7PC80


咲「えっと、何の話でしたか......。そうそう」


咲「サンドイッチには、色々な種類がありますよね」


咲「このたまごサンドとか、カツが挟まってるのとか、野菜が入ってるのとか」


咲「最近では、もっと面白い物が入ってるサンドイッチとか、たくさんあります」


美穂子「そうね...確かに、売っているけど...」


咲「少し前に私の知り合いが、私はカツサンドを頼んだのに何故か、海鮮を取り敢えずたくさん挟みました!」


咲「......みたいなサンドイッチを買ってきたんです」


咲「有り得なくないですか?パンとお刺し身ですよ?」


美穂子「そんな物まで売っているのね...」


咲「私、絶対美味しくないって思ってたんですよ。でも、折角買ってきてくれた物だったので、食べたんです」


咲「意を決して」


美穂子「そ、それで......味はどうだったの...?」


530:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:05:52.54 ID:NTVJ7PC80


咲「まあ......可もなく不可もなくって感じでしたが......」


美穂子「それは残念ね」


咲「果たしてそうですかね?私は、絶対に美味しくないって思って食べたんです」


咲「ところが、可もなく不可もなくという結果に終わった」


咲「......よくよく考えたら、それは良い結果だったのではないでしょうか?」


美穂子「言われてみれば、そうかもしれないわ......新しい発見ね」


咲「そう、そこです。サンドイッチには色んな楽しみ方があるんです」


咲「組み合わせによって、とっても美味しい食べ物に変わったりする」


531:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:06:55.99 ID:NTVJ7PC80


咲「それを発見したりすると、今度お父さんに作ってあげようとか、後輩に食べさせてあげようとか」


咲「試作品の試食をさせてやろう!......とか、色々考えれて......」


咲「何故か、私はその事がお気に入りなんですよね」


美穂子「なんだか、分かる気がするわ」フフッ


咲「......」


咲「福路さんの、その両目も同じです」


咲「とても素敵な組み合わせだと、私は思いますよ」


美穂子「......えっ...?」


532:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:07:59.60 ID:NTVJ7PC80


咲「先程は失礼しました。目を開けていないから手を抜いているだなんて、言ってしまって」ペコリ


咲「でも、思ったんです」


咲「この人は、どうしてせっかく素敵な両目を持っているのに、わざわざ隠しているのかって」


咲「それはまるで、さっきのサンドイッチの話みたいじゃないですか?」


咲「私、福路さんの赤と青の瞳を見て、こんな組み合わせもあるんだなって」


咲「少し、見蕩れちゃいましたよ」クスクス


美穂子「宮永さん......」


533:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:11:02.22 ID:NTVJ7PC80


咲「そうですね......例えば、私の後輩の子なんかは、マヨネーズが嫌いなんです」


咲「でも、ケチャップは好きなので、そっち方面のサンドイッチを作ってあげると喜ぶんですよね」クスクス


咲「......福路さんがどうして目を瞑っているのか、想像は......つくかも知れません」


咲「しかし、良いですか?」


咲「赤い瞳と青い瞳、2色の瞳があるんです。」


咲「マヨネーズが嫌いでも、ケチャップが好きな人がいるように......いや、少し例えが幼稚ですかね?まあいいです」


咲「赤い瞳、青い瞳、またはその両目の組み合わせ」


咲「いずれかを好きになってくれる人は、必ず存在するはずです」


534:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:12:53.42 ID:NTVJ7PC80


咲「というか、3倍も可能性が広がるんですよ?」


咲「自分から、目を閉して可能性を潰す必要は無いんです」


美穂子「......」


咲「......ルビーとサファイアは同じ素材の宝石だと、昔誰かが言っていました」


美穂子「!!」


咲「赤でも青でも、同じ瞳です」


咲「......気にする必要なんて、ありませんから」ニコリ


美穂子「...宮永さん......」グスッ


535:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:13:38.48 ID:NTVJ7PC80


美穂子「......宮永さんは、例え話があまり上手くないのね」クス


咲「う、うるさいですね......何となく伝われば、それでいいんです」プイッ


美穂子「......ふふっ、でも、嬉しかったわ」


美穂子「......」フゥ


美穂子「......」パチ


咲「......やっぱり、素敵ですよ」


美穂子「......ありがとう」ジワッ


咲「あ、ケチャップも取ってくれますか?」


美穂子「......えぇ、たくさん......作って、持っていきましょうか」ニコリ


咲「はいっ」つ ケチャップ


536:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:14:52.27 ID:NTVJ7PC80


咲「......ん?」クンクン


咲「ちょ、これ、タバスコですよ!」


美穂子「ええっ!?ごめんなさい!赤いからケチャップかと勘違いしてしまったわ...」


咲「あははっ、タバスコサンドイッチは美味しいですかね?」


美穂子「ふふっ、どうかしら」クスクス


咲「タバスコとタコスって、なんか似てるから片岡さんとかに食べさせてあげようかな......」


美穂子「......」チラ


咲「うわぁ......これ、絶対に美味しくないよ......これはさすがに分かる...」ウワァ


咲「ケチャップで上書き出来ないかな......」ブツブツ


美穂子「......ふふっ」


537:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/24(土) 02:16:19.31 ID:NTVJ7PC80


美穂子「ねえ、宮永さん?」


咲「はい?......うわっ、ダメだ!ケチャップで上書きしたら、もっと悲惨になりました」ガクリ


美穂子「宮永さんは、私の瞳......」


咲「......両方、ですよ」


美穂子「っっ......!」ジワッ


美穂子「......」ゴシゴシ


美穂子「......ありがとう、宮永さん」ニコッ


咲「......いえ」クス


【宿舎編1・宮永咲と福路美穂子、カン】


550:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:30:49.09 ID:0Jn6HocH0


咲「皆さん、お待たせしました」


美穂子「お昼に、と思ってサンドイッチとおにぎりを作ってきたんですけど、いかがですか?」


ゆみ「あぁ、ありがとう2人とも」


ゆみ(目を......)クス


華菜「ありがとうございます、キャプテン!宮永も、中々気が利くし?」


衣「サンドイッチ!咲、一緒に食べよう!」ワ-イ


智美「ワハハ、モモを起こしてくるとするかー」


優希「咲ちゃんも一緒に作ったのかー?」


咲「ええ、まあ」


551:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:31:18.55 ID:0Jn6HocH0


咲「ちなみに、サンドイッチの内一つはタバスコ&ケチャップ味ですので、お楽しみにです」ニコリ


優希「全然楽しみにできないじょ!?」


純「ロシアンルーレット要素取り入れる必要はあったのかよ...」


咲「あはは......まあ、色々ありまして」チラ


美穂子「....../////」カァ


透華「では、一先ずの所は対局をとめて昼食にしましょうか」


和「というか、この量を2人で作ったんですか?」


咲「はい。おにぎりは握るだけですし、サンドイッチは挟むだけですので、そんなに苦労は無かったので気にしなくても大丈夫ですよ」


咲「ね?福路さん」


美穂子「えぇ。むしろ、宮永さんと作れて楽しかったわ」クス


552:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:32:43.93 ID:0Jn6HocH0


ゆみ「それじゃあ、昼食にしようか」


「「「「はーい」」」」


優希「タコスサンドはないのか!」


和「ある訳ないでしょう......何ですか、タコスサンドって」ハァ


衣「衣はタルタルのサンドイッチが良い!」


一「いや、タルタルのサンドイッチは......」


一「えっ、あったよ!?」


衣「わーい!」ヤタ-


モモ「咲ちゃんの握ったおにぎりが食べれるって聞いて舞い戻ったっす!」


咲「あ、おはようございます、東横さん」


モモ「おはようっす!」


553:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:33:30.92 ID:0Jn6HocH0


ゆみ「サンドイッチの中には、一つハズレがあるらしいから狙ってみたらどうだ?」


モモ「えっ、なんすかそのロシアンルーレット的なのは......」


キャーキャー ワイワイ
ガヤガヤ


咲「......ふぅ...」


華菜「おい、宮永」トントン


咲「??」


華菜「......ありがとな、感謝するし」


咲「!!」


華菜「......」


咲「......」フフッ


咲「......いえ、優しい方ですね、とても」ニコリ


華菜「......あぁ、当たり前だし」クス


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554:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:34:30.22 ID:0Jn6HocH0


【対局・2】


咲「今度は衣先輩と池田さんと...妹尾さんですか」


衣「やっと咲と打てる!」


池田「パパッと終らせてやるし!」


佳織「わ、私が入っても良いんでしょうかぁ......?」オドオド


池田「みはるんの仇、今とってやるし!」


衣「早く打とう!」


咲「では、よろしくお願いします」


咲「......」チラ


衣「......」チャッ


咲(天江衣......)


咲(牌に愛された子で、最高状態の神代さんを除けば唯一お姉ちゃんと渡り合える選手......)


咲「......」


咲(日が落ちるにつれて能力も高くなる天江衣と、こんな昼間に打つのも勿体ない気がするな)


555:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:38:32.05 ID:0Jn6HocH0


華菜「リーチだし!」バッ


咲(早い......)


華菜「ツモだし!3000,6000!」


衣「おおっ......やるようになったな、池田」


華菜「当たり前だし!」


佳織「あぅ......」


咲(風越大将、池田華菜......早い上に火力も高い)


咲(そして、これで天江衣が南家)


衣「ふふ、そろそろ水戸開きと行こうか」ゴゴゴゴゴ


咲(うわっ、凄っ......)


咲(昼だから、とか言ってる暇はないねこれは)


咲「......」カンガエ


咲(マホちゃんのコピーよりも、やっぱり強度が違うな)


556:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:39:59.79 ID:0Jn6HocH0


衣「リーチ」


咲(海底前にリーチ...)


華菜(相変わらずだし!)


衣「ツモ、海底撈月」


咲「はい」チャラ


咲(長野県、私でもちょっとビックリする位レベルが高いな......)


咲「カン」


咲(どうしよ......もう一回やっとこうかな)


華菜「にゃっ?」


咲「もう1個、カン」


咲「リーチ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


衣(やはり、海からは抜けられるか)


衣「ポン」スッ


佳織(あっ、白いのなくなっちゃいました...)ショボン


華菜(2回カンしてリーチって、欲張りすぎだし!)


557:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:41:34.03 ID:0Jn6HocH0


衣(一応ズラしたが......)


咲「ツモ」パラララララララ


咲「リーヅモ、ドラ8」ゴッッッッ


衣(槓裏っ)


華菜「なぁっ!?」


華菜(カンした牌8枚に全部槓裏が乗るとか有り得ないし!?)


佳織(皆さん凄いなぁ......)


衣(面白い......)


衣「ポン!」


華菜(天江が海底......)


咲(鳴けないか......先に仕掛けられると厳しいな)


咲「......」チラ


咲「......」


衣「リーチ!」ゴゴゴゴゴ


華菜(もうこの光景にも慣れてきたし......)


558:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:43:21.57 ID:0Jn6HocH0


衣「ツm............なっ...!?」


衣(五萬じゃない......?)


衣(此は如何に......昼間故に、何かが狂ったか...?)


衣「......」タン


華菜(えっ、海底じゃないのか?)


咲「......」クス


衣「!!」


咲「ロン」パラララララララ


咲「河底、断幺九二盃口ドラドラ」


衣「なっ!?」ガタッ


華菜(河底撈魚!?しかも、天江が捨てた2筒単騎!!)


559:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:47:02.57 ID:0Jn6HocH0


衣「何をした......?」


咲「衣先輩に先手を打たれて、海底ルートに入ってしまうと槓材が来にくくなったので、4枚目の槓材を海底に組み込みました」


衣「組み込んだ......?」


咲「もう気付いているかもしれませんが、私は槓材を操れます」


咲「なので、配牌時に4枚揃わず暗刻になっていた時点で、カンは諦めて衣先輩に四枚目を掴んで貰いました」


衣「咲は、その4枚目の牌で待つだけ......という訳か」


衣「しかし、どうしてカンせずとも聴牌できた?」


咲「それは今がお昼だから、としか」


衣「......ふふ、なるほどな」


華菜「頭がパンクしそうだし......」


佳織(わ、私だけ何もできてない......)


560:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:49:28.53 ID:0Jn6HocH0


~数局後~


咲(天江さん、本当に強い......それに、池田さんも)


咲「......」チラ


佳織「えっと...1個ずつ......」


咲(1個ずつ......?)


華菜(うぅ、華菜ちゃん今のところあんまり良い所無しだし)


佳織「あ、出来ました!り、リーチします!」スッ


咲 衣「っっっ!?」ゾワッ


咲(妹尾さん、これが......)


衣(なんだこれは...?急に別人だ...)


佳織「あ!来ました!ツモですっ」パラララララ


19s 19m 19p 東 南 西 北 白 發 中 ツモ 東


華菜「な、なぁっ......!?」


佳織「えっと......何でしたっけ、こく...こくし......」


咲「......国士無双...しかも、13面待ち」


佳織「そうでした!えっと、国士無双ですっ」


561:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:51:00.42 ID:0Jn6HocH0


衣(妹尾佳織と言ったか......衣が気が付けなかったのは、こういう事か)


咲「終局、ですね」ホゥ


華菜「はあぁぁぁ......またボロ負けだし!」


衣「まさか、最後に捲られるとはな」フッ


咲「お疲れさまでした」


咲「私がラス親だったら、私まで捲られていました......」


咲「......」チラリ


佳織「一回だけしか和了れなかったです」


華菜「充分すぎる和了りだったし」


咲(妹尾佳織さん......そういう能力か)


衣「咲!もう一回やろう!」


咲「その前に、少しお手洗いに行ってきますね」スッ


衣「うむ、分かったぞ」


咲「少し失礼します」テクテク


咲(......ちょっと疲れたな...)テクテク


562:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:51:57.36 ID:0Jn6HocH0


衣「ふぅ...」


衣(宮永咲......か)


衣(......)


