京太郎「鼓動する星 ヤタガラスのための狂詩曲」 4/4


301:◆hSU3iHKACOC4:2016/10/01(土) 18:31:23.62 ID:Bl9rwxM/0


老人アルスランとアンナが絶望でいっぱいになっている時須賀京太郎はトンネルを歩いていた、この時の須賀京太郎たちについて書いていく。

それは天井と壁を須賀京太郎が破壊した後のことである。須賀京太郎と女子供たちは長いトンネルを歩いていた。

天井と壁を破壊したあと、半透明なヨルムンガンドとフェンリルが

「このトンネルの向こうに大量のマグネタイトがある」

といって導いてくれたのだ。異界を切り裂いた後の空間は不安定な構造であったから非常に助かった。

そうして頼れる戦友の導きでトンネルを見つけ入っていった。

高さ一メートル七十センチほど、幅一メートルの狭いトンネルだったが、特に恐れることはなかった。

二代目葛葉狂死を始末する前のひと仕事をさっさと片付けたかった。そうして須賀京太郎がトンネルに入っていくと女子供たちも一緒についてきた。

中腰になって歩く須賀京太郎の後をぞろぞろとついてきた。この時須賀京太郎のすぐ後ろに修道服を着たマリアがいた。

この時マリアは小さな子の手を握って歩いていた。この小さな子は、また小さな子の手を握って、それが延々と続いていた。

最後にトンネルに入ったのは豪華な服を着たファティマで、取り残された者がいないことを確認してトンネルに入った。彼女もまた手をつないでいた。

光が全くない状態であるから、誰かが手を引かなければ歩けなかった。そんな彼女らのことを須賀京太郎は特に気にしていなかった。

トンネルをずんずん進んでいる。看病の恩を感じている須賀京太郎である。しかし積極的に守るつもりはなかった。何せ人数が多すぎる。

女子供あわせて百人前後。いちいち気を配っていられなかった。ただそんな須賀京太郎背中をしっかりマリアは追いかけた。必死で追った。

須賀京太郎の背中を追いかければ生き延びられる気がした。不思議なことで大人しく死ぬ気持ちはなくなっていた。


狭いトンネルに入って十分後須賀京太郎たちは居住スペースに到着した、この時の居住スペースの状況と須賀京太郎たちについて書いていく。

それは腰を曲げながら無駄に長いトンネルを歩ききった後のことである。須賀京太郎は居住区画に到着していた。

トンネルを抜けてすぐに扉があったのだが、その扉を開くとその先が居住区画だったのだ。居住区画だとわかったのは生活の匂いがしたからである。

単純に生活のための備品が視界に入ったのもそうだが、人の臭いが非常に強かった。人混みの匂いではなく、生活臭である。

また須賀京太郎のすぐ後ろからついてきていた修道服のマリア、そして手をつないで現れる子供たちがほっとしているところからも察せる。

ただ、この居住区画に到着しても須賀京太郎は動きを止めなかった。ヨルムンガンドとフェンリルの案内に従った。

なぜなら大量のマグネタイトの反応があると半透明な連中が教えてくれた。大量のマグネタイトが人間のものなのか悪魔のものなのかはわからない。

しかし何かがあるのは間違いない。そうなって須賀京太郎は気を抜けない。この場所にあって須賀京太郎は敵対者、外敵である。

生活臭くらいでは緩まなかった。そうして須賀京太郎が

「いったい何が大量のマグネタイトを生んでいるのか、保有しているのか」

と探索に向かおうとした時であった。修道服のマリアが須賀京太郎に声をかけてきた。これは日本語で語りかけていた。彼女はこういっていた。

「あの! 服を!」

居住区画には電気がしっかり通っている。トンネルと広場では光がなかったが今はあるのだ。となると非常にまずい状況だった。

須賀京太郎のすぐ後ろを歩いている修道女マリアには特に厳しかった。

そうして日本語で話しかけてきたマリアの手には鮮やかなローブと青と白のストライプ柄のズボンが握られていた。

かなり大きめなローブとズボンで外国サイズだった。修道女マリアに服を差し出された須賀京太郎は服を黙って受け取った。何とも言えない顔をしていた。

服を探す手間が省けたと思う一方で恥ずかしさが勝っていた。

須賀京太郎が鮮やかなローブとズボンを身に着けた後修道女マリアが話しかけてきた、この時に行われた会話について書いていく。

それは須賀京太郎が素肌に直接ローブをまとい、下着も履かずにズボンを身に着けた後のことである。

あとからトンネルに入ってきた女子供たちが居住区画にたどり着いた。最後にトンネルに入ったのは豪華な服を着た女性ファティマ。

居住区画に到着すると同時に子供たちを励ましていた。ただ日本語ではないのでさっぱり何を言っているのか須賀京太郎にはわからなかった。そんな時である。

着替え終わった須賀京太郎に修道女マリアがこんなことを言った。


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