衣「なあ、池田」


池田「うん?なんだ天江?」


衣「......」


衣「......いや、何でもない」


衣(咲は、衣と友達になってくれるかな...?)


_______________
______________________________
_____________________________________________


563:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:53:01.83 ID:0Jn6HocH0


【宿舎編終幕・宮永咲と......】


咲「......ふぅ...少しだけ迷ってしまった...」テクテク


咲「次行く時は、一応誰かに付いてきて......いや、恥ずかしすぎるよそれは」ハァ


咲「......」テクテク


咲(それにしても、長野県か)


咲(世間では麻雀で一番強い県は大阪か東京って言われてるけど、長野も入ってくるんじゃないかな......)


咲(...いや、大阪は荒川憩と愛宕洋榎、園城寺さんが居て、東京は臨海勢にお姉ちゃんが居ると考えて......)


咲(長野は、天江衣に龍門渕透華、清澄の大将に原村和、福路さんに加治木さんか...)


咲(うぅん、全然劣ってはない......よね)


咲「そろそろ、龍門渕さんと打ってみたいな......っと」ピタッ


咲「......?」


咲(あれは......)


564:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:53:55.51 ID:0Jn6HocH0


和『はい......ですが、まだ個人戦があります』


咲(原村さん?誰かと電話中か......)


咲「......」


和『そんな!約束が違って......』


和『団体戦の事を引き摺るつもりはありません、まだ個人戦が残っています』


和『なので、引越しはもう少し考えてください』


咲「!!」


咲(悪いタイミングで聞いちゃったな......)


和『......はい、失礼します...』ピッ


和「......ふぅ」


咲「......」


咲「...原村さん」


和「!!」ビクッ


和「み、宮永さん......!?」


和「......いつから、そこに...?」


咲「うーん......」


咲「聞いちゃいけない所は、聞いちゃったかも......しれませんね」


和「......そうですか...」


咲「......」


和「......」


565:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:55:09.39 ID:0Jn6HocH0


咲「では、私は戻りますね」スッ


和「あ、あのっ......」


咲「?」クル


和「あの...少しだけ......話を、聞いてもらえませんか...?」


咲「えっ?」


和「......」


咲「......」フゥ


咲「......隣、座っても良いですか?」


和「はい、どうぞ」スッ


咲「......」スワリ


和「......」


和「...先程の内容は、秘密にして頂けると嬉しいです」


咲「それはまあ......うーん...」カンガエ


566:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:56:24.58 ID:0Jn6HocH0


咲「......どうして、麻雀の大会が引越しに繋がるんですか?」


和「......逆です」


咲「逆?」


和「...引越しの件が最初で、私がインハイで優勝できたら、それの取り止めを考えて貰う......」


和「そういう話なんです」


咲「......なるほど...だから、個人戦ですか」


和「はい...」


咲「......」


和「......」


567:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:57:18.35 ID:0Jn6HocH0


和「父は、元々麻雀という競技を私がやっている事に、あまり良い感情は抱いていないんです」


和「運で決まる、不毛な競技だと。だから、小さい頃に麻雀を覚えてからも、何度か止めるよう言われてきました」


咲「あはは...原村さんのお父さんらしいと、私は思いますけどね」クス


和「......えっ?」


咲(あ、しまった...思わず口に出ちゃったよ)


咲「いえ。......やめろと言われても、止めなかったんですよね?」


和「......はい」


和「...私は、阿知賀の皆と同じ奈良県に住んでいたと言うのは、知ってますよね」


咲「ええ、まあ。玄さん達が言っていましたので」


和「その頃、穏乃や憧に誘われて初めて、同年代位の友達と、麻雀を打つようになったんです」


和「でも...段々と、皆と打つ機会も減ってしまって、長野県への転校が決まってからは、ネット麻雀しか打っていませんでした」


和「パソコンの画面に向かって、一人で淡々と......」


568:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 21:59:28.22 ID:0Jn6HocH0


和「その内、1人で打っているのが虚しくなって......」


咲「......」


和「中学3年生になった辺りで、もう麻雀を辞めてしまおうと思った時期があって、本当に辞めようと思ったんです」


咲「中学3年生......」


和「ですが、最後に1局だけと思って対局をした後......メールが、来たんです」


和「...詳しくは省きますが、とても強くて驚いた。現実でも打ってみたい、みたいなメールでした」


和「正直、そんなメールはそれ以前にも沢山来ていて、返信はしていなかったんですが...」


和「その人は、心の底からそう思っているように見えたんです」


和「......その頃の私が、そう思いたかっただけなのかもしれませんが」


和「その時に、思いました」


和「私と一度対局しただけで...強い人を見ただけで麻雀を楽しめる」


和「この人は本当に麻雀が好きなんだなって...」


咲「......」


和「......私はその人の言葉にすがり付いたんです」


和「私を現実で見つけ出して、対局したいだなんて言う人が居るなら、私が辞める訳にはいかない」


和「......そうやって、無理に理由を付けて...私は麻雀を続けました」


569:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:01:10.35 ID:0Jn6HocH0


和「その後は、優希と知り合って...沢山の人と出会って」


和「現実で、目の前の相手と対局する楽しさを、思い出させて貰ったんです」


咲「......」


和「ですが......今度、また皆と離れ離れになってしまったら...今度、また麻雀を打つ場所がなくなってしまえば...」


和「きっと、私は今度こそ麻雀を辞めてしまうと思います」


和「居場所を二度も無くして......続けられる自信は、ありません...」


和「......なので、引越したく無いんです。負ける訳には、いかない」グッ


和「私に居場所をくれた優希や、私に麻雀を続けさせてくれた、あの人の言葉を...無駄にしないためにも」


咲「......」


和「!!」ハッ


和「す、すみません...勝手に一人で喋ってしまって」


570:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:05:10.50 ID:0Jn6HocH0


和「おかしいですね...誰にも話す気なんて無かったのですが......宮永さん相手だと、つい...」


咲「......」フゥ


咲「原村さんは、清澄の人達に今の話をしていないんですよね?」


和「......えぇ。大会前に話すのも、今話すのも...皆の足枷になってしまうと思って...」


和「......話したい内容でも、ありませんでしたから」


咲「聞き苦しいです、原村さん」


和「......?」


咲「話したい内容じゃ無かった?なら、わざわざ他人の私に話した理由が分かりません」


咲「私相手につい話してしまった、とおっしゃいましたが、そんな訳の分からない理由、あなた自身本当に思ってるんですか?」


咲「話したく無い訳が無い。本当は、誰かに聞いて欲しかった、悩みを共有して欲しかった」


咲「でも、そのキッカケもタイミングも無かった。......だから、半端に知ってしまった私を都合良く思って、原村さんは私に話したんです」


和「......」


571:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:07:13.14 ID:0Jn6HocH0


咲「まあ、理解は出来ます。原村さんは、きっと清澄の人や色々な人間に"芯が通っていて、強い人間"だと思われているんでしょう」


咲「他人の私でさえ、色々な記事やテレビなんかで見かける度に、そんなイメージを持っていましたから」


咲「事実、原村和という人間は、強くて芯が通っている、完璧な女性なんでしょう」


咲「でもそれ故に、原村さんが何かを悩んでいても、きっと他の人は自分で解決できるだろうと、心の何処かで思う」


咲「......いや、他の人はそう思っているだろうと、原村さん自身が勘違いしてしまう」


咲「だから、原村さん自身も自分で解決しなきゃいけない、期待を裏切れない、弱音は吐かない」


咲「......そんな風に思ってしまうんです」


咲「でも、それも限界だった。団体戦で負けてしまって、後が無くなってしまった」


咲「けど、今更誰かに話す訳にはいかない。今話してしまえば、団体戦に出たチームメイトが責任を感じてしまうかもしれないから」


572:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:08:48.66 ID:0Jn6HocH0


咲「......原村さんは、今まで誰にも話さなかった事が仇となって、結果的に今の様に自分を追い込んでしまったんです」


和「......」


咲「......原村和、貴方は確かに強い人間かもしれない。だけど、弱い部分が無い人間なんて、存在しないんです」


咲「一度広がった黒い部分は、気づいた時には自分一人では止められない程に、大きくなっていた」


咲「でも、今更誰にも話せない。離せないから、自分で抱え込むしかない、でも、それももう限界」


咲「......負の連鎖ですね」


和「......」


咲(......これが、原村和が"のどっち"としての実力を出し切れない理由だったんだ)


咲(いくらペンギンを持って自宅と同じ雰囲気で覚醒した所で、心の何処かで負けたら引越しだという雑念が、頭を過ぎる)


咲(それは、現実の情報に惑わされてはいけない"のどっち"にとっては大きすぎる問題だった)


咲(逆に...この問題さえ解決出来れば)


和「......だったら...」


咲「!!」


573:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:12:12.31 ID:0Jn6HocH0


和「だったら...どうしたら良かったんですか...」


和「だって、自分一人で抱えるしか無かった......!!大会前に話して、皆の重荷にさせてしまう訳にはいかないじゃないですか!!」


和「こんな悩み...話した方が良いことくらい、私だって分かっていました!!けど、話す訳にはいかなかったんです...」


和「皆の足で纏いには、なりたく無い...」


咲「......」


和「私の中に留めて置く事が、そんなにいけない事ですか?弱い私を見せずに、強い原村和で居ることが、そんなに悪いことですか!!」


和「麻雀を打つ居場所も、麻雀を続けた理由も......全て人から与えて貰った私が、全て受け身だった私が......せめて、それらを自分一人で守ろうとする事が......」


和「いけない......事なんですか......間違って...いますか......?」ポロポロ


咲「......」


咲「はい、全てが間違っています」


和「っっ......」


574:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:14:33.71 ID:0Jn6HocH0


咲「皆の重荷?足で纏い?それは、貴方が実際に行動してみて、体験した事ですか?」


咲「あなたは、一度でも悩みを打ち明けて、誰かにそう思われたんですか?」


咲「勝手に一人で守ろうとして、守れなかった場合、貴方は無言で居場所を去るつもりですか?」


咲「全てが終わったあとで、もうどうしようも無くなった後で、事実を告げられたチームメイトがどう思うか考えた事がありますか?」


咲「......勝手な想像で、勝手に自分を縛り付けて、勝手に自滅して、今更私に打ち明ける様な状況に陥るまで放置して」


咲「勝手に、チームメイトの心さえ決めつけて」


和「......っっ...」


咲「......」ハァ


575:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:16:50.62 ID:0Jn6HocH0


咲「......良いかな?原村和」


咲「これは、貴方がどう思おうと、真実だよ」


咲「仲間に悩みを打ち明けられて、迷惑だと重荷だと、足枷だと。そう思う人は、居ない」


咲「分かってるよね?貴方自身だって、チームメイトの人がそんな事を思う訳がないって」


咲「でもそう思っていないと、皆が迷惑がると思っていないと、自分一人で抱え込む理由が無くなっちゃう」


咲「本当は、全て分かっているはず」


咲「......貴方は、自分に嘘を吐き続けているだけなの」


和「......」


576:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:19:20.48 ID:0Jn6HocH0


和「...今更......話せません...」


咲「話せるよ。私に話せたんだから」


和「......無理...です......」


咲「無理じゃない」


和「今更話したって......無駄です...」


咲「どこが無駄なの?一人で抱え込む必要が消えるじゃん」


和「私は...1人でも......抱え込めます...」


咲「無理。原村和は、そんなに強い人間じゃないよ」


和「貴方に...私の何が分かるんです...」


咲「何も分からないし、知らなかったかな」


和「なら......っ!!」


577:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:20:31.23 ID:0Jn6HocH0


咲「でも、何も知らない私に全てを話したのは貴方。たった今私に、原村和の事を教えたのは誰でも無い、貴方」


咲「そして聞くけど、貴方はチームメイトの何を知ってるの?」


咲「......あぁ、悩みを打ち明けられて迷惑に思う程度の人達、って思ってるんだった?」


咲「それで仲間って、笑っちゃうよ」


和「そんな事......!!」


和「っっ......」


咲「......」


和「そんな......事......」


和「......そう、ですか......」


和「そんな、事......を......」


和「私は、思っていたんですか......」


咲「......」


和「......」


578:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:22:10.40 ID:0Jn6HocH0


和「ねえ、宮永さん...」


咲「......うん?」


和「私は、間違っていましたか......?」


咲「......そうだね。でも、まだ引き返せるんじゃないかな」


和「......」


和「......話したら...確かに、私は少し気が楽になるかもしれません...」


和「ですが、結局は私が自分で個人戦で結果を残さなくては......」


咲「......」フゥ


咲「何か、勘違いをしているみたいですね」


和「えっ......?」


咲「私は別に、清澄高校の人間関係や貴方の引越しの為にこんな話をしていた訳ではありません」


咲「まあ、後者には間接的に関わってしまったかもしれませんが」


和「どういう事ですか......?」


579:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:25:01.05 ID:0Jn6HocH0


咲「良いですか?」


咲「私は、原村和に"のどっち"として完全に覚醒して貰って、その上で貴方と対局したい」


咲「無駄な雑念なんて何も無い、完璧な貴方と戦いたい」


和「!!」


咲「......だから、その為に必要な話をしたまでです」


和「......宮永さん、貴方は......まさか...」


咲(自分一人で抱え込む必要が無くなれば、それだけで原村和は大きく変われる)


咲「勝負事において、心構えと言うのはとても大切な要素です」


咲「自分が自分で悩みを解決する為に勝つんじゃない、一人で戦うんじゃない」


咲「自分を受け入れてくれて、悩みを共有してくれた仲間の為にも勝つ」


咲「仲間を悲しませない為にも、自分も悲しまない為にも勝つ」


咲「そう思えば、きっと貴方はもっと強くなれる」


咲「......伝説のプレイヤー、"のどっち"の力を、私に見せてください」


_______________
______________________________
_____________________________________________


580:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:27:09.47 ID:0Jn6HocH0


咲「えっ、最低でも3位......ですか?」


和「はい。父には、それが出来れば考えてやると...言われました」


咲(私、てっきり優勝とかしなきゃダメなのかと思ってたよ)


咲(と言うか、その条件で引越しを止めるのまで考えてくれるって、結構お父さん優しいのでは)


和「咲さん......?」


咲「は?咲さん?」


和「あっ...すみません...///」


咲「あー......いや、うん...大丈夫」


咲「では、最低限は3位を目指せば良いんですね」


和「いえ、目指すのは優勝です」


咲(最低限って言ったのに......)


和「3位で妥協などしません」


咲「......ぷっ...」


和「な、何ですか!」


581:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:31:23.84 ID:0Jn6HocH0


咲「ふふっ...いえ、すみません」クスクス


咲「頑固で可愛いなって、少し思って」ニコッ


和「なっ......!?////」


咲(うん、原村和はやっぱり根は強い人間だ。......少し、羨ましいくらいに)


咲「そういえば、さっき電話をしていた時は左手で持っていましたよね?」


和「へっ?あっ......はい。私、左利きなんです」


咲「!!」


咲「じゃあ、ネット麻雀を打つ時は左手で?」


和「いえ、それは右手です。麻雀を左手で打っていたのは、始めて間も無い頃だけです」


咲「それは、イカサマを疑われたり邪魔になっちゃったりするから?」


和「そうですね。左手を使っていて、その事を注意されてからは、何となく右手をずっと使ってきました」


咲「ふんふむ......」


咲(そういえば、左手を使うと高目を和了れる選手がいたな)


咲(でも、原村さんの場合はあまり関係ないかな......?)


582:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:32:24.35 ID:0Jn6HocH0


和「あの、咲さん」


咲「はい?」


和「その......」


咲「?」


和「咲さんは、オカルトを信じていますか......?」


咲「!!」


咲「......オカルト、ですか」


和「傾向的に、天江さんは海底撈月をよく和了ったりしますし、うちの部長は悪待ちを得意......に、しているみたいなんです」


和「私は、それらも全て確率の偏りだと、偶然に起こり得る事だと考えてきました」


咲(これは......どうするか......)


和「ですが、団体戦の副将戦を振り返って...映像を見直していて、思いました」


和「世界には、偶然を必然に変える事のできる人も居るのでは無いかって」


583:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:34:12.66 ID:0Jn6HocH0


咲「副将戦......(喫茶店で見たな)」


咲「確か永水の薄墨初美、でしたか」


和「はい。...あの試合の前、事前に部長から告げられてはいたんです」


和「薄墨さんが北家の時、東と北は極力鳴かせないように。もしも鳴かれたら、小四喜に気をつけろ......って」


和「ですが、私はあの試合、気にする事もなく東と北を何度も捨ててしまったんです」


和「意味が分かりません、そう切り捨てて」


和「......オーラスに小四喜を和了られた後も......偶然だろう、そう思ってしまいました」


咲「......映像を見直した後は?」


和「はっきり言って、自分の柔軟性の無さを恨みました」


和「薄墨さんは北家の時、必ず東と北を鳴ける体制に入っていました」


和「そして2牌を鳴いた後、急に南と西が手に入っていたんです」


和「まるで、東と北を鳴けば小四喜を和了れる事が分かっているような」


咲「......えぇ」


584:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:37:12.89 ID:0Jn6HocH0


和「それからは、今までの対局、全ての見方が変わりました」


和「天江さんはラスト1巡でツモ切りリーチをして、海底撈月を和了る事が異様に多い」


和「それは、海底撈月で和了る事が分かっているからじゃないか...とか」


咲「......」


咲「......一つ、良いですか?」


和「はい」


咲「原村さんは対局中、局面をネットと重ね合わせて......ネット麻雀と同化させて、打っているんですよね?」


咲「現実の対局さえも、集中すればネトマを打っているのと同じように打てる」


和「えっと......」モジ


和「今までは...その、先程の話の事が頭を掠める事があったので、完全に集中する事が出来ていませんでしたが...」


和「......きっと、そうだと思います」


咲「そうですか......」


咲(あなたもオカルト持ちですよって、言った方が良いかなこれ......)


咲(でも確かに、今の原村和に足りないのは柔軟性)


咲(ネトマにはオカルトが存在していないが為に、現実でオカルト持ちと対局した時、隙が大きすぎる程に生まれる)


咲(ネトマでは起こり得ない故の、奇妙なズレ。これが、現実世界での "のどっち" が弱体化している大きな理由の一つ)


585:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:41:09.41 ID:0Jn6HocH0


咲(......どうする?確かに、オカルト持ちが異様に多い今年のインターハイで、オカルト否定の選手なんてカモ同然......)


咲(けど、原村和のそのブレの無さも、強みになってるのは確か......いや、今少しブレちゃってるけど...)


咲(タダでさえこの人は、支配系能力無効化の兆しが見えてるのに...素直にオカルトに順応させるのは、かなり失う物が多い気がする)


咲「うぅん......」カンガエ


咲(マホちゃんが居たら...照魔鏡で、その兆しが本物なのか確かめられたのになぁ...)


咲(やっぱり、マホちゃんにはいつも傍に居てもらうべきだね)ウンウン


和「あ、あの......すみません、そんなに悩ませてしまうなんて」


咲「いや......」


咲「......」ウ-ン


咲(はぁ......もういいや、知らない。責任は持たないよ)


咲「......原村さんの言う通り、偶然でしか起こり得ない現象を、故意に出している選手は少なくない数存在しています」


咲「長野県で言えば、天江衣が一番分かりやすい例ですね」


和「......やはり...そうなんですか...」


586:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:42:55.93 ID:0Jn6HocH0


咲「でも、原村さんはその様な"選手"が存在している事には、疑問を持ったままで構いません」


和「えっ......?」


咲「......」


咲(これは賭け......しかも、かなり分が悪い)


咲「......天江衣は、対局相手の手を一向聴から進み難くして、海底牌で必ず和了る」


咲「しかし海底以外のツモ和了、出和了共にあり、打点が極めて高い」


咲「......そういう、システムを持つCPU」


和「CPU......?」


587:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:43:48.27 ID:0Jn6HocH0


咲「宮永咲は、配牌時に槓材を必ず一つ持っている事が多く、7巡目までにカンをすると確定で嶺上開花を和了り、高確率でドラも乗る」


咲「加槓、大明槓でも同じ条件を持ち、相手に槓材を掴ませる事もできる」


咲「そんなシステムを持ったCPU」


咲「......そう、置き換えられませんか?」


和「......」


咲("のどっち"にとって一番重要なのは、リアルの情報に惑わされ無いこと)


咲(でもそれを意識しすぎると、オカルト持ちに対応出来なくなってしまう)


咲(逆に、オカルトを完全に認めてしまえば、そこに気を使いすぎてデジタルが崩れてしまう可能性が高い)


咲(だから......)


咲「"のどっち"は、リアルの対局をネット麻雀として打つ事ができる」


咲「......ならば、対局相手を特別なシステムを搭載したCPUに置き換え、それらに応じた打ち方を得意の計算速度で導き出し......」


咲「逆に、叩き潰す」


588:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:50:51.34 ID:0Jn6HocH0


咲(でも、こんなのは常識的に考えて100%無謀な選択。普通は、置き換えるなんて当然出来ないし、嫌でも意識はしてしまう)


咲(それに、事前情報だけでオカルトに対応し切る...その上、封殺するなんて普通では不可能)


咲(......でも、原村和は"普通"の"デジタル"じゃない)


咲(ネトマに置いて、健夜さんでも実力を認める程の人材)


咲(だから、これは賭けだ。今の言葉によって、無理にそれを意識した上で、置き換えられなかった場合)


咲(原村和は途端に崩れるかもしれない......けど、個人戦で勝ち抜くには、それが出来なければ絶対に勝ち上がれない)


咲(けど、もしもそれが出切るのなら......"のどっち"が、現実の麻雀に降臨できるなら...)


咲(......)


咲(もしかしたら、これ以外に道があるのかもしれない......けど......)


咲「......」チラ


和「......」カンガエ


咲(......私の行動には、全て意味がある...そうだよね、マホちゃん)


咲(...って、ズルイな私。こんな時だけあの言葉に頼って)


589:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:52:35.10 ID:0Jn6HocH0


咲「......どう、ですか......?」


和「なるほど、それは盲点でした」


和「確かに、昔何度かやった事のあるネット麻雀では、天和やダブリーを当たり前の様に出してくる物もありましたし」


和「ありがとうございます、宮永さん」ペコリ


咲「いえいえ、そんな...とんでもな賭けでした......し......」


咲「......」


咲「......はっ?」


和「えっ?」


咲「えっ、いや......うん...?」


590:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:53:47.18 ID:0Jn6HocH0


咲(どういう事?もしかして、普通に出来ますよって事?)


咲(昔、設定がおかしいネット麻雀をやった事があるから、出来ますよって事?)


和「どうかしましたか......?」


和「対局相手をCPUとして認識し、各々にシステム設定を書き込んで、それに対応する打ち方をすれば良い......んですよね...?」


咲「そう、だけど......」


咲「......マジですか、貴方...」ハハ


和「???」


咲「......3度目です。麻雀において、呆れてしまったのは」


咲(世界は広い......そういう事かな)


591:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:54:54.51 ID:0Jn6HocH0


和「それは、褒められているんでしょうか...?」


咲「ふふっ、どうかな」クスクス


咲「......というか、分かっていますか?口に出すだけなら簡単です......でも」


咲「個人戦開始まであと数日。やるべき事は......」


和「大丈夫です、咲さん」ジッ


咲「......」


和「......」


咲「......うん、楽しみにしてるよ」ニコリ


和「はいっ」ニコ


咲「それじゃあ、部屋に戻りましょうか」スッ


和「あっ!ちょっと待ってください」


咲「はい?まだ何か?」


592:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:56:08.87 ID:0Jn6HocH0


和「...お聞きしようか、迷っていたんですけど......」


咲「......」


和「......」


咲(何?あの時の事がバレた......?いや、まさか)


咲「早く戻らないと、衣先輩が拗ねてしまいますよ」


和「......お聞きします」フゥ


和「初めて会った時には、偶然だと思い気にしなかったのですが......」


和「清澄高校1年大将、宮永みなもの姉妹というのは......」


和「咲さん、貴方ですか......?」


咲「......」


咲「......」


咲「な......に......?」


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______________________________
_____________________________________________


593:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:57:07.07 ID:0Jn6HocH0


【宿内・廊下】


和「はぁ......はぁ...」タッタッ


衣「ん?ののか?」ピタ


和「天江さん!」ハァハァ


衣「どうした、そんなに走って」


和「その......咲さんが......」


衣「......」


衣「大将の事を、話したか?」


和「!!どうしてそれを...」


594:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:57:39.57 ID:0Jn6HocH0


衣(やはり......咲の気配が消えたと思って出てきてみたが...そういう事か)


衣「して、咲は?」


和「......どこに行っているのかを聞かれて、その後すぐに出て行ってしまって......」


和「迎えが早くに来たから帰った、と伝えてくれ、と頼まれたんですが...」


衣「......そうか」クルッ


和「皆さんで探しに行った方が良いですよね...?」


衣「いや、よしておけ」


衣「遅かれ早かれ、来るべき時でしか無かったのだからな」


和「それは......そうですが...」


衣「透華達には衣が上手く言っておいてやる。ののかは、何も気負う必要はない」


595:◆.4Vb7WGlxQ:2016/09/27(火) 22:59:10.26 ID:0Jn6HocH0


和「......いえ」


衣「ののか?」


和「友達の事です。......私が、説明します」


和「皆さんに、聞いてほしい事もあるので」


衣「......」


衣「......そうか」


和「...はいっ」


衣(友達、か......)


衣(咲。衣の言葉は、次に相見えた時に伝えるとしよう)


衣「......部屋に戻ろう、ののか」テクテク


和(咲さん......このお礼は、また...)


和「そうですね」


和(有難うございました)


和(......私に、麻雀を続ける理由をくれた人)


【長野宿舎編・カン】


614:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:05:09.79 ID:i/PuhKGp0

~東京、某所~


咲「はあっ...はあっ...」


咲「......」


『清澄高校1年大将、宮永みなもの姉妹というのは......』


『咲さん、貴方ですか......?』


咲「...っっ......」


咲「......」


咲「......」スッ


ピッ
プルルルルルル プルルルルルル


咲「......」


咲「......もしもし、健夜さ...」


『ただ今電話に出る事が出来ません。ピーっと鳴ったら......』


咲「......」ピッ


615:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:06:45.43 ID:i/PuhKGp0


咲「......」ジワッ


咲「!!」


咲「......」ゴシゴシ


『み、みなもさんと部長なら、念のため病院へ向かっています。病み上がりですので......』


『でも、既に回復はしていますし......えっ、咲さん!?』


咲「......確か、この辺り...」キョロ


咲「......」ドンツ


「っとと、大丈夫かしら?」


咲「あっ......すみません...少しボーっと......」チラ


咲「......」


咲「......なっ...!?」


「あら?......えっ...」


咲(そんな......まさか......どうして......)


616:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:07:52.22 ID:i/PuhKGp0


咲「......せん、ぱい...?」


「貴方......っ...」


咲「上埜......先輩......」


久「咲......?」


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617:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:08:57.58 ID:i/PuhKGp0


咲「上埜...先輩......」


久「咲......?咲、よね......?」


久「......本物よね?」


咲「......ついに、目まで機能しなくなりましたか」


久「その辛辣な言葉...間違いなく咲だわ」クス


咲「......」


久「......」


咲「......お久しぶり、です」


久「そうね...本当に」


久「東京に居るって事は、インターハイを見に来たのかしら?」


咲「いえ、私東京に引っ越したんです」


618:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:10:43.59 ID:i/PuhKGp0


久「えっ、嘘!?」


咲「嘘ですけど」


久「なっ......!」


久「......咲ぃ?」ジト-


咲「......3年前に嘘を吐かれたので、お返しです」クス


久「あれは......そうね。悪いとは思ったわ」


久「けど、後悔はしてない......かしらね」


咲「......私はまんまと上埜先輩の思惑通りに、動いてしまった訳ですしね」


久「いえ?正直、予想以上ね」


久「インハイを観戦しに来るまで、麻雀を好きになれた......いえ、好きな気持ちを思い出したって事かしら」


咲「......まあ、はい...」


咲「色々な人の...お陰です」


久「......そっか」


咲「......」


619:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:12:23.45 ID:i/PuhKGp0


久「あ、それと...私、もう上埜久じゃないのよ?」


咲「あぁ、そういえば言葉にしにくい理由で引っ越したんでしたね」


久「普通に親の離婚って言っても良いのよ?」


咲「無神経すぎますよね、それ...」ハァ


咲「で、今は何ていうお名前で?」


久「竹井よ。......竹井久」


咲「へぇ、竹井......」


咲「......は?」


咲「竹井......久...?」


久「ちなみに、インハイにも出場してたわよ?」


久「まあ、負けちゃったんだけどね」アハハ


620:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:15:19.26 ID:i/PuhKGp0


咲「まさか......竹井って...」


久「うん?」


咲「......清澄高校、中堅の......竹井久...ですか...?」


久「あら?知ってたのね?」


咲「っっ......」


久「......咲?」


咲「......」


咲「......みなもは...どこに、居ますか...」


久「......!!!」


久「......やっぱり」


久「少しだけ、話は聞いていたわ......そして、もしかしてとは思ってた......」


久「あの子が言ってた、妹っていうのは...」


久「咲、あなたの事だったのね...」


咲「......」


621:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:16:55.53 ID:i/PuhKGp0


久「いやぁ...感動の再開と洒落込みたかった所なんだけど...」


咲「......」


久「......咲、私の目を見なさい?」


咲「......」チラ


久「......」ジ-ッ


咲「......」ジッ


久「......良い目、する様になったじゃないの」


咲「先輩」


久「私は今、迷子になったあの子を迎えに行く途中だったわ」


久「電話によると、~~に居ると言ってたわね」


久「......あっ、いっけない!私、今から少しコンビニに行く用事があるんだったわ...」


久「誰か迎えに行って、そこから動かないように言っておいてくれないかしら?」チラ


622:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:20:35.08 ID:i/PuhKGp0


咲「......下手くそ、ですよ...先輩......」


久「......うるさいわね」


咲「......ふふっ...」


咲「......先輩にも、後で聞きたい事が山ほどあります...」


咲「勿論、言いたい事も」


咲「今度は、逃げないでくださいね」


久「きゃー、咲ちゃん怖い!」


咲「......先輩」


久「......はぁ、分かったわよ。可愛い後輩さん」クス


久「全く、いつになっても敵わないわ...」


咲「......よろしいです、お馬鹿な先輩さん」ニコ


久「お馬鹿って何よお馬鹿って......」


623:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:21:43.24 ID:i/PuhKGp0


咲「......あ、そうだ先輩。先に一つ、言っておきます」


久「うん?」


咲「......感謝...してます。色々と」


久「......っ」


咲「...では」タッタッタ


久「......行ったわね...」


久「はぁ...さすがの私も、色々と整理できてないわぁ...」


久「けど......」


久「......」フフッ


久「さてと!」


久「どこで時間潰すかしらねー」テクテク


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624:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:25:04.80 ID:i/PuhKGp0


【閑話・宮永咲と......】


~某所~


咲「はぁ...はぁ......」ピタ


咲「......見つ、けた...」


「!!」ピクッ


咲「......」


咲「......久し...ぶり、だね...」


「何となく......来るかもって、思ってたよ...」


「咲を......感じてたから」


咲「......私に、会いに来る資格なんて無いと......思ってたけど...」


「ううん、そんな事ない......やっと...会えた...」


「...会いに来て、くれたんだね...」


「ずっと、会いたかった...ずっとずっと、会いたかったよ」


咲「みなも...」


みなも「.........咲」


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625:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:27:48.48 ID:i/PuhKGp0


【過去話・宮永姉妹】


~咲・小学5年生、夏~


咲「ねー、お姉ちゃん~」グデ-


照「......」カキカキ


咲「......むっ...」


咲「おねーちゃーん!」


照「......」カキカキ


咲「おーねーえーちゃーんー!」


照「......ふぅ」ピタ


照「......咲が今から何言うか、当ててあげよっか」


咲「!!」ヤタッ


咲「当ててみて!」


626:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:28:45.64 ID:i/PuhKGp0


照「プールに遊びに行こう......でしょ?」カキカキ


咲「え!?どうして分かったの!お姉ちゃん凄い!」


咲「っていうか、お勉強するの止めてから話そうよー」


照「どうしてって......さっきから5回くらい同じ事言ってるよ?咲」


咲「ぶーっ、まだ4回目だよ!」


照「......嘘、5回目だよ」


咲「わたしが4回って言ってるんだから4回だよー!」


照「ううん、5回目ったら5回目」


咲「むーっ......譲らない気だね?」


咲「この負けず嫌いお姉ちゃん!」


照「ふふん、負けず嫌いは良いことだからね」


咲「お姉ちゃんめぇ......」


627:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:29:48.55 ID:i/PuhKGp0


照「ていうか、咲は宿題やらなくていいの?」


咲「プール行ったらやる!」


照「ダメだよ咲。ちゃんと早めに宿題は終わらせないと」メッ


咲「宿題宿題って、お姉ちゃん先生みたいっ」


照「夏休みの最後に、苦労したくないでしょ?」


咲「えー......まだ夏休み1ヵ月もあるよ?」


照「......去年も同じ事言って、泣きながら宿題やってた」


咲「な、泣いてないもん!」


照「そこはどっちでも良いんだけど......来年は早めに終わらすって、お母さん達とも約束したでしょ?」


咲「うっ」ギクッ


照「分からない所あったら私も手伝うから、ね?」


咲「むぅ...分かったよぅ...」


咲「じゃあ、全部終わったらまたプール行こうね!」


照「うん、そうしよっか」クスクス


照(可愛い)


628:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:31:08.91 ID:i/PuhKGp0


咲「うーん...算数難しいよ...」ウ-ン


照「麻雀の点数計算の方が難しくない?」


咲「麻雀は好きだから良いの!」


咲「算数は嫌いだから無理ぃ...」グテ-


照「あぁ...それは何となく分かるかも...」


照「......一段落着いたら麻雀打とっか」


咲「!!打つ!」バッ


咲「あ......でも、お母さんお仕事で居ないよ?」


照「お父さんは?」


咲「......寝てる...」


照「はぁ......」


照「起こすのも可哀想だし...2人打ちになっちゃうね、少し物足りないけど」


咲「ううん、私お姉ちゃんと打つの好きだから良いよ!」


629:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:32:05.48 ID:i/PuhKGp0


照「ふふっ、いっつも負けてるのに?」


咲「ふふん、本気を出して負けた敗北には価値があるんだよ!」ドヤッ


照「......誰の言葉?」


咲「おかーさん!」


照「だと思った」


咲「よしっ、今日はお姉ちゃんに勝つ!」


照「その前に算数との戦いが待ってるよ」


咲「......降参します...」ドンヨリ


_______________
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630:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:33:34.59 ID:i/PuhKGp0


咲「ノルマ終わったぁ......!」


照「うん、よく頑張ったね」ナデナデ


咲「えへへ...」ニヘラ-


咲「そうだ!早く打とうよ!」


照「こんなにすぐ打っても大丈夫?疲れてない?」


咲「大丈夫!むしろ元気になったよ!」


照「そう?......なら、やろっか」


咲「やった!」ピョンッ


咲「っとと、その前に~」ヌギヌギ


照「??脱ぐの?」


咲「うんっ、暑くなっちゃったし...」


咲「それに、脱いだ方が調子が出るの!」


照「へー......って、脱ぎっぱなしにしたらダメだよ?」


631:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/04(火) 23:36:38.59 ID:i/PuhKGp0


照「ちゃんと靴下たたんでね」


咲「分かってるよ~」タタミ


咲「これでよしっ!」


照「うん、偉いね咲」


咲「もーっ!子供扱いしてぇ......」プンスカ


照(可愛い)


照「ルールはいつもので良いよね?」


咲「......ん、大丈夫!」


照「じゃあ、よろしくお願いします」


咲「よろしくお願いします!」


_______________
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638:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:20:21.33 ID:tyUFwg7r0


咲「カン!」スッ


照「ロンだよ、槍槓12000」


咲「えぇ!またぁ!?」


照「あはは......ちょっとバレバレかな」


咲「むぅ......加槓すると見抜かれちゃうかぁ...」


咲(なら......)


照「......」チャッ


照(......ん...?)チラ


咲「嶺上~嶺上~槍槓しないで~♪」ウタウ


照(ぷっ......変な歌...)クスクス


640:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:22:52.96 ID:tyUFwg7r0


照「咲、その歌なに...」タン


咲「それカン!」


照「えっ?」


咲「ツモ!嶺上開花8000!」


咲「やった!大成功!」ブイッ


照「加槓、暗槓じゃなくて大明槓......」


照(そんな気配、数巡前までは感じなかったのに......)


照「咲、もしかして......?」


咲「ふふん、4枚揃ってるとバレちゃうから、4枚目はお姉ちゃんの手牌から出してもらう事にしたのだ!」


照「掴まされた......」


照(咲の嶺上に関わる牌の支配には抵抗出来ないな......生牌は全部手牌に取り入れないと危ないか)


641:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:24:03.66 ID:tyUFwg7r0


咲「お姉ちゃんばっかり良い思いはさせないよっ!」タン


照「ロン、3900」


咲「あぁ!しまった!!」


咲「最後の親番で捲ろうと思ってたのにぃ!!」


照「ふふっ、今日は少しヒヤヒヤしたかな」


咲「もう1回!次は負けないよ!」


照「うん、私も負けな」


ピンポーン ピンポーン


咲「ん??」


照「誰か来たのかな?」


咲「宅配でーす、かなあ?」


照「ううん、違うと思うけど......」


642:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:25:03.02 ID:tyUFwg7r0


咲「お父さん起こしてくる?」


照「いや、私が出てくる」スッ


咲「あ、私も行く!」タッタッタ


照「咲は待ってても良かったのに」


咲「私だってもうすぐ中学生だもん、大人の経験をしておかなきゃ!」


照「大人の経験って......ただ来客の対応するだけだよ咲......」


照(それにまだ5年生だし)チラ


咲「誰かな誰かな~」ソワソワ


照(可愛い)


照「もしかしたら悪い人が襲ってくるかもね」


咲「え ゙っ......」


643:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:26:53.90 ID:tyUFwg7r0


照「ふふっ、なんてね」クス


ガチャ


照「はい、どちら様ですか?」


女性「あら...こんにちは」


照「こんにちは。......えっと?」


女性「先日隣に越してきたので挨拶に来たんだけど......お父さんかお母さんは留守かな?」


照「あぁ、そうでしたか。すみません、両親共に出られませんね」


女性「そっか...なら、ご両親にはまた後ほど挨拶に来ますね」


咲「はっ...ちょっと怖くて固まってたよ...」


咲「こんにちはっ!お姉さんどなたですか?」


女性「あら、元気な子ね。ふふっ、こんにちは」ニコッ


女性「そして自己紹介がまだだったわ......」


女性「隣に引っ越して来ました、宮永って言います。よろしくお願いします」ペコリ


644:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:27:59.25 ID:tyUFwg7r0


咲「宮永!!」


照「宮永......家と同じですね」


咲「凄いねお姉ちゃん!隣に引っ越して来た人が偶然同じ苗字だなんて、天和くらいの確率だよ!」


照「それは天和の方が高いんじゃないかな......」


少女「......」


照「えっと、そっちの子は......?」


女性「あ、そうねっ。......ほら、挨拶しなさい?」


少女「......」フリフリ


女性「こらっ、後ろに隠れないの」


少女「......」フイッ


女性「はぁ......ごめんなさいね、この子少し恥ずかしがり屋で」アハハ


照「いえ、大丈夫ですよ」


645:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:29:26.12 ID:tyUFwg7r0


咲「......」ジ-ッ


咲「!!」ヒラメキ


咲「私は宮永咲!よろしくねっ!」バッ


少女「ぅわわっ!?」ビクッ


照「あ、こら咲......」


咲「おぉ...凄い綺麗な髪の色だね!」ナデナデ


少女「あのっ......やめっ......」オド


咲「お名前は何て言うn」


照「こら、咲」ゴツンッ


咲「いたっ!!うぅ...お姉ちゃんが叩いたぁ!」


照「その子困ってるでしょ?麻雀打った後でテンション上がってるのは分かるけど、少し落ち着いて?」


咲「お名前聞こうとしただけじゃん」ムスッ


照「こういうのはほら、しっかり順序を踏んでいかなきゃダメなの」


咲「お名前聞くのが始めの1歩じゃん!」


照「少し強引っていうか......」


咲「ふーんだ。叩くお姉ちゃんなんかとは口聞いてあげないもん」ツ-ン


照(拗ねた......可愛い)


646:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:30:47.87 ID:tyUFwg7r0


少女「まーじゃん......」


咲「え!あなた麻雀興味やるの!?」バッ


少女「ひっ......!」ビクッ


照「こら、咲」ゴツン


咲「痛い!!また叩いたぁ!!」グスン


女性「ふふっ...仲が良いのね」クスクス


咲「もう怒ったもん。お姉ちゃんが朝寝坊しそうになっても、起こしてあげないからね!」


照「起こしてるのお母さんだし......咲の方が寝ぼすけだよ...」


咲「むっ......なら、夜一緒に寝てあげない!」


照「お布団に潜り込んで来るのは咲だよ?」


咲「むぅぅ......何をやったらお姉ちゃんは困るの!!」


照「咲が居なくなっちゃったら困るかな」


咲「!!」


咲「お姉ちゃん......」ジワッ


照「咲......」


少女「......」


少女「......ふふっ...」クス


647:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:32:44.41 ID:tyUFwg7r0


咲 照「!!」


少女「ぁ......」


少女「....../////」


女性「ほら、自己紹介して?」


咲「......」ワクワク


照「......」フフッ


少女「...えと......」オソルオソル


女性「......」クス


みなも「宮永......みなも...です...」


みなも「よ、よろしくお願いしましゅ!」カミ


照(あ、噛んだ)


咲「あはは、噛んだっ」


照「......咲、声に出てるから」


咲「ほえ?」


咲「......あっ」チラ


みなも「~~~~~~っっっ/////」プシュ-


照「......咲?」


咲「ご、ごめんね!!本当に!」アセアセ


みなも「うぅ....../////」


女性「......よしっ!」キメタ


女性「ねえ咲ちゃん、照ちゃん。少しお願いがあるんだけど......」


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648:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:34:09.70 ID:tyUFwg7r0


咲「ささっ、上がって上がって!」


照「遠慮しなくて良いから、適当な場所に座ってて?」


みなも「う、うん......」キョロキョロ


咲「みなものお母さん、仲良くなるためにしばらく遊んでくれるかーだなんて、中々のやり手だね!」


照「数時間で迎えに来るみたいだし、心配しなくても大丈夫だよ」


照「......いや、お家すぐ隣なんだけどね」


みなも「えっと......咲ちゃん...と、照......さん?」


咲「咲でいいよ!」


照「私も、照で構わない」


みなも「......咲...」チラ


咲「はーいっ!」


みなも「......照......お姉ちゃん」


照「えっ、お姉ちゃん?」


みなも「あ...ごめんなさい......何となく...」


649:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:35:28.95 ID:tyUFwg7r0


照「いや、好きな呼び方で大丈夫だよ」


咲「うんうん!苗字も一緒だし、歳も近いし!」


咲「私達、ほんとの姉妹みたいだねっ!みなも!」ニコッ


みなも「えっ......」


照「ふふっ、だね」ニコリ


みなも「......姉妹...」


照「あ、私ジュース入れてくるね?」


咲「私も手伝うよ!みなもはその辺に座ってて!」


みなも「あ......ありがとう...」


咲「ジュースって何があったかなぁ...」テクテク


照「何も無かったらお茶だね」


咲「えぇ...恰好つかないよぉ...」


みなも(行っちゃった......)


みなも「......」 キョロキョロ


みなも「ここで良いのかな......」スワリ


みなも「......」


みなも「姉妹......かぁ...」


みなも「咲と......照お姉ちゃん......」


みなも「......」


みなも「......えへへ...」ニコッ


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650:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:36:30.77 ID:tyUFwg7r0


咲「ごめん、お茶しか無かったよ......」ショボン


照「そういえば、この前一気に飲んじゃったの忘れてたね...」


みなも「ううん、気にしないで......?」


咲「気にするよぉ......って、雀卓に座ってる!!麻雀するの!?」ヤッタ-


照「速攻で気にしなくなったね......」


みなも「ぁ......座っちゃダメだった...かな?」オド


照「ううん、ダメじゃないよ。みなもは麻雀できるの?」


みなも「......まーじゃん?」キョトン


みなも「ううん、知らない...かな」


照「その台と、置いてある牌を使う遊びなんだけどね」


みなも「へぇ...まーじゃん......」


651:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:37:41.55 ID:tyUFwg7r0


みなも「......2人は、上手いの?」


照「うーん......普通くらい...かな?」


みなも「そうなんだ......」


咲「......??」ジ-ッ


咲「!!」


咲「そうだ!みなももやってみない?麻雀!」


みなも「えっ?」


咲「丁度今、2人しか居なくて退屈......はして無いけど、少し物足りないなーって思ってた所なの」


みなも「でも...難しそうじゃない...?」


照「ちょっと難しいけど、私と咲で付き合うから大丈夫だよ」


咲「うんうん、大丈夫大丈夫!」


みなも「......」カンガエ


みなも「なら...やってみたい、かな」


咲「やたっ!!」


照「そうと決まれば早速、だね」


みなも「よ、よろしくねっ...!」


照「まず、基本的なルールは......」


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652:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:39:02.09 ID:tyUFwg7r0


照「っていう感じ。点数計算の所は少し難しいから、少しずつ覚えていけば大丈夫だよ」


みなも「翻数と符......」


みなも「......」カチャカチャ


みなも「......これだと、1200.2300で合ってる...?」


咲「えっと......えっ、凄い!正解だよみなも!」


みなも「えへへ......」


照「驚いた...今の説明だけで点数計算も覚えられるなんて」


みなも「役とかは、本見ながらじゃないと出来ないけど...」


みなも「算数は得意だからっ」


咲「へっ?」


照「......ほら、咲?算数が出来れば点数計算も出来る...つまり、逆接的に、点数計算が出来れば算数も」


咲「わーわー聞こえない!私は算数嫌いだもん!」


みなも(咲は算数が苦手......っと...)


653:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:40:18.12 ID:tyUFwg7r0


咲「それよりもみなも!役を覚えるなら、最初に嶺上開花っていう役を覚えると良いよ!」


照(逃げた......可愛い)


みなも「りんしゃんかいほー?」


咲「うんっ!山の上に花が咲くっていう意味の役なんだ!」


みなも「咲く......同じだ...咲の名前と...」


照「私のセリフが......」


みなも「どうやったら、りんしゃんかいほーになるの?」


咲「えっとね......」


咲「カンして、ツモるだけだよ!」


みなも「へぇ......カンしてツモるだけで......って、それ難しいんじゃない...?」


咲「そこはほら!気合いと根性で!」


照「いやいや......無理だよ咲......」ハァ


咲「えー?そうかなぁ...」


654:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:41:59.02 ID:tyUFwg7r0


みなも(りんしゃんかいほー......咲と......同じ...)チラ


咲「嶺上開花、良いのになぁ...」


照「私も嶺上開花は好きだけど、誰でも咲みたいに出せる訳じゃ無いからね......?」


咲「そっかぁ......」


みなも「......」ジ-ッ


咲「......うん?どうかした?みなも」チラ


みなも「!!」


咲「ん?」ニコッ


みなも「な、何でもっ....../////」カァ


咲「??」キョトン


照「えっと、もうルールは大丈夫そう?」


みなも「あ、うんっ。とにかく、役を作って点数を稼ぐ......んだよね」


照「よしっ、じゃあ早速一緒に打ってみよっか?」


咲「本見ながら、ゆっくりで良いから!楽しもうね!」


みなも「うん...!よろしく...っ!」


みなも(緊張するな......)


照「よろしくお願いします」


咲「よろしくお願いします!」


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655:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:43:20.04 ID:tyUFwg7r0


東一局


咲(みなもには悪いけど、私が勝つよ!)


咲「......」タン


照(まずは様子見......かな。多分咲が和了ってくるし)タン


みなも「......うん...?」


咲「ん、どうしたの??」


みなも「えっと......これって、配牌で聴牌してたらリーチ掛けてもいいんだよね?」


咲「へっ?」


照「うん。ダブルリーチって言って、2翻の役」


みなも「じゃあ...ダブルリーチっ」スッ


咲「えぇ...運良いなぁ...」タン


照(偶然、かな?)タン


656:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:44:31.76 ID:tyUFwg7r0


みなも「こいっ...」チャッ


みなも「......違った...」タン


咲「それカン!」スッ


照(2巡目で大明槓って、咲も相当だよ)


咲「嶺上......」


咲「......あれ?」つ 白


咲(何で?確かに嶺上牌は2筒だったはずなのに......)


照「ん?」


咲「......ツモ切り!」タン


照(ツモ切り......?)


657:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:45:59.10 ID:tyUFwg7r0


みなも「あっ...ろ、ロン!」パララララ


咲「ええっ!?」


みなも「えっと...リーチ、混一、白、ドラ3......16000...かな?」


咲「わっ...槓ドラが白に乗っちゃってる」


照「カンしたのは失敗だったね」


咲「そんなぁ......」ショボン


みなも「あっ...えと......ごめんね...?」


咲「謝る事は無いよ!勝負なんだし、本気でやらなきゃだから!」


照「にしても、初和了りが倍満で、しかも咲からの直取りなんて凄い」


みなも「そ、そうかな?...えへへ...」チラ


咲「よしっ、楽しくなってきたよ!」


みなも「初心者の私と打ってても楽しい......?」


咲「勿論!さっ、次やろっ」


みなも「......うんっ!」ニコッ


照(2人とも可愛い......)


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658:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:47:36.59 ID:tyUFwg7r0


~オーラス・13巡目~


咲「カン!」


咲「ツモ、嶺上開花!3000.6000!」


みなも「わっ...凄い...」


照「ふぅ、終局だね」


咲「やたっ、逆転トップ!」ワ-イ


みなも「負けちゃった...」シュン


照「いや、落ち込むこと無いよ。初めての対局で、4回も和了れたら充分」


咲「うんうん!しかも、私がカンした後に3回もロンするんだもん、驚いちゃったよ」


みなも「そ、そうかな......?///」


みなも「咲も照お姉ちゃんも、凄く強かった...!」


659:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:48:54.77 ID:tyUFwg7r0


咲「楽しかった??」


みなも「うんっ!また...やりたいな?」チラ


咲「!!いつでも歓迎だよ!」ニパ-ッ


咲「ねっ、お姉ちゃん!」


照「うん。家も隣なんだし、夏休みも一緒に遊ぼう」


みなも「......ありがとう!」ニコッ


咲「......」フム


咲「......みなもは、誕生日いつ?」


みなも「えっ?......10月28日...だよ?」


咲「よしっ!!私の方が1日早い!」ヤタッ


みなも「ど、どういう事......?」


照「咲......もしかして...」


660:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:50:15.82 ID:tyUFwg7r0


咲「ふっふっふ、私の方が1日早く産まれたって事は、私の方がお姉ちゃん!」


咲「つまり、みなもは私の妹ね!」


みなも「ええっ...!?」


咲「宮永三姉妹って、なんだか恰好いいねっ!」


照「咲...可愛い」


咲「へっ?きゅ、急にどうしたのお姉ちゃん...?」


照(あ、声に出てた)


みなも「そ......」


咲「うん??」


みなも「それは、違うと思うっ......!!」


咲「ぅわわっ」


みなも「絶対、咲が私の妹だよっ!なんか放っておけないし、背も私の方がすこーし高いし!」


咲「放っておけない!?」


661:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:50:52.68 ID:tyUFwg7r0


みなも「だから、私がお姉ちゃんねっ!」


咲「むっ...私がお姉ちゃんだよ!」


みなも「私だよっ!」


咲「私!!」


咲 みなも「むーっ......!!」


照「はいはい、ストップ」


照「2人とも、私の妹だから無駄な争いはよそう」ナデナデ


咲「お、お姉ちゃんがそう言うなら......」


照「うん、偉いね」ナデリ


咲「えへへ...」


みなも「むっ......」


662:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/05(水) 11:53:56.21 ID:tyUFwg7r0


みなも「......咲が納得するなら、私がお姉ちゃんって事でいいよねっ」


咲「へっ」


みなも「決まりね?」


咲「いやっ、それh」


みなも「決 ま り 、ね?」ジ-ッ


咲「は......はいぃ...」


照(凄い固執するなぁ...折れちゃう咲可愛い)


咲(ど、どうしてそんなに拘るの!?)


みなも「えへへ......」


みなも(お姉ちゃんとして、咲は私が見てなくちゃっ)


みなも「......照お姉ちゃんには負けないよっ」


照「えっ、何が......?」


みなも(新しい生活......咲と...照お姉ちゃんと......!)


みなも「...2人とも...よろしく...ね?」


照「うん、こちらこそ」ニコ


咲「いつかお姉ちゃんの座を奪ってやるんだから......」


咲「よろしくねっ、みなも!」


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699:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:26:27.19 ID:CQ+8tWk90


【一年後・喫茶店】


咲「ふあぁ...涼しい!」


みなも「涼しい!」


照「2人とも、大きな声出さないの」


みなも「はっ......そ、そうだよ咲!静かにしなくちゃ!」


咲「えー!?みなもに言われたく無いよ...」


店員「いらっしゃいませ、何名様ですか?」


みなも「あぅ......」カクレ


照「3人です」


店員「かしこまりました、こちらへどうぞ」ニコッ


みなも「......」ソロリ


咲「ふふっ、みなもってば相変わらず、人見知りの照れ屋さんだね」クスクス


照「咲の後ろに隠れて......確か、初めてあった日もお母さんの後ろに......」


みなも「う、うるさいよっ!/////」


700:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:27:09.62 ID:CQ+8tWk90


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照「今日もいつもので良い?注文」


みなも「うん、私は良いよー」


咲「私も良いよ」


照「ん、了解」


照「すみません、店員さん」


店員「はい、ご注文ですか?」


照「ジャンボバフェ1つと、オレンジジュース3つください」


店員「はい、かしこまりました。いつも有難うございます、少々お待ちくださいね」ニコリ


照「はい」ニコ


咲「いつも有難うございます、だって」キャ-


みなも「常連さんみたいで、恰好いいね!」


照「まあ、ほとんど常連みたいな物だしね」


咲「ここのパフェはおっきくて美味しいから好きー」


みなも「その代わり、少し高いけどねっ」


咲「えへへ、おこずかい貯めておいて良かったね!」


みなも「うんっ」


照(......可愛い...)


701:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:27:56.97 ID:CQ+8tWk90


照「......ん?」チラ


照「......」


咲「ん、お姉ちゃんどうしたの?」


みなも「照お姉ちゃん?」


照「2人とも、これみて?」ピラ


咲「......チラシ??」


みなも「...なになに......小学生麻雀大会......?」


咲「開催場所、長野県民ホール......こんなのやってたっけ??」


照「今年からみたいだね」


みなも「へぇ~」


照「......2人とも、出てみたら?」


咲「えっ?」


照「結構大規模にやるみたいだし......来年のインターミドルの練習にもなるかもよ?」


咲「うーん......」


みなも「確かに......面白そう!」


702:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:28:42.99 ID:CQ+8tWk90


咲「うんうん!色んな人と打てるんだよね!」


みなも「出てみようよ、咲!」


咲「賛成!」


店員「お待たせしました、ジャンボパフェとオレンジジュースになります」ゴト


照「ありがとうございます」


咲「有難うございます!」


店員「いえいえ。......ん?君たち、その大会に出るの?」


咲「はいっ、今出ようかなって決めた所です!」


店員「そっかそっか。テレビ中継もするみたいだし、頑張ってね!」


みなも「お、お姉さんも麻雀するんですか...?」


店員「んー、見る専だけどねっ」


咲「ミルセン?」


照「試合を観戦する事を楽しんでるんだよ」


咲「なるほど......」


「店員さーん、注文お願いしまーす」


店員「あっ、はい!ただいま!」


店員「それじゃっ、頑張ってね」ウインク


咲「はい!」


みなも「頑張ります......っ!」


照「日時は......今週の土曜日だって」


703:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:29:57.08 ID:CQ+8tWk90


咲「えっ、凄いギリギリだけど大丈夫?」


照「うん。応募は明日水曜日の昼までって書いてあるし、帰ったらお母さんに応募してもらお?」


咲「良かったぁ」


みなも「えへへ...咲と出る初めての大会だね!」


咲「ね!どうせなら、1位と2位は私達で独占しちゃおうよ」


みなも「良いね!そうしよっ、約束ね!」ニヘヘ


咲「でもでも、油断は禁物!凄く強い子が出てくるかもしれないし!」


みなも「その為に、家に帰ったら練習しよっ」


咲「おーっ!」


照「ふふっ、頑張ってね。私も観客席で応援してるから」クス


照(この2人なら多分余裕だけど......)


咲「その前に、パフェを......」チラ


咲「あーっ!お姉ちゃん、もう半分食べてる!」


照「......ん?」パクパク


みなも「この前も1人でいっぱい食べてたのにー!」


704:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:30:46.17 ID:CQ+8tWk90


照「......これは...そう」


照「全ては早い者勝ちという、世の中の厳しさを教えて」


咲「お姉ちゃん!」


みなも「照お姉ちゃん!」


照「......ごめんなさい...」パク


咲「食べる手を止めてから謝りなさい!!」


照「今のは本当に無意識......」


みなも「もっと悪いでしょ!」


咲「もー!お姉ちゃんってばぁ...」


みなも「......ふふっ...」クスクス


みなも(ずっと...こうやって、3人で遊べたら良いなぁ...)


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705:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:31:42.23 ID:CQ+8tWk90


【大会当日・会場】


ワイワイ ガヤガヤ


咲「うわっ、凄い人!」


みなも「さすが、世界的に広まってる競技なだけはあるね......」


咲「お姉ちゃん、これからどうするんだっけ??」


照「咲とみなもは、まず自分のグループを確認して来て?」


みなも「はいはい!さっき確認してきたよっ」


咲「私はAグループで、みなもはFグループ!」


照「見事に真逆なグループに入ったね」


照「えっと、とりあえず4回くらいトップを取れば多分決勝に上がれるから頑張って」


咲「4回って、決勝まで全部だね」


みなも「全部勝てば決勝って、当たり前だよね」


照「うん。出来るでしょ?」


706:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:32:24.59 ID:CQ+8tWk90


咲「......」チラ


みなも「......」コク


咲 みなも「「もちろん!!」」


アナウンス『間もなく、各グループ1回戦が始まります。選手の方は速やかに......』


咲「あ、もう開始だ!」


照「それじゃあ、私は観客席で見てるから」


みなも「うん、また後でね」


咲「みなも、行こっ!」ギュッ


みなも「うんっ!」ギュ


照「ふふっ...頑張って、2人とも」グッ


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707:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:33:09.81 ID:CQ+8tWk90


【Aグループ3回戦】


咲(うんうん、ここまでは全部トップ取れたし...決勝いける!)


咲「ツモ!1600.3200!」


咲(みなもは大丈夫かなぁ......)


咲(ううん、2人でワンツーフィニッシュするって約束したし...大丈夫!)


咲(今は私が楽しまなきゃねっ。折角、たくさんの人と打てるんだし!)ゴッ


咲「......」タン


選手A「ロン!6400っ」


咲「......えっ?」チラ


咲(単騎待ち......?しかも、地獄単騎......)


咲「はい」チャラ


咲(......偶然...かな...?)


708:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:33:51.31 ID:CQ+8tWk90


_______________
_______________


咲「カン、ツモ嶺上開花!2000.4000!」


咲(これでまたトップ!)


咲(でも、まだまだ攻めるよっ)タン


選手B「ロンです、8000っ」


咲「えーっ!?」ガタッ


選手B「えっ」


咲「あ......ごめんなさい...」ペコ


咲(混全帯幺......?しかも、また地獄単騎...)


咲(捨牌的にも混全帯幺は無いと思ってたのに......)


咲(......気合い入れなきゃ!)


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709:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:34:22.75 ID:CQ+8tWk90


~終局~


選手A「ありがとうございました!」


選手B「ありがとうございました」


選手C「負けちゃったあ......」


咲「......?」


選手B「......どうかした?」


咲「!!あっ、いえ......ありがとう!楽しかったです!」


選手B「ん、こちらこそ」ニコ


咲「......」チラ


咲 30400


咲(2位になっちゃった......皆強かったなぁ......)


咲「......」


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710:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:35:12.97 ID:CQ+8tWk90


【予選終了・昼休憩】


みなも「お疲れさま、咲!」


咲「......」ボ-ッ


みなも「......咲?」


咲「ぁ...うん!みなも、全勝だったね!凄いよ!」


みなも「えへへ...ありがと」


みなも「咲は...珍しいね、2回も2位になるなんて?」


咲「う、うん......あはは、強い人がいっぱいいてね」


みなも「へえ!羨ましい!けど、決勝には進んだんでしょ?」


咲「ギリギリ4位通過だったけどね...最初の2勝が無かったら危なかったよ」


みなも「でも、決勝には進めたんだし、2人でトップを独占だよ!咲っ」


咲「......うんっ、そうだね」ニコ


711:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:35:44.18 ID:CQ+8tWk90


照「......みなも、予選1位通過の選手はインタビューだって」


みなも「ふぇ!?」


咲「あ、本当だ...ふふっ、そこのモニターに映るんだね」クスクス


みなも「む、むむむむむ無理無理無理だよぉ!」アタフタ


照「ほら、早く行かなきゃ」


みなも「うぅ....../////」


咲「みなも、頑張ってっ。お姉ちゃんなんでしょ?」


みなも「!!うん......頑張る...」


みなも「も、モニター見ないでね!?恥ずかしいから!」


咲「あはは、それは無理だよー」クス


照「頑張って、みなも」


みなも「う、うんっ。行ってくるね」テクテク


咲「......」


照「......」


照「咲...最後の2試合は」


咲「あはは、他の人が凄く強くて!和了っても、すぐ振り込まされちゃったよー」


咲「でもでも、決勝では油断しないから!心配しないでっ!」


照「咲......」


咲「ほら、インタビュー始まるよっ」チラ


照「......うん」


712:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:36:56.34 ID:CQ+8tWk90


『予選1位通過の、宮永みなもさんに来てもらいました!』


みなも『ど、どうも......』


『あはは、緊張してるのかな?まずは、予選の感想をお願いします!』


みなも『か、感想ですか......?えと...知らない人と沢山打てて...とっても楽しかったです』


『普段は誰かと麻雀を打っているんですか?』


みなも『は、はい。咲と......いや、その、姉妹で打ってますっ!』


『おお!微笑ましいですねっ!......ん?宮永さんと言うと、同じく決勝に進出した選手と......』


みなも『えへへ...はいっ。そうですっ』


みなも『......その子と、2人で1位2位を取りますっ』


『これは凄い宣戦布告ですね!お姉さんも応援しています!』


みなも『あ、ありがとうございます.../////』


『それでは、以上!宮永みなもさんでしたっ!』


咲「うわっ...私の事まで!」


照「負けられなくなっちゃったね」


咲「......うん」


咲「......勝たなきゃね」


照「......」ピク


照「咲、やっぱりさっきの」


みなも「ただいまぁ......」ヘトヘト


咲「おかえり、みなも!」


照「...おかえり。凄い緊張してたね」


みなも「当たり前だよぉ...」グテ-


713:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:37:51.55 ID:CQ+8tWk90


咲「......」


みなも「咲ー?なんか、さっきからボーッとしてない??」


咲「!!」


咲「......集中してるんだよ!みなもを倒すためにね!」


みなも「あーっ、言ったね?負けないよ!」


みなも「でもでも、わざと負けるとかは無しね!お互い全力で!」


咲「うん、当たり前だよ!」


アナウンス『間もなく、決勝戦を開始します。選手の方は......』


みなも「わわっ、もう!?」


咲「みたいだね」


照「......行ってらっしゃい、2人とも。頑張って」


みなも「うん!」


咲「行ってきますっ」


咲(全力で......全力で、打つ......)


咲「......」コォォォォォォ


照(嫌な予感が......する...)


照「咲......」


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714:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:39:02.56 ID:CQ+8tWk90


【決勝戦、終了後】


選手A「ありがとう...ございました...」グスッ


選手B「うぅ...」


みなも「これ......っ...」


みなも「さ...き......?」


咲「......」スッ


咲「......ありがとう、ございました」テクテク


みなも?34600
咲 ?30500
選手A?28900
選手B?26000


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715:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:41:25.65 ID:CQ+8tWk90


咲「......」スタスタ


みなも「ま、待って咲......!」


咲「......」スタスタ


みなも「咲ってば......ねえ、待って!!」


咲「......」ピタ


みなも「......」ホッ


みなも「さ、さっきの試合......偶然...だよね......?」


みなも「咲の点数が30500点になってから、全員の点数が動かなくなったの......」


みなも「私には、咲がそうなるように...振り込んだり、安手で和了ったりしてたように見えて......」


咲「......」


みなも「全部......偶然...なんだよね...?わざと低い点数にして和了ってたのも、何か秘策があって、最後に捲ろうとしたんだよね......?」


みなも「最後の局......ロンできたのに私から和了らずに、安手を自分でツモったのも、何か考えが」


咲「.........違うよ」


みなも「..................えっ...?」


咲「......」


みなも「ち、違うって......」


716:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:41:51.40 ID:CQ+8tWk90


みなも「ど、どうしてあんな事したの......?もしかして、ワンツーフィニッシュの約束の為に...」


咲「......違う。2位で妥協なんて......私、しないもん」


みなも「......なら...どうして......?」


咲「......」


みなも「どうして、あんな手を抜くような打ち方......」


咲「......っっ...」


みなも「......」ハッ


みなも「......ねえ...咲......予選の、結果......」


咲「...」ピクッ


みなも「そういえば、最後の2試合......両方とも...今みたいに±0だった」


咲「......そう、だね...」


みなも「......」


みなも「......勝つ気が...最初から無かったの...?」


みなも「点差からして決勝には進めるって思って、適当に打ってたの...?」


咲「...みなもは......そう...思うんだ...」


咲「私が......適当に打ったって......勝つ気が無くて......手を抜いた......って...」


みなも「そうとしか思えないじゃん!!」


咲「っっ」ビクッ


717:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:44:35.43 ID:CQ+8tWk90


みなも「だって、おかしいよ!3回連続で±0なんて、勝つ気が無いみたい!!」


みなも「普通はそんな事偶然で起こるなんて有り得ないもん!!」


咲「......」


みなも「今日は......私に、優勝を譲る気であんな事したの!?」


咲「!!ちが」


みなも「嶺上開花だって、点数調節の為......?」


咲「......」


みなも「全力でって約束したのに、なんで!?私、ずっと楽しみにしてたのに!」


咲「...」


みなも「姉妹で全力で戦って、皆をあっと言わせるんだって、思ってた......」


みなも「何より、照お姉ちゃんが居ない卓で......2人きりで、全力で打ち合えるって」


みなも「......折角の麻雀なのに......」


みなも「......つまんなかった」


咲「ぁ......」


咲「......」


みなも「ねえ......何か言ってよ......咲...」


咲「......」


みなも「咲!!」


咲「あはは......」


718:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:46:35.69 ID:CQ+8tWk90


咲「......感謝、してよ」


みなも「...えっ......?」


咲「...いつも...みなもが負けてばっかりだから」


咲「......今日くらい、勝たせてあげたんじゃん」


みなも「......本気で...言ってるの...?」


みなも「ねえ、咲......本当にそんなこと」


咲「だって、普通に打ったら有り得ないでしょ?」


咲「......3連続、±0」


咲「うん、私は勝つ気なんて無かったよ」


咲「インタビューであんなに目立ったみなもが負けたら可哀想だから、わざと負けてあげ」


パシンッ!!


咲「っっ......」ヒリヒリ


みなも「......最低...」


みなも「咲がそんな事するなんて......思ってなかった」ジワッ


咲「あはは......みなもは私の何を知ってるの?」


みなも「だって、私たちはっ」


咲「......本当の姉妹でも、無いのに」


咲「知ったような口、叩かないで」


みなも「!!!!」


咲「......ほら、優勝者はインタビューあるんだから行ってきなよ」スッ


みなも「......」


咲「......」


咲「......麻雀なんて、面白くない」スタスタ


みなも「......」


みなも「........................」


_______________
______________________________
_____________________________________________


719:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:48:13.97 ID:CQ+8tWk90


【プラマイゼロ】


照「......」


咲「お姉ちゃん......」


照「......お疲れさま、咲」


咲「......見てたでしょ?...疲れてなんて」


照「咲」ジッ


咲「......」


照「私には、隠さなくて良い」


咲「......何も隠してなんてないよ」


照「......全部...分かってる......」ギュッ


咲「!!」ピクッ


照「ごめんね...予選の時点で...異変は感じてたに......何も、してあげられなかった...」


咲「っっ......」


照「......大丈夫だよ、咲...」


照「お姉ちゃんに、話して......?」


咲「......っっ...」


咲「...だって......」


咲「だって......無理だったんだもん......っっ!!」


720:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:50:04.85 ID:CQ+8tWk90


咲「全部......全部、全部!!配牌も、ツモも、ドラも、相手の手牌も、半数も、符数も...」


咲「流局の点棒移動ですら!!!」


咲「私の意志とは関係なく......勝手に......出来上がってた......点数が...作られてた...」


咲「誰かに操られてるみたいに......勝手に、そうなってた!!」


咲「最後の局だって、私には槓材が見えてた!!嶺上開花で和了るはずだった、捲れるはずだった、なのに!!」


咲「......ねえ......どうして......?」


咲「安牌だと思って捨てた牌が全部当たり牌で......次の局に、その相手が私に同じだけの点数を振り込んで......」


咲「点数が全然動かなかった......動かせなかったよ......」


咲「今日だけ......?ねえ、私、今日だけ変になっちゃったの...?」


咲「明日から...ううん、家に帰ったら......また普通に打てるよね......?」


照「咲......」


咲「私、つい怒っちゃって...みなもに酷い事言っちゃったの......」


咲「早く謝らないと......早く家に帰って本気で麻雀打たないと......」


咲「ねえお姉ちゃん...お姉ちゃんも入ってくれる?」


咲「あ、まずはみなもと仲直りしなくちゃなんだけど...」


咲「でも、みなももひどいの。私が手をぬいたなんていってね?」


咲「私がそんなことするはずないのに...」


咲「......」


咲「...あれ......?そうだっけ......どうなんだっけ...」


咲「私、本気で打ったんだっけ......?私、今麻雀打ってたよね...?」


咲「えへへ...いけないな私ったら、つい数分前の事忘れちゃうなんて」


咲「私って勝ったんだっけ......?負けた......?ううん、みなもが強かった気がするけど...」


咲「でもでも、私も安手だけど一生懸命和了ってたよね?」


照(ダメだ...急な体質の開花で、混乱して......)


咲「あれ......?安手...なんで安手ばっかり和了ったの?」


721:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:53:33.20 ID:CQ+8tWk90


咲「どうして安手しか作れなかったの......?」


咲「......分かんない」


咲「分かんない、分かんない分かんない......」


咲「...怖い......怖いよ......」


咲「怖い...助けて......お姉ちゃん...」


照「咲」


『優勝おめでとうございます!』


みなも『......ありがとうございます』


咲「ぁ......」


『宣言通り、姉妹でのワンツーフィニッシュとなりましたが、感想は!』


咲「みなも......」


みなも『......』


『宮永さん?』


みなも『......私に、姉妹なんていません』


『へっ?』


みなも『優勝は素直に嬉しいです。ありがとうございました』


『えっ、ちょっ......』


『い、以上!優勝者さんへのインタビューでした!』


咲「......」


照「......咲」


咲「......」


咲「......麻雀なんて...」


照「......」


咲「............大嫌い」
_______________
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722:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:54:55.99 ID:CQ+8tWk90


【数日後】


咲「......」


コンコン


咲「......」ピク


『咲、入るよ?』

ガチャ


咲「......」


照「......咲...」


咲「......どうしたの、お姉ちゃん?」


照「麻雀、打とう」


咲「あはは...もう良いのお姉ちゃん」


咲「あれから、ずっと打った。たくさん、たくさん打ったよ?」


照「......」


咲「でも......全部±0で終わった」


咲「もうダメだよ。打てば打つほど、点数を意識すればするほど、この力が強まってるのを感じるの」


照「私がもっと照魔鏡の精度を高めるから......!」


咲「......ねえ、お姉ちゃん、最近鏡見た?」


照「鏡......?」


咲「うん」


咲「凄く、辛そうな顔してる」


723:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:55:51.13 ID:CQ+8tWk90


照「っっ......!!私の事は心配しなくても」


咲「みなもを麻雀で傷つけちゃって、お姉ちゃんまで、私の麻雀で傷つけてる」


咲「......私、もう麻雀は、したくないの」


咲「私の変な麻雀で、人を嫌な気持ちにさせたくない」


照「咲......」


咲「......私のために、ありがとうお姉ちゃん」


照「......」


咲「最後に麻雀をしたのがお姉ちゃんで、良かった」


照「......咲...」


照「......」


照「......これ」 つDVD


咲「これは......?」


照「お母さんに頼んで......色んな選手の対局の映像を集めてもらった」


照「これが最後で良いから......何か、参考になりそうな試合があったらすぐに教えて」


咲(......私は諦めてるのに、お姉ちゃんは......)


咲(でも......ダメなの、お姉ちゃん...あの力は......)


咲「......うん」


咲「見てみるね、お姉ちゃん」


咲「ありがとう」ニコ


照「......」ホッ


咲(あの力を止められるのは、きっと......)


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724:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 15:57:21.95 ID:CQ+8tWk90


咲「えっと......」カチャカチャ


咲「......」ピッ


咲(ついた...)


咲「......」


咲「......この映像は...インターハイ?」


咲「インターハイって...高校生の麻雀大会......だったよね」チラ


咲「......」


咲「......っっ...」


咲「......」


咲「...」


_______________
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725:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:07:53.64 ID:CQ+8tWk90


【現代】


咲(あれから...引越しが決まって、先輩に会って......健夜さんに会って)


咲「......」


みなも「あの時から......ずっと、会いたかった」


みなも「会って......謝りたかったの」


咲「......私の方こそ...その...」


咲「引っ越した後に何回も、手紙とか......送ろうと、してたんだけど...」


咲「あの時......あの、大会の日に気まずくなって、遊ばなくなって...」


咲「私が悪いのに......私の方から手紙を出すのもな......って、その...思ってて...」


咲「......うん...」


みなも「......」


咲「......」


みなも「......咲が、何も言わずに、引っ越して......」


みなも「引越しちゃった後で......色々、考え直したの」


咲「......」


みなも「±0なんて、普段の咲なら......絶対、やらない...」


みなも「後になってから、そんな当たり前の事......気付いて...」


726:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:08:47.34 ID:CQ+8tWk90


みなも「ううん、とっくに、試合の後に話した時にそんな事...気付いてた...」


みなも「でも......混乱してて...酷い事、たくさん言って......」


みなも「どうして、咲の話をもっと聞いてあげなかったんだろうって......後悔して」


みなも「でも......全部、遅くて...」グス


みなも「ずっと辛くて見られなかった、あの時の試合を......何回も見て...」


みなも「咲が、故意に点数調節をしてた訳じゃないって、分かった......」


みなも「咲でも抗えない、何かがあるんだって...気づいたの...」


みなも「誰よりも、麻雀が好きだった咲に......わざと負けたんだ、とか......手を抜いた......とか...」


みなも「...ごめんね......咲......」


みなも「本当に......ごめんね...」ポロポロ


咲「みなも......」


咲「......」


みなも「...うぅ......」グスッ


咲「私......」


咲「......」


咲「......ねえ、みなも」


みなも「...うん...?」グス


咲「......私の事...まだ、姉妹だって...」


みなも「っっ」


咲「言ってくれてるって......聞いた」


みなも「......うん...」


みなも「そんな事、言う資格無いって分かって」


咲「凄く、嬉しかった」


みなも「......え...?」


727:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:12:47.65 ID:CQ+8tWk90


咲「あの時、私から...その、酷い事言って......みなもも、インタビューで...ああ言って」


咲「そのまま疎遠になっちゃって......」


咲「私の事...嫌いになってると......ずっと、思ってたから」


みなも「そんな事無い!!」


みなも「麻雀を続けてたのも、いつか咲に会えるんじゃないかって、思ったから」


みなも「インターハイを目指したのも、咲が見てくれるんじゃないかって、そう思ったから」


みなも「咲との、たった一つの繋がりを、捨てたく無かったら、頑張ったの!」


みなも「ずっと、ずっと、あの時の後悔から......」


みなも「......咲の事だけ考えて、生きてきた」


みなも「だから......そんな事...」


咲「......うん」スッ


咲「大好きだよ、みなも」ギュッ


みなも「!!」


咲「こうして、直接会って......偶然に偶然が重なった結果だけど、会えて」


咲「ずっと、抱えてきた後悔を......話せて...話して貰って」


咲「その...ごめんね、ちょっと、緊張して......上手く、言葉が出てこないんだけど...」


咲「......ありがとう。大好き、みなも」


みなも「咲......」ジワッ


728:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:14:10.70 ID:CQ+8tWk90


咲「...あの頃は、お互いに...まだ、小さくて、酷い事...言い合ったり、しちゃった」


咲「けど、あの時から......今まで、1度だって、みなもの事を忘れたこと、無かった」


みなも「......嬉しい...」ギュッ


咲「......ねえ、みなも?」


咲「昔の事、無かったことになんて、出来ないし...しちゃ、いけないと思う」


みなも「...うん......」


咲「だから、さ。改めて......」


咲「私達...姉妹に、戻れる...かな?」


咲「ううん、姉妹に、戻りたい」


みなも「......私、また、咲を...傷つけちゃうかもしれないよ......」


咲「その時は、みなもが責任をもって癒して?」


みなも「......ケンカだって、しちゃうかも...」


咲「姉妹だもん、そんなの、当たり前だよ」


みなも「こんな私で......良いの...?」


みなも「本当に、また姉妹に戻っても」


咲「みなもが良いの。本当に、みなもが良いんだよ」


咲「私が先に、姉妹じゃないなんて言っておいて...我儘なのは、分かってる」


咲「でも......」


みなも「......」


729:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:15:52.89 ID:CQ+8tWk90


みなも「......妹の我が儘、聞くのがお姉ちゃんの役割だから」


みなも「お姉ちゃんとして...妹の我が儘は、聞いてあげなきゃ...」


咲「!!」


みなも「......ね、咲」ニコ


咲「......私が、お姉ちゃん、だってば...」ニコッ


【姉妹、カン】

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730:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:16:38.90 ID:CQ+8tWk90


【終幕】


みなも「じゃ、じゃあ、もう±0の呪いは解けたの!?」


咲「うんっ、色々、あってね」


みなも「......嬉しいやら悲しいやらだよぉ...」


みなも「私が咲を助けてあげたかった!」


咲「またみなもはそうやって......お姉ちゃんと同じ事言うんだから」


みなも「そりゃ、照お姉ちゃんだってそう思うよ!」


咲「お姉ちゃんにも言ったけど、そうやって、ずっとみなもが思っててくれただけで、私は嬉しいから」


咲「ありがとう、みなも」ニコ


みなも「べ、別に......」


みなも「咲がそう言うなら......良いんだけど...//」


731:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:18:07.25 ID:CQ+8tWk90


咲「みなもの方こそ、あの天江衣を倒してインターハイに出てくるなんて、凄いね」


みなも「私は、テレビに映って咲にアピールするって役目は果たしてくれたから、県予選で終わっても...って、思ってたんだけどね」


みなも「......衣が、他校の点数で遊ぶような真似したから......」


咲「他校の点数で遊ぶ?」


みなも「うん。風越って所の点数を、0点にして、遊んだの」


咲「へぇ...あの池田さん相手に......」


咲(ふぅん......)


みなも「そうそう、池田を......って」


みなも「何で咲が池田の事知ってるの!?」


咲「あ、そうそう、それなんだけど...」


久「ねえ、私いつまで無視されてれば良いのかしら?」


732:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:20:40.97 ID:CQ+8tWk90


咲「......誰です、あなた」


咲「みなも、知ってる?」


みなも「ううん、知らないよこんなチャラそうな人」


久「ちょっ、盗み聞きしてたのは謝ったじゃないの!」


咲「謝れば済むとでも?大体、あの時の事だって、許してませんから」


みなも「そういえば、久と咲は知り合いだったんだっけ?」


みなも「なんか、私を麻雀部に勧誘してきた時もその事をエサにして......」


久「ストップストップ!!その事は私と貴方の秘密でしょう!?」


久「大体、隠れて付いてきてたのも咲の迷子癖を思い出して一人で行かせるのは......っていう、苦渋の決断だったのよ!」


咲「あーはい、そーですねー(棒)」


咲「......はぁ」


咲「......まあ、冗談は置いといて、感謝はしてます」


咲「先輩に会ってなかったら、みなもにも会えてませんでしたから」


久「お、おおう......」


久「急にデレたわね......」


咲「......」ゲシッ


久「ちょっ、痛い痛い!足踏まないで!?」


733:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:21:26.61 ID:CQ+8tWk90


みなも「......仲が良いんだね」


久「みなも、貴方目が悪かったかしら!?痛っ、ちょ、そろそろ止めてっ」


咲「そうだよみなも、仲なんて良くないから」フンッ


みなも「......むぅ...」


みなも「それで!咲がここに来た経緯を教えて!」


久「そういえば、私もまだ聞いてなかったわね」


みなも「久は邪魔だから帰って良いよ。ていうか、2人きりにしてくれない?」


久「ほんと、咲が絡むと怖いわね貴方......」


咲「まあまあ、後で部長に話し直すのも二度手間だし」


みなも「......まあ、確かにね」


久「それで?」


咲「えっと......実は...」


_______________
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734:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:22:34.70 ID:CQ+8tWk90


【長野勢・宿舎前】


みなも「本当に偶然だったんだね......宿って、ここの事でしょ?」


咲「うん。原村さんからみなもの事聞いて、飛び出してきたの」


久「あっちゃぁ...流石に、咲に会うのは想定外だったし、言うなってのも無理があったかぁ...」


咲「......先輩、先輩は原村さんの事...」


久「知ってるわ。...いや、何に悩んでるかは分からないけど、重たい物一人で背負ってるのは、ね」


咲「......そうですか」


みなも「??」


みなも「あぁ、引越しの事?」


咲「ちょっ、みなも!?」


久「あら、そういう事......想像通りね」


咲(えぇ......)


735:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:23:53.55 ID:CQ+8tWk90


みなも「あれ、言ったらダメなことだった?」


咲「みなもは、聞いてたんだね?」


みなも「うん。初めて部活に行った時の帰りにね」


久「あぁ、あの時ね......」


咲「......まあ、そういう事なので...」


咲「色々と、よろしくしてあげてください」


みなも「うーん?何で咲が和の事を心配してるの?」


久「あらあら...咲ちゃんも中々やるわねぇ...」クスクス


咲「......」ゲシッ


久「痛っ!?ちょ、また!?」


みなも「むむむむむ......何か嫌な感じっ!」プイッ


咲「えっ、なんで......?」キョトン


736:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:25:05.57 ID:CQ+8tWk90


久「ま、言いたい事は何となく分かったわ」


久「ありがとね、咲」


咲「......いえ、別に」


久「じゃ、入りますか。皆心配してるかもしれないしね」テクテク


みなも「そだね」テクテク


みなも「咲は何時頃までここに居られるの?」


咲「えっと、夕方くらい......」


健夜「咲ちゃん!!」


咲「......あれ、健夜さん!?」


衣「帰ったか」


咲「衣ちゃんも」


衣「ちゃんではなく!」


737:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:26:31.04 ID:CQ+8tWk90


久「おろ、小鍛治さん」


みなも(むっ......)


健夜「咲ちゃん、心配したよ!」


咲「な、なんで健夜さんが?お仕事は......」


健夜「早めに終わったの。それで、ケータイ見たら着信着てたから折り返したのに、中々出なくて」


咲「あ、そういえばケータイここに忘れてました...」


健夜「咲ちゃんがケータイ持たずに出歩くなんて自殺行為だよ!?」


咲「そ、それは......まあ、確かに不注意でした......」


健夜「それで、何回か掛けて繋がったと思ったら、天江衣さんが出てね」


健夜「事情を聞いて、すぐにここに来たの」


咲「衣ちゃ......先輩が?」


衣「うむ。勝手に悪いとは思ったが、何度も掛かって来たのでな」


咲「いや、それは大丈夫だけど......」


健夜「もー!心配で寿命が縮んだ思いだったよ!」


咲「......すみません、今回の迷子はちょっと予想外でして...」


咲「いや、迷子を予想できた事なんて無いんですけど......はい」


738:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:27:56.19 ID:CQ+8tWk90


健夜「でも、良かったよ。偶然とは言え、長野の人達に保護......見つけて貰えて」


咲「保護って言いましたね!?」


みなも「......ねえ、咲。この人は?」


健夜「うん......?」


健夜(この子...)チラ


咲「......」コクリ


健夜(.........そっか)クス


咲「えっとね、この人は私の高校の麻雀部でコーチ......みたいな事してる人で、小鍛治健夜って言うの」


健夜「小鍛治健夜です。清澄高校大将、宮永みなもさん、だよね」


みなも「そうだけど......随分と、咲と仲良しなんですね!」


健夜「えっ、そ、そう......?」チラ


咲「いや、こっち見られても知りませんし」


健夜「えっと...まあ、仲良くさせてもらってる......かな?」


みなも「なーっ!!咲、お姉ちゃんは認めないから!こんな、色々とダメそうな人!」


健夜「私たち初対面だよね!?」ガ-ン


739:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:29:01.65 ID:CQ+8tWk90


咲「えっと......どういう事です?」チラ


久「さあねー?ふふっ、自分で考えなさい」クス


衣「やはり、咲が此処に来たのも偶然ではなく必然だった様だな」クス


咲「???」


みなも「良い!?私は咲に大好きって言われたんだから!/////」


健夜「そ、それは...姉妹として...とかじゃなくて......?」


みなも「......えっ、そうなのかな?」


健夜「さ、さぁ......?」


みなも「ど、どうなの咲!?」バッ


咲「うわわっ!?」ビクッ


みなも「だ、だだだだ大好きって、その...どういう意味だったの!?///」


咲「ど、どういう意味って」


和「賑やかだと思ったら......帰っていたんですね」


和「また戻ってくると思ってたので、帰ったとは言っていませんよ」


咲「......原村さん」


みなも「咲ってばぁ!!」


740:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:30:18.59 ID:CQ+8tWk90


美穂子「おかえりなさい、皆さん」ニコッ


ゆみ「驚いたぞ咲。まさか小鍛治プロが、咲の言っていた待ち人だったとは」


モモ「急に飛び出したって聞いて、びっくりしたっすよー」


透華「色々とあった様ですけど、一段落着いて良かったですわ」


咲「......はい、皆さんありがとうございました」


健夜「私からも、ありがとうございました」ペコリ


みなも「......咲、帰っちゃうの...?」


咲「うん。これ以上お世話になる訳にもいかないし...」


咲「後輩を、一人で待たせちゃってるから」


みなも「......」ギュゥ


咲「......もう、甘えないの」フフッ


咲「これじゃあ、どっちがお姉ちゃんか分からないよ?」


みなも「...だって......折角会えたのに、これでお別れなんて...」


咲「私たちは姉妹、でしょ?」


咲「......いつでも、会えるよ」ナデナデ


みなも「......本当...?」チラ


咲「うんっ」ニコリ


咲「約束」スッ


みなも「......」グスッ


みなも「......うんっ、約束!」ニコッ


衣「......」クス


741:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/15(土) 16:32:06.95 ID:CQ+8tWk90


久「......小鍛治さん」


健夜「久ちゃん、お久しぶりだね」


久「はい、お久しぶりです」


健夜「......」


久「......ありがとう、ございました」


久「咲のこと、よろしくお願いします」ペコ


健夜「......うん、任されました」


【長野宿舎編・カン】


749:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:19:07.53 ID:w/jFKDM30

【2人の帰路】


健夜「......」ジ-ッ


咲「......」テクテク


健夜「......」ジ-ッ


咲「......?」


咲「......あの、私の顔に何かついてますか?」


健夜「へっ!?」ビクッ


咲「さっきから、見てますよね」


健夜「あー...いや、うん、まあ...」


750:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:19:52.52 ID:w/jFKDM30


咲「......」


咲「...ふふっ...」クス


健夜「えっ、何!?」


咲「別に、気を使って貰わなくても大丈夫ですよ」


咲「まあ、色々ありすぎて疲れちゃいましたけど...私の中での決着は、つきましたから」


健夜「......そっか」


咲「はい」ニコ


健夜「......」


咲「......?まだ何か?」


健夜「えっと......」


751:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:20:55.40 ID:w/jFKDM30


健夜「咲ちゃんはさ、その......」


健夜「いつか、長野に帰っちゃったり......するのかなって」チラ


咲「......はい?」


健夜「だって、一応まだお家は長野にあるんだよね?」


咲「それはまあ、ありますけど...」


健夜「あの子との問題も解決したんだし、仮にご両親のお仕事が一息ついたら......」


咲「それはつまり、私が長野に帰ってほしいと?」


健夜「ち、違うよ!む、むしろ逆って言うか......」


健夜「そう!もし、咲ちゃんが居なくなったら、麻雀打つ相手も少なくなっちゃうし......」


健夜「その...ちょっと、寂しい、し......」ゴニョゴニョ


752:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:23:57.85 ID:w/jFKDM30


咲「......まあ、実際にそういう話は出ていましたね」


咲「お姉ちゃんが高校卒業したら、一緒に2人で暮そうって」


健夜「やっぱり......」


咲「......」ハァ


咲「あの、健夜さん......?」チラ


健夜「うん...?」


咲「そのですね......あの...」モジ


咲「私が、麻雀を続けて来られたのも......その、色んな人のお陰ではありますけど、健夜さんの存在が大きかった訳で......」


健夜「あのインハイの時の、赤土さんの映像が1番じゃなくて?」


咲「そ、それもあります!ありますけど......」


咲「その映像には、健夜さんも映ってた訳でして...」


健夜「???」キョトン


753:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:25:04.77 ID:w/jFKDM30


咲「あぁぁ、もう!!えっとですね!!」


健夜「はいっ!?」ビクッ


咲「私は、健夜さんには感謝していますし、その、倒すべき相手ですし......」


咲「憧れ...でも、ありますので......」ボソ


咲「できる限りは、健夜さんの近くに居たいなって、思ってます!」


健夜「それって、つまり......?」


咲「健夜さんの心配してるような事には、なりません...って、事です、はい...」


咲「....../////」


健夜「......」


健夜「良かったぁぁぁぁぁぁ!!」ダキッ


754:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:26:52.99 ID:w/jFKDM30


咲「ぅわわっ!?ちょ、こんな所でっ......」


健夜「本当に良かったよぉぉぉ!!」ギュゥ


咲「分かりました、分かりましたからっ」


咲「く、苦しいので離れてください......///」


健夜「あ...ご、ごめんねっ!」バッ


咲「い、いえ......」ドキドキ


健夜「ふぅ......」


健夜「その、咲ちゃん......?」


咲「はい?」


健夜「......これからも、よろしくお願いします」ペコリ


咲「何ですか改まって......」


健夜「あはは......何となく、ね」


咲「......」


咲「こちらこそ、よろしくお願いします」チラ


健夜「へっ」


755:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:28:08.71 ID:w/jFKDM30


咲「さて、早く戻りましょうか。マホちゃんが拗ねちゃいます」クス


健夜「......」


健夜「......そうだね、行こっか」ニコ


咲「そだ、お詫びに甘い物でも買って行ってあげましょう」


咲「何が喜ぶかなー」ウ-ン


健夜「プリンとか?」


咲「うわ、無難ですね......」


健夜「別に良くない!?」ガ-ン


756:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 13:28:48.25 ID:w/jFKDM30


咲「ふふっ、まあ健夜さんと言ったら、無難を擬人化したような人ですしね」クスクス


健夜「なんかやだ!?」


健夜(...あぁ......)


健夜(こんな日々がずっと、続きますように)


咲「案外オニギリとかでも喜ぶかもですね」


健夜「甘い物ですら無くなってるよ!!」


【2人の帰路、カン】


758:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 14:05:06.61 ID:w/jFKDM30


【じかいよこく!】


咲「うわっ...神代さん凄......」


真佑子「い、今のは......」


咲「まあ、偶然とかではないですね」


真佑子「辻垣内さんの打ち方は......?」


咲「あれも、神代さんを妨害するための打ち方でしょうね」


真佑子「凄い......」


マホ(むぅ......マホが寝てる間に先輩とお隣さんと仲良くなってる......)


【普通に観戦!】


?「だる......もう動きたくない......」


咲「あの、体調でも悪いんですか?」


?「ん?君は......いや、大丈夫。ダルいけど」


咲「大丈夫なのかダルいのかどっちなんですか......」


?「......ダルいのがデフォルトというか」


咲(意味が分からない......)


【謎の気怠げな人物!】


759:◆.4Vb7WGlxQ:2016/10/16(日) 14:05:58.56 ID:w/jFKDM30


?「見つけた......」


咲「あれ、貴方は......」


?「......あの時は、悪かったね」


咲「......えっ?」


?「アンタの友達の、悪口みたいな事言って」


?「それだけ!」


咲「ちょっと待ってください」


?「......なに」


咲「...少し、打ちましょうか」


【高校○○年生との再会!】


咲「......健夜さんが行きたいなら、そうしてください」


マホ「先輩!?」


咲「健夜さんは、もっと上を、目指すべきだと思います」


健夜「咲ちゃん......」


咲「安心してください、いつか私が、玉座から蹴落としてあげますから」ニコ


健夜「......」


【決意】


次回、完結編・to be continued

(予告の内容は変更される可能性があります)


760:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/10/16(日) 14:22:38.58 ID:z9juCpByO


すこ咲すばらですわ
ところで冷やしさんとはどうなったんですかね?


762:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/10/16(日) 16:52:17.65 ID:IgTDEKhRo

すばらでした
次スレも楽しみ

